最終更新日:2020/6/11
世には危険な投資信託がゴロゴロしています。
「投資は危険(ギャンブル)」というセリフはよく聞きますが、「投資は危険ではない」と理解している人の中にも「投資信託は危険」と思っている人がいます。
本記事では「投資信託は危険」と言われている理由を確認し、実際のところどうなのかについて検証していきたいと思います。
「投資信託は危険って聞いたんだけど…」という方には是非読んで頂き、危険な投資信託を選ばない知恵を身に付けて頂ければと思います。
「投資信託は危険」は過去の話だけではない
数年前まで投資信託は危険な商品だらけでした。
実際に、長いこと投資家をしている祖父に「投資信託している」というと、「投資信託は止めておいたほうがいいぞ」というリアクションが返ってきます。
しかし、数年前から金融庁がフィデューシャリー・デューティ(顧客の利益を優先すること。この時初めて聞いた単語だわ…)を叫びだし、販売されている「インデックス投資向け投資信託」にかなり良心的なものが増えてきてました。
それ以降は、「生涯この投資信託だけに投資し続ける」としても全くもって問題の無い商品も数多くあります。
しかし、いまだに「危険」と言わざるを得ない投資信託が数多く販売されており、本記事では以下2つを取り上げます。
- 異常に高い手数料&信託報酬の投資信託
- 時代に流行に合わせた投資信託
では順に解説していきます。
危険な投資信託その1:異常に高い手数料&信託報酬
この「異常に高い手数料&信託報酬」は、銀行等で多く販売されています。
2020年4月に、某N銀行の投資信託販売サイトを確認したところ、
- 購入時手数料:3.30%
- 信託報酬 :2.24%
- 売却時手数料:0.50%
という異常なほど高い手数料&信託報酬を設定している商品を見つけました。
(「見つけた」といっても、銀行のサイトにでっかっく掲載されていただけですが…)
銀行というと「比較的信頼できる」イメージがあり、中には「あなた(銀行員)が勧める商品なら大丈夫なんでしょうね」と銀行員を妄信してしまっている方(多くは年配の方)もいます。
これは「銀行員」という、ある種ブランドを利用した悪質な販売例で、その立場を利用して銀行の利益を最大化する為の商品を売りつけています。
まず、理解しないといけないことは、「銀行員は銀行の利益の為に投資信託を勧めている」わけであって「あなたの為に投資信託を勧めている」わけではないということです。
(これは銀行に限らず、どんな商売にも言えることです)
よって、投資信託を選ぶ際には、このことをしっかりと理解しておき、「おすすめされた商品に、よく分からないまま手を出さない」よう注意する必要があります。
こういった商品を誤って購入しない為には、最低限以下2点だけでも確認しておくことをお勧めします。
- 売買時の手数料が0円
- 信託報酬が1%未満(できれば0.2%未満)
この2点が問題なければ、「異常に高い手数料を請求する危険な投資信託」を回避することが可能です。
危険な投資信託その2:時代に流行に合わせた投資信託
「時代に流行に合わせた投資信託」も銀行のサイトを見ているとよくデカデカと掲載されていたりします。
最近であれば
- AI関連銘柄に投資する投資信託
- 再生可能エネルギー銘柄に投資する投資信託
といったものがこれに当てはまります。
このような投資信託も危険なものが多いです(全てではありませんが)
投資に慣れていない方であれば、上に書いているような投資信託をお勧めされたら、買いたくなるのは自然なことかもしれません。
「AI産業はこれから必ず発展します!」
「再生可能エネルギーはこれから必須の技術になります!」
と言われると「確かにそうだな…」と思ってしまうのは当然ですし、実際にその言葉通りに発展・必須の技術となっていくでしょう。
しかし、「企業(業界)の発展」と「株価の推移」に関係はありません。
というのも、「これから発展することが期待できる企業の株価」は、「発展すること」を前提にした株価(高値)になっているためです。
よって、
- 期待通りに企業が大きく発展した → 株価は横ばい
- 期待に比べて企業が少ししか発展しなかった → 株価は下落
と、例え企業が発展していようとも「思ったより発展しなかった」となれば、株価は下落します。
実際に1950-2003年の株による利益を「IBM」と「スタンダードオイル(現エクソンモービル)」で比較すると
- IBM : 年利13.83%
- エクソンモービル: 年利14.42%
と、「緩やかに衰退しているエネルギー産業」のエクソンモービルの方が高いリターンをもたらしていました。
各業界の成長率は
- IBM : 14.46%
- エクソンモービル:-14.22%(マイナスよ)
と、圧倒的にIBM属するハイテク業界の方が高成長だったのにも関わらず、です。
※著書「株式投資の未来」より
すなわち、投資で儲けるためには「予想以上に発展する企業(または予想よりも衰退しなかった企業)」を見つける必要があるわけです。
よって、「AI」や「再生可能エネルギー」といった「誰もが発展を予想している企業」で儲けることは難しいと言わざるを得ません。
それでも、これら商品が大々的に売られているのは「多少手数料が高くても売りやすいから」というのが理由の一つです。
しかし、こういった投資信託は「危険な投資信託」である可能性が高いと理解しておきましょう。
そして、最も危険な投資信託は「その1」「その2」の合わせ技でやってきます。
最も危険な投資信託は「その1」「その2」の合わせ技でやってくる
「時代に流行に合わせた投資信託」は「異常に高い手数料&信託報酬」であるケースが多いです。
それは、「時代に流行に合わせた投資信託」であれば「異常に高い手数料&信託報酬」であっても売れるからです。
上記でも書いた通り、
「AI産業はこれから必ず発展します!」
「再生可能エネルギーはこれから必須の技術になります!」
と言われれば、買いたくなるのは当たり前のことで(言っていることは嘘ではないので)、ある程度高い手数料を支払ってでも購入したくなるものです。
しかし、これはよく出来た罠なので解説しておきます。
「再生可能エネルギーが重要だ!」と世の中で叫ばれているある日、ある営業から「今後は再生可能エネルギー産業が発展するから、その投資信託を買いましょう。」という提案を受けたあなた。
「確かに再生可能エネルギー産業はこれから間違いなく伸びるよな」と納得し、その投資信託を買いました。
1年後「AIが世の中を明るくする!」と叫ばれだした頃、同じ営業から「今後はAI産業が間違いなく来るから、AIの投資信託を買いましょう!」という提案を受けました。
しかし、あなたは資産の多くを再生可能エネルギー産業に投資しており、余剰資金があまりありません。
そのことを営業に伝えると
「再生可能エネルギー業界は競合が多く生まれており、既に飽和状態にあります。実際にここ1年間は資産がほとんど増えませんでした。」「より新しい技術のAIに投資しましょう!」と、提案をされました。
あなたはニュースでAIが頻繁に取り上げられていることを知っており、”今後AIが発展していく”と予想していたことから”再生可能エネルギー産業の投資信託”を売却し、”AI産業の投資信託”を購入することにしました。
さらに1年後、新型コロナウィルスが世界で猛威を振るっており、製薬会社による薬の開発が急がれている中、同じ営業から
「新型コロナウィルスによって、ウィルスに対する危機意識が強くなったことから、今後は製薬会社への投資が加速していきますよ!」
「製薬会社業界の投資信託に乗り換えましょう!」と言われ、あなたは「確かに」と納得して投資信託の乗り換えを行いました…。
その結果、あなたは3年間で3種類の投資信託を乗り換え、その都度高額な売買手数料を取られてたわけです。
長くなりましたが、その営業はこういった展開で大きな利益を上げることを目的にしています。
上記で例に挙げた
- 購入時手数料:3.30%
- 信託報酬 :2.24%
- 売却時手数料:0.50%
が設定されている投資信託であれば、上記ストーリーの中で、投資信託の「購入3回」「売却2回」「3年間保有」しており、合計すると「投資額の18%もの手数料」を支払ったことになります。
「流行りもの」は当然、「流行り廃りのあるもの」ということなので、こういった「繰り返し売買させる(何度も手数料を取る)」ことに適したもので、まさに「危険な投資信託」と言えます。
よって、繰り返しになりますが、「○○さんに勧められた投資信託」は「○○さんの利益になる投資信託(自分にとって危険な投資信託)」であることを理解し、「自分に適した投資信託」は自分で選ぶしかないと考えておきましょう。
なお、資産運用で多くの利益を上げている人のほとんどは、ネット証券を利用して自分で選んだ商品に投資しています。
投資信託はネット証券で買うこと
ネット証券であれば、銀行で売っているような「異常に高手数料な商品」は少ないです。
(銀行販売の商品は、銀行が中間マージンを取っているため、手数料を高くなりやすい)
代わりに「自分で商品を選ぶ作業」が必要にはなりますので、選び方については以下記事をご参照ください。
簡単に書くと、投資に関してさほど精通していないのであれば「信託報酬の低い全世界の株に分散投資する投資信託」を買っておくことが、最も無難な選択と言えます。
それであれば、世界経済の発展に合わせて自身の資産を増やしていくことが可能となります。
まとめ:危険な投資信託を選ばないようにしよう
ここまで記事にさせてもらった通り「投資信託は危険」という話は現在でも通用します。
しかし、「売買手数料」「信託報酬」さえ確認すれば、「危険な投資信託」を見抜くことが可能です。
また、「流行りものに投資する投資信託」も「危険な投資信託」が数多く存在しています。
(そうでないものもありますが)
よって、一時的なブームに流されることがないよう、自分でしっかりと投資信託の内容を見極める必要があります。
そうやって「危険な投資信託」を除外して選んだ適切な投資信託は、将来の資産を形成する為の大きな武器となります。
本ブログの筆者であるひょしおんぬは、投資信託の力で40歳でのセミリタイアを実現する予定です。
(残り4年強!)
読者の皆様が適切な投資信託を見つけられるよう願っています。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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それではまた