「2025年度の貿易収支は赤字で、5年連続の赤字となった」
貿易赤字7割減の1兆7144億円 25年度、対米黒字は22%減
とのこと。

これを雑にまとめてしまうと『日本は売っているものより買っているものが多い』という状況を指しています。
もしかすると、「自動車や電子機器を多く売っている日本は貿易黒字国!」というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、残念ながら現在の日本はそうではありません。
が、(貿易も含む)その他の収支も合算した経常収支は大きく黒字であることも見逃してはいけません。
その経常収支は31.9兆円の黒字(前年比3.2兆円の黒字拡大)で、貿易赤字の1.7兆円が小さく見えます。

なお推移はこちら。

(字がボヤっとしているけど、財務省の画像がすでにこれ)
この中で目立った項目は、黄色部の第一次所得収支(海外の金融債権・債務から生じる利子・配当金など)で、これがむちゃくちゃ大きい(41.6兆円)です。
これを超要約してしまうと
「日本は海外への投資でむちゃくちゃ儲けているぞ」
となります。
第一次所得収支はざっくり3つに分類され、
- 直接投資 :親会社と子会社との間の配当金・利子等の受取・支払
- 証券投資 :株式配当金及び債券利子の受取・支払
- その他収支:貸付・借入、預金等に係る利子の受取など
となっており、それぞれの推移は以下の通りです。

最も大きなものは『直接投資収益(海外の子会社の利益など)(円安による押上も大きい)』なわけですが、それよりも個人的に注目しているのは証券投資収益が増えていること。
というのも、
- 直接投資収支は、海外子会社が大儲けしてもそのお金を現地(海外)で再投資するだけになりがちで、日本国内を豊かにする結果につながるとは限らない
- 証券投資収益は、日本国内に還流されるお金の比率が高い
からです。
そして、この『証券投資収支が大きく黒字』ということは、
- 『外国人が日本投資で儲けた利益』よりも『日本人が外国投資で儲けた利益』の方が大きい
という状況を指しており、言い換えると、
- 日本人は海外企業から搾取している
となるからです。
いやっほい!
ただ、『証券投資収支』の内訳を見てみると、

ほとんどは『債券利子』で、2024年、2025年の『配当金』はマイナスとなっています(キャピタルゲインは経常収支に含まれません)
これは、
- 『日本企業が海外投資家に払っている配当金』が『海外企業が日本人投資家に払っている配当金』よりも多い
ことを指しています。
チクショウ。
おそらくこれは、ここ数年の日本株式の人気によって海外投資家による日本株式買いが大きくなっていることが要因でしょう。
日本株式が好調で日経平均が最高値更新を繰り返していますが、その代わりに『海外投資家に配当金を搾取されている』とも言えるわけで、この状況は個人的には好みではありません。
「オルカンばかりを買う人のせいでキャピタルフライトが進む(資本が流出している)」という批判もあるわけですが、3年前まで黒字だった配当金がマイナスになっていることから「むしろ日本株式が買われすぎている(資本が流入している)んじゃねーか?」とすら思います。
個人的には、
「日本人はもっとガンガン外国株式を買って(短期的には円安が進もうとも)配当黒字を大きくしていこうぜ!」
と考えているので、少し残念な気持ちになります。
また、証券投資収益の中では『債券利子』が大きく黒字になっていますが、これは銀行や生命保険会社による海外債券投資が主(日本の債券の利回りが低かったため)で、個人投資家の影響は小さいです。
個人投資家、まだ頑張れるよ。
というわけで、
- 貿易収支はちょっとだけ赤字だけど、経常収支は大きく黒字だぞ
ということがよく分かりました。
経常収支が黒字だからといって、必ずしもそのお金が日本国内に還流してくるとは限りません(とくに直接投資収益)が、かといって、「貿易収支が5年連続で赤字だー!」と悲観するような状況ではないとも言えるでしょう。
今後の日本企業がどのような成長を遂げるのかは分かりませんが、イチ個人投資家として
- オルカン経由で多くの配当金を手に入れる
- そのお金を日本国内で使う(再投資しない)
ことによって、日本を豊かにしていきたいと思います。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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