最終更新日:2020/8/22
バランス型投資は、無難な商品に見えてそうではないのかもしれません。
『バランス型に資金回帰』という記事があったので、「シンプルなインデックスファンドより人気が出てきたのかな?」と思って読んでいたら違いました。
参考記事:バランス型に資金回帰 :日本経済新聞
むしろ、バランスファンドは
- 新型コロナ暴落によって、絶好な買い場であった3月、4月に資金が流出してた
ことが分かったので、バランス型投資について少々掘り下げて見ていきたいと思います。
<目次>
- バランス型投資は暴落時に資金流出していた
- 外国株投信(インデックス・アクティブ両方)とは真逆
- 流入1位のバランス型投信のコストは驚くほど高い
- 優秀なバランスファンドもある
- まとめ:バランスファンドは無難”風”ファンドの人気が高い
バランス型投資は暴落時に資金流出していた
『バランス型投信』と聞くと、
「株式と債券を組み合わせて、リスクを抑えた無難な投資信託ですな」
と想像し、
「リスクを好まない、のんびり長期投資をしている人が買っていそうだから、暴落とか関係なく資金流入が続いているんだろうなぁ…」
と勝手に思っていました。
が、真逆でした。
実際は、以下グラフの通りで、『新型コロナによって暴落していた3月、4月』に資金が流出しており、逆に『世界的に株価が暴騰していた1月』には、大量の資金が流入していました。
つまり、バランス型投信を買っている投資家の多くは、
- 高い時に買って、安い時に売る
という『投資で負ける行動』を取っていたことになります。
ちなみに、この資金流出入の動きは、外国株投資とは真逆でした。
多くのインデックス投資家のみなさん、ご安心くださいw
外国株投信(インデックス・アクティブ両方)とは真逆
外国株投資の資金流出入は以下グラフの通りで、『新型コロナによって暴落していた3月、4月』に大きく資金流入しています。
出典元:ニッセイ基礎研究所
つまり、外国株投信へ投資をしている人は、投資で勝つための行動である
- 安いときに買う
が、しっかり取れていることになります。
素晴らしい!
ついでに、このグラフから読み取れるものとして、
- インデックスファンド(黄色棒)は、資金流入が続いている
- アクティブファンドは流出入が激しい
- どちらも、『安い時に買う』行動が比較的取れている
といったことが分かります。
こうして見ると、「アクティブファンドへ投資している投資家も、結構いい動きしているなぁ…」という思いも出てきます。
(アクティブファンド本体の成績ではなく、ファンドへ投資している人)
というのも、見事に
- NYダウが上げた時に資金流出して(株を売って)
- NYダウが下げた時に信金流入して(株を買って)
となっているためです。
とはいえ、『売り買いが激しい』ということは、『多くの手数料を払っている』というわけでもありますので、実際のパフォーマンスはどれ程のものだったのか、興味はあります。
が、本記事の内容から外れてしまうので、それはまた別の機会に。
といわけで、
- バランスファンド→資金の流出入が残念!
- 外国投信ファンド→資金の流出入が素晴らしい!
となったわけですが、何となく原因が分かるデータもあったので紹介していきます。
流入1位のバランス型投信のコストは驚くほど高い
5,6,7月の資金流入額No1(443億円)だったバランス型投信は、
『投資のソムリエ 運用会社:アセットマネジメントOne』
というファンドで、
- 信託報酬:1.54%
- 購入時手数料:3.3%
という『驚くほど高コストな商品』でした。
ちなみに中身は、
- 先進国債券(日本除く):51%
- 短期金融資産(CPなど):17%
がメインで、後は株式やら債券やらREITやらを、こまごまと組み合わせて構成されています。
というわけで、債券比率の高い『ローリスク・ローリターン商品』なわけですが、『信託報酬が1.54%』という、「利益の半分は信託報酬になってるんじゃないの?」と言いたくなる商品でした。
(設定来リターンは(8年で)約27%なので、銀行預金なんかよりは100倍いいですけども)
この商品が、4,5,6月の『バランス型投信の売り上げNo1』ということで、
「あ、バランス型投信を使用するユーザはこんな感じなんだ…」
「それで、暴落時に大きく流出していたわけか…」
と正直感じてしまいました。
とはいえ、『バランス型ファンドの平均』で見るとちょっと残念な結果ではありますが、バランス型ファンド全てがそうというわけではありません。
優秀なバランスファンドもある
楽天証券での『買い付け件数』が第1位のバランスファンドは『いい感じの資金流出入』をしていました。
そのファンドは
『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』
で、
- 信託報酬:0.154%
- 購入時手数料:なし
という『納得の低コスト商品』でした。
資金の流出入は以下グラフの通りで、
「暴落がどうかしたの?」
という感じで、非常に安定しています。
よって、冒頭で挙げたような『リスクを好まない長期投資スタイルの人』は、こういった商品に集まっているのだな、と想像できます。
良かった良かった!
まとめ:バランスファンドは無難”風”ファンドの人気が高い
ここまで記事にさせてもらった通り、”無難”だと思われがちなバランスファンドですが、
- 人気No1のファンドは超高コスト
- 高い時に買う、安い時に買う、行動を選ぶ投資家が多い
ということで、あまりよろしくない状況にあります。
とはいえ、『投資ソムリエ』は、銀行窓口なので販売をするさいに、
「バランスファンドっていう、リスクの少ない投資で~、世界中に投資しているから利益の取りこぼしもないし~、実際に~、さいきん一番人気なんで、ちょうおすすめなんですよ~」
とか、いい感じに売り文句の出てくる商品でもあります。
関連記事:「投資信託は危険」は過去の話ではない
よって個人投資家は、しっかりとマネーリテラシーを身に付け、『良い商品』『悪い商品』を『自分の力』で選ぶ力を養っておく必要があります。
関連記事:マネーリテラシーが万人に必要なスキルに
莫大な手数料を支払い続ける『他人の養分』となってしまわないよう、十分な知識を身に付けておきましょう。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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