1月の後半から『ソフトウェアマゲドン』と呼ばれる状況が発生し、S&P500ソフトウェア・サービス指数が大きく下落しています。

AI銘柄などに注力していた方の中には強気危機感を覚えている人もいるかもしれません。
そこで、J.P.モルガンが、
様々なデータを見る限り、少なくとも現時点では、AIを巡る過剰投資・収益化・バリュエーションに対する懸念はそこまで深刻ではないとみています。
足元は「AIバブル」というより、「AIブーム」に近いと考えています。バブルと同様にブームもいつかは収束しますが、ITバブル崩壊時に見られた、「FRBの過度な利上げ」や「ハイテク企業のファンダメンタルズ悪化」といったカタリストはまだ差し迫っていません。
といった勇気がもらえることを言っておりましたので、ご紹介。
過剰投資?
『AIバブル』とするよくある根拠の一つに、
- 先行投資ばかり大きく、利益がついてこない。過剰投資している。
があります。
このように言われる状況を、主要AIハイパースケーラーである
- マイクロソフト
- メタ
- アマゾン
- アルファベット
- オラクル
の5社のデータから分析すると、
実際に2023年以降、設備投資(青色線)が急速に伸びており、営業キャッシュフロー(緑色線)が伸びているのにも関わらず、フリーキャッシュフロー(灰色線)の伸びが悪いことが分かります。

とはいえ、未来は明るいと予想されています。
アナリストによる予想の集計値では
- 2026年は、営業キャッシュフローの力強い伸びによって、フリーキャッシュフローも伸びていく
となっています。
とにもかくにも、ここ数年の営業キャッシュフローの伸びはすさまじく、この傾向が続く限りは、巨額な設備投資も肯定することができます。
とはいえ、『これからも営業キャッシュフローは力強く伸びていく』についても否定的な意見を聞く機会は多いです。
AIビジネスは儲かる?
ペンシルベニア大学が、米国の企業に対して「AIの導入について」のアンケート調査を行ったところ、
- 7割以上の企業が「生成AIを導入することによって投資利益率(ROI)がプラスになった」と回答している
- 8割以上の企業が「今後2~5年間に生成AI関連の投資額を増加させる」と回答している
といったことが分かりました。

企業へのAI導入によって利益が出ていて、今後もAI導入の予算を増加させる計画を立てているわけですから、『AIを提供する企業の利益は今後も伸びていく』と考えても不自然ではなさそうです。
よって、『AIを提供する企業の営業キャッシュフローは力強く伸びていく』と言うことができるかもしれません。
割高?
とはいえ、
「AI銘柄は大きく株価を上昇させてすでにかなりの割高であるために、今後は大きなリターンを期待することが難しい」
といった批判を聞くことは多いです。
しかし、マグニフィセント7の予想PERは以下チャートの通りとなっており、ここ10年ほどは30倍前後のまま推移しています。

まだまだマグニフィセント7の成長率は高いわけですから、この水準のPERでは割高感はさほど感じません。
また、参考としてよく取り上げられる2000年ごろにあったITバブル時とS&P500のITセクターを比較すると、
- ITバブル:PER57倍(ピーク時)
- 直近 :PER27倍
と、現在は『バブル』と表現するほどの状況ではないように見えます。
そこで、紹介しているJ.P.モルガンの記事では、
現在は「AIバブル」というより「AIブーム」という印象で、過去の米国のITバブル期ほどの熱狂には至っていないと考えています。
と結論づけているわけです。
AI関連銘柄が『バブル』と感じてもおかしくないほどに株価を上げてきていますが、必ずしもそうとは言えない状況であるように、私には見えます。
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といった感じで、J.P.モルガンの記事をベースに色々とお届けさせてもらいましたが、ここで取り上げられている企業は『大手ハイテク銘柄』が主なので、『中小AI銘柄』的なものがどうなっているかはまた別の話です。
ITバブルの時もそうでしたが、マイクロソフトやAmazon、Apple、Oracleのように真に強いIT企業はバブル崩壊後も生き残り、昨今の世界の礎を築くほどに成長しました。
しかしそれら企業とは反対に、バブルとともに消滅してしまった企業の方が圧倒的に多いです。
今回も、おそらく一部の強者だけが今以上に力強く成長していき、そうではない企業は淘汰されていくのではないかと想像します。
ITバブルと現状はまったくの別物ではありますが、AIブームに乗るのであれば、そういった過去があったことだけは理解しておいた方が良いかもしれませんね。
また、オルカン投資家の中にも「AIバブル大丈夫かいな…」と心配している方も多いでしょうが、広く分散投資している投資家にとって、現在のAIブームはさほど恐ろしい事態を招くわけではなさそうだと想像します。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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