「アメリカ企業が発信しているインデックス投資推しの記事は、『S&P500推し』ばっかりだな~」
と、ふと気が付きました。
そういった記事はだいたいにおいて、
「アメリカの将来を信じて、アメリカのインデックスに投資せよ」
といったニュアンスで語られています。
『自国』という目線で見ると、日本発の記事に
「日本の将来を信じて、日本のインデックスに投資せよ」
と書かれている記事が皆無であることと対照的です。
これ、日本人のインデックス投資家にはちょうど良かったと思うのです。
仮に
「インデックス投資の基本は日本のインデックスへの投資である」
という情報発信が多数派であれば、実際にそのような投資をしている人も多くいたことが予想されます。
そして、『そのような集中投資は、長期投資をしたからといって報われるわけではない』ということは、日本の過去の株価を見ていれば明らかで、場合によっては痛い目を見ることになるかもしれません。
とはいえ、アメリカで『アメリカ推し』が目立つ理由は、『自国だから』という理由だけでなく、
- アメリカ株式のパフォーマンスが素晴らしかったから
- これからも世界経済をリードしていくと考えられているから
と、『アメリカ株式が魅力的であった』からだと考えられます。
その点において、日本は
- 日経平均は、いまだにバブル期を超えられていない
- 少子高齢化の進む日本経済の未来は暗い
と、『日本株式には魅力がない』と考えられていることから、『日本推しの発信が少ない』のは当然だと言えるでしょう。
よって、日本で『アメリカ推し』の投資家の比率が高くなっているもの当然かもしれません。
例えば、日本で定番の投信であるeMAXIS Slim シリーズの純資産総額を並べると
eMAXIS Slim S&P500 | 2.3兆円 |
eMAXIS Slim 全世界(オルカン) | 1.2兆円 |
eMAXIS Slim 先進国(除く日本) | 0.5兆円 |
eMAXIS Slim 全世界(除く日本) | 0.3兆円 |
eMAXIS Slim TOPIX | 0.1兆円 |
と、S&P500に人気が集まっていることが分かります。
しかし、オルカンも結構がんばっていると言えるのではないでしょうか。
これと比較するために、アメリカ市場で販売されているヴァンガード社の人気ETFを並べると、
VTI(全米株式) | 3,000億ドル |
VEA(先進国:除くアメリカ) | 1,130億ドル |
VXUS(全世界株式:除くアメリカ) | 580億ドル |
VT(全世界株式) | 280億ドル |
VJPN(日本株式) | 20億ドル |
と、VT(全世界株式)、VEA(先進国:除くアメリカ)、VXUS(全世界株式:除くアメリカ)をあつめても、VIT(全米株式)には及ばず、自国の株式(VTI)が人気を集めていることが分かります。
また、少々古い(2018年)ですがアメリカETFの時価総額ランキングTOP10を確認すると、アメリカ市場に人気が集中していることが分かります。
もちろん、これら投信・ETFは
- 販売開始時期がバラバラ
- アメリカ市場のETFだからといって『アメリカ人だけが買っている』わけではない
- 税制が違う
などなど単純比較できるものではありませんし、
- 『日本の投信』と『アメリカのETF』を比較している
ため、これだけをもって『アメリカ人はアメリカ株式ばかり買っている』と断定することはできません。
しかし、それでも
- アメリカでは、アメリカ株式に人気が集中している
と見えるような状況にあります。
そんなわけで、この状況からは
「私がアメリカ人だったら、アメリカ株式インデックスに投資していたんだろうな~」
なんてことを想像してしまうわけです。
私は大した信念を持って投資しているわけではないので、大勢に押されて「そんなに言うなら…、アメリカ株にします!!」と手を出していた可能性は結構ありそうです。
そして、そのアメリカ集中のポートフォリオを組んでおきながらも
「トランプが大統領になったんだけど、これからのアメリカは大丈夫かいな…?」
「中国が台湾進攻を開始したことで米中関係が悪化して、アメリカ経済がズタボロにならないか?」
「アメリカでの格差が激しくなりすぎて、革命のようなことが起きたりしないもんか…」
「人気の投資先は割高となることでリターンが低くなることがあるらしいんだけど、アメリカ株って大丈夫なん?」
と、心配な日々を送っていたかもしれません。
どこかで『全世界分散投資』という方法に気付いたとしても、
「みんながアメリカ株式インデックスに投資しているのに、そうじゃない道を選んで本当に大丈夫なんだろうか…?」
と、モンモンとしながらも『全世界分散投資』には踏み切れない日々を過ごし、場合によっては
「アメリカ株式イマイチじゃん!やっぱり全世界に分散しておいたら良かった…」
と後悔していたかもしれません。
そんなわけで、心配性な私にとって『アメリカ集中投資はメンタルに悪いもの』となっていたことでしょう。
そんなこんなを想像していたら、
「日本という経済発展がイマイチな国に生まれてきたおかげで、いち早く世界に目を向けられたんだなぁ」
「日本に生まれて良かったなぁ…」
という考えに至ったのでした。
『日本という弱者にやさしい国』に住み、アメリカの格差社会でもまれているわけでもないのに、アメリカの『格差が拡大してでも資本主義を推し進める』という考えによって生まれた利益を受け取れている、という最高のポジションにあることを喜びたいと思います。
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