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MMFでは
「日本国債は自国通貨建てであるため、デフォルトすることはない」
と説いています。
個人的には、この説に対して
「まぁ、分からんでもない」
くらいで考えておりました。
日本であれば、
- 政府が日本円で借金をする
- 借金を返済するときに日本円が不足していたら、政府がバンバン日本円を発行(国債を発行)すれば良い
といった流れになり、言い換えると
- 日本円で借金返済をしなければならないが、日本円ならいくらでも発行できるから問題なし!
と言えなくもないからです。
が、偶然以下の「年別のデフォルトを起こした国数のグラフ」を発見しました。
(Musings on Markets: Sovereign Ratings, Default Risk and Markets: The Moody's Downgrade Aftermath!)
「自国通貨建てでもデフォルトしているやん!」という本題に入る前に、
「こんなにもデフォルト件数あるんかいwwww」
と、驚いてしまいました。
ほんでまぁ、グラフの各色が指している意味がよく分からなかったため、このグラフを読み解くのはいったん止めまして、
代わりに、BoE(バンク・オブ・イングランド)、BoC(バンク・オブ・カナダ)が集計しているデフォルトのデータを確認してみることにしました。
なお、BoE、BoCの集計ではより広域な(延滞、返済の交渉中などを含む)デフォルトを集計しているため、上記グラフと数値が一致しませんがご承知おきください。
(BoC–BoE Sovereign Default Database: What’s new in 2023?)
まず、
- 2022年に国債のデフォルトをした国数は83か国で、合計5540億ドルにもなる。
- そのうち、現地通貨建てのソブリン債のデフォルトは137億ドル
とのこと(ソブリン債とは、政府機関が発行している国債などの債券全般のこと)
ワロスw
先のグラフを見て驚いていましたが、BoE、BoCの集計するデフォルトの規模はそれの比ではありませんでしたw
下は、世界地図をデフォルトの金額別に色塗りをしたもので、多くの国がデフォルトしていることが分かります。
なお、2022年のデフォルトは、外貨建てソブリン債が中心ではありましたが、現地通貨建てソブリン債でフォルトしたのは、
- ガーナ
- アルゼンチン
- ペルー
- バルバドス
の4か国もあります。(Sovereign Default Database)
現地通貨建てのソブリン債なので、『返却できる資金を調達できなかった』わけではないのでしょうが、『返却のための現地通貨の発行によるデメリット(インフレなど)』を加味して『選択的なデフォルト』を行ったと考えられます。
というわけで、
- 確かに、自国通貨建ての債券を発行している限り『デフォルト以外の選択肢が存在しない状況』にはならない
- しかし、『デフォルトしたほうがマシである』と判断しなければならない状況は起こりうる
- そして、実際に毎年のように自国通貨建ての債券でデフォルトを起こしている国がある
となります。
『デフォルト』と聞くと、どこか遠い世界の話のように感じていましたが、案外遠くない話でありました。
具体的な
「どうなればデフォルトしなければならなくなるのか?」
「それによる影響はどれほどになるのか?」
といったことは分かりません。
しかし、今回の『自国通貨建てでも結構デフォルトしているぞ』という調査結果を見ると、少なくとも
「バンバン借金してでもお金をバラまけ!」
「歳出削減の前にとりあえず減税しろ!」
みたいな考えには賛同しづらくなりますね。
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