最終更新日:2020/8/29
『ナスダックが今後下落していく可能性についての考察』という記事があったので考察していきます。
NASDAQは、アメリカの株価を指す指数の一つで、
GAFAM(Google,Amazon,Facebook,Apple,Microsoft)といったハイテク企業が多く含まれているため、NYダウや、S&P500に比べてハイテク企業の動向を読むために使用されることが多いです。
新型コロナによる暴落では、GAFAMの好業績がけん引によってNYダウやS&P500よりも素早い回復を見せ、現在でも過去最高値を更新し続けています。
冒頭で紹介した記事の中では、
- NASDAQが過熱相場である可能性
- NASDAQが下落するシナリオ
について考察されています。
NASDAQが過熱相場である可能性
記事では、
チャートの月足では買われ過ぎを示唆しているとされているRSIの値が70を超えて推移しており、チャート上では買われ過ぎと判断することができます。(記事執筆時点)
としており『値上がりの勢い』を表すRSI(Relative Strength Index:相対力指数)を使って、『買われすぎ』と判断しています。
(50が値動きなし、100が最も勢いのある状況を指す)
また、『割高かどうか』を表す代表的な指数であるPERは、以下グラフの通りとなっており、
※出典元:銀行.info
一般的に『PERが20倍を超えると割高』と言われる中で、60倍という”異常”ともいえるような値となっています(「間違ってない?」って言いたくなるほど…)
また、同じアメリカ市場のNYダウと比較しても、かなり高い値となっていることが分かります。
このように
- 各種指標からは『NASDAQは割高だ』という事ができる
という結論となります。
続いて『NASDAQ下落のシナリオ』についての考察です。
考えられるNASDAQ下落のシナリオについて
記事では、考えられる『NASDAQ下落のシナリオ』について、以下3点を挙げています。
- アメリカ大統領選挙
- 米中の対立
- コロナウィルス第2波
順に解説していきます。
アメリカ大統領選挙
2020年11月にアメリカ大統領選挙が実施されます。
基本的には、『現職で共和党のドナルド・トランプ氏』と『民主党のジョー・バイデン氏』の対決となります。
トランプ氏の再選となった場合は、今までの政策を維持すると思われますので、バイデン氏が当選したケースを想定して考察していきます。
今のところバイデン氏は、
- 諸外国との連携を強化
- 最低賃金引上げ
- エコエネルギーへの投資(パリ協定への復帰)
- 移民の受け入れ
- 法人税の増税
といったことを公約として掲げています。
トランプ氏が大統領になってから、『アメリカ・ファースト』という言葉通り、アメリカにとって『”直接的な利益”につながる政策』が取られてきましたが、それとは真逆となる公約が多くあります。
(それがアメリカ経済の”将来の利益”につながるかどうかは置いておいて)
特に注目する点としては『諸外国との連携の強化』を挙げているところで、トランプ氏は関税の引き上げ(特に対中国)などによって、自国企業を守る取り組みをしていましたが、それが撤廃される可能性があります。
そうなると、例えば
- 輸入によって利益を得ている企業の業績が向上する
- 関税によって守られていた企業の業績が悪化する
といったことが起きると予想できます。
まだ大統領選のゆくえが予想できる状況ではありませんが、投資家はこういったことを予想しておく必要がありそうです。
また、『諸外国との連携強化』だけでなく『移民の受け入れ』『エコエネルギーへの投資』といった、『世界経済の発展にとって望ましい政策』が数多く挙げられていることから、世界分散投資をしている投資家にとっては、『バイデン氏の当選』によって「イエーイ」な方向に進むことが期待されます。
ただし『法人税の増税』の実施時期・内容によっては、アメリカ株への影響が大きく出る可能性もあるので、注意が必要です。
米中の対立
既に激化している『米中の対立』ですが、これからの大統領選に向けて、さらに大きな動きが起きる可能性もあります。
というのも、『現時点ではトランプ不利』と言われている状況にあるため、
- 一発逆転のために、すげー政策を打ち出してやる!
という考えのもと、上手くいっているとは言えない『対中国の政策』で大きなアクションを取る可能性があるためです。
その内容がどんなものになるか予想はできませんが、場合によっては大きく株価が動くことが予想されます。
関連記事:大学基金へ中国株を手放すよう要請【米中対立が激化】
これについては、大統領選と違っていつ発生するか分からないので、常にアンテナを張っておく必要がありそうです。
コロナウィルス第2波
記事では、いまだ鎮静していない新型コロナの第2波によって、株価が暴落する可能性があるとし、
ナスダックがこの影響を受けても、未だに安定した上昇率を出していることは事実ですが、第二波になりますと、株価がどのような動きをするのか予測することは非常に難しいと言えるでしょう。
しかしながら2月からの下落を考えますと、次の第二波による下落もマーケットが経験したこと無いような大きな下落を引き起こす可能性は大いにあります。
と書いていますが、「第2波ってなんぞ?」状態にあります。
というのも、いまだ世界中で新型コロナは感染者数を増やし続けており、アメリカでも感染拡大の第2波が到来しているわけなので、「『これから第2波がくるかもしれない』と言われましても…。」と思ってしまうのが正直なところです。
よって、コロナ関連のニュースによって株価の2番底が来たとしても、『新型コロナが原因による下落』ではなく、単に『上げすぎた株価の調整』による下落になるのではないかと、勝手に想像しています。
正直にいって、きっかけなんぞなくても株価が暴落することはあるので、これらで暴落を始めるのであれば、「暴落するきっかけを待っていただけ」とも言えそうです。
まとめ:NASDAQが下落する”可能性”はある
ここまで記事にさせてもらった通り、
- NASDAQは割高な値である
- NASDAQが下落するシナリオは色々とある
わけですが、だからといって『NASDAQが暴落する』という保証は一切ありません。
とはいえ、『NASDAQは今まで以上に高騰していく』という保証もありません。
現時点では『アメリカ大統領選』や『米中の対立』などの、株価に大きな影響をおよぼすイベントが待ち構えているわけですが、それらの結果を予想することはできません。
よって、投資家はそれらに影響をあたえる情報(ニュースなど)を見逃さないよう注視していく必要がありそうです。
また、例えば「バイデンが大統領になるはず!」だと予想し、それが好材料となる企業に対して今から投資しておくことで、大きなリターンが狙えることは確かですが、それは『ただのギャンブル』であることを理解した上で、投資することをお勧めします。
いずれにせよ、『新型コロナ』という未曽有の事態に合いながらも、株価を上げ続けているNASDAQには今後も注目していきたいと思います。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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