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以下のマンガがAmzonで無料公開されていたので読んでみました。
著者のホンダアオイさんは『2024年から無職でマンガを描いている』ということで、引退先輩がどのような考えを持っているのかに興味を持って読ませてもらいましたが、普通に面白いマンガでした。
で、マンガでは『資産形成に成功、一時的に休職して疑似FIRE生活をしたものの、その生活に満足できずに職場復帰した人間』が描かれているわけですが、印象深い言葉として、
「FIREはゴールではない」
といったものがありました。
これについては同意するわけですけども、せっかくなので自分の考えも深掘りしてみることに。
そもそも人生にゴールは存在しないのかもしれない
「FIREはゴールではない」というのは、このマンガに限らず各所でも言われていることで、似たような言葉に「リタイア後の目的がないのであればFIREするべきではない」といったものもあります。
これは、
- FIREはイチ通過点でしかなく『FIRE後にやりたいこと』が存在しないのであれば、リタイアしたところで暇を持て余すだけ。
といった考え方がベースになるのかと思います。
大まかには同意ではあるのですけども、FIREに限らず『ゴールとされることが多いけど、ゴールではないもの』は他にも多くあります。
FIRE民の対比としては、以下のような特徴をもつ人物があげられることが多いです。
- 一生懸命働いて役員になった人物
- 結婚して幸せな家庭を築いた人物
- 趣味が同じ多くの仲間を手に入れた人物
しかし、これら人物に対しても、
- 役員になることがゴールではない
- 幸せな家庭を築くことがゴールではない
- 多くの仲間を手に入れることがゴールではない
と「FIREはゴールではない」と同様の言葉を投げかけることができます。
『昇級』なんてものはただの通過点に過ぎず、昇給後にダラダラと生活していれば部下にバカにされる人物となってしまうかもしれません。
『幸せな家庭』や『仲間』を手に入れたとて、これを維持するためには相応の努力が必要で、これを『手に入れた』という一時的な状況をゴールとするべきではありません。
また、他にも
- いま担当しているプロジェクトを完遂することがゴールではない
- 子供を育て上げることがゴールではない
- 定年退職することがゴールではない
- 高額な老人ホームに入居することがゴールではない
といったこもと言えるでしょう。
例えば、
- 老人ホームに入居したものの、「ワシャあ、元JTCの部長で幸せな家庭を築いたのちに、50歳でFIREしたんじゃ、すごいじゃろ。」と自慢してばかりで他人に疎まれながら余生を過ごす
なんて姿を想像すれば、これがゴールでないことは一目瞭然でしょう。
これを「FIRE後にやりたいことがないのなら、FIREしないほうがいい」というフォーマットに合わせるのであれば、
「結婚後にやりたいことがないのなら、結婚しないほうがいい」
「子供を授かったあとにやりたいことがないのなら、子供をつくらないほうがいい」
「退職後にやりたいことがないのなら、退職しないほうがいい」
といった感じになります。
ごもっともではあるのですけども、そこまで計画的に人生を送ることが難しいのもまた事実です。
”やりたいこと”なんか分からない
そして、少なくとも私には『老人ホームに入ったあとにやりたいこと』は存在していませんし、それどころか『退職後にやりたいこと』や『子供が自立したあとにやりたいこと』すらも存在していません。
”いま”の私が持っているものは『”いま”やりたいこと』しかありません。
過去には、
- いい車に乗りたい
- スペシャルなSEになりたい
- 世界一周旅行をしたい
といったことを『やりたいこと』としていた時期もありますが、これら多くの『やりたいこと』は、実現する前に『大してやりたくないこと』に降格していきました。
そうやって過去を振り返っていると、
「自分の”やりたいこと”は、コロコロと変わってきたなぁ…」
なんことを思います。
よって、もし仮に、『老人ホームに入居したとにやりたいこと』や『完全リタイしたあとにやりたいこと』を考えておいたところで、いざそのタイミングが来た時には気持ちが変わっている可能性が高いでしょう。
少し前に実現したセミリタイアについても同様で、
「セミリタイア後には○○をするんだ!!」
と色々と考えてはいましたが、いざ着手してみたところ
「期待していたことと違ってツマラン」
となる可能性は大いにあり、そうなれば『新しい”やりたいこと”』を見つけようとすることになります。
よって、『○○を達成した後でもやりたいと”思えている”こと』を見つけることは難しく、同様に『FIREした後にやりたいこと』を見つけることも難しいと言えます。
その時々で探せばよい
そんなわけで、わたくしは
「その時々でやりたいことをやればいいじゃん」
と考えるタイプです。
よって、
「役員になった!」⇒「現場のほうが楽しかった」⇒「起業しよう」でもいいし、
「結婚した!」⇒「共同生活に耐えられない」⇒「離婚しよう」でもいいし、
「FIREした!」⇒「暇だ…」⇒「もう一度サラリーマンをしよう!」
となっても構わないと考えています。
『目標』や『やりたいこと』を見つけることは大切ではあるものの、『その立場になってみないと分からないことも』も多々あります。
よって、
- 『FIRE後にやりたいこと』を見つけられていないのであればFIREするべきではない。
には同意しつつも懐疑的で、
- ”やりたいこと”を定めつつも、それに向かって一直線に走るのではなく、その時々で気になった方向に向かって進めば良い
と私なんかは思います。
株式市場と同じく、自分の人生にもどんなハプニングが起こるか分かったものではありません。
よって、キッチリとイメージできる未来に向かっていくのではなく、
「とりあえず今やるべきこと、やりたいことをやりますか」
と軽い気持ちで進んでいくべきであると考えています。
まとめ
と言った感じで、スパコンSEの『FIRE・セミリタイア論』をお届けしてまいりました。
これはもちろん、私のイチ意見でしかありませんし、それどころか『過去の私の意見』や『将来の私の意見』とは全く違ったものとなっている可能性すらあります。
近ごろFIRE・セミリタイアした人々の考えに触れることが多いのですが、本当に千差万別で面白く感じています。
それはあまりにも当然な話で、
- FIREやセミリタイアなんてものは、数多ある通過点の一部でしかない
ためで、『就職』や『結婚』『定年退職』といった通過点を通り過ぎた人々がみな違う価値観を持っているのと同様に、『FIRE』という通過点を通り過ぎた人も千差万別であるのが当然です。
よって、数多ある『FIRE論』を妄信してはいけません。
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最後に、
「FIREはゴールではない」
という素晴らしい言葉だけでなく、
「人生にゴールはない」
「やりたいこともコロコロ変わる」
という言葉を添えておこうと思います。
というわけで、あまり深く考えすぎず、
- ゆるい目標に向かいつつ、
- その場その場でやりたいことをして、
- リタイアしたくなったらリタイアする。
- その後、働きたくなったら働く。
くらいが、人生をうまく進めていくコツなんじゃーないでしょうか。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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