持ち家を所有している方は、ある程度の貯蓄ができてくると「このお金で住宅ローンを繰上げ返済しようかな」と考えるかと思います。
本記事では、余剰資金を「投資に使うか」「繰り上げ返済に使うか」をテーマに考察してみようと思います。
「繰上げ返済の効果とは」
住宅ローンの繰り上げ返済をすると、「住宅ローンの総支払額」を大きく減少させることができます。
ざっくり書くと、
3,000万円、35年固定、金利1%でローンを契約すると、
35年間の総支払額は3,557万円となります。
そこで、初年度(ローン開始年度)に100万円の繰上げ返済をした場合、
総支払額は3,516万円となります。
上記の通り、100万円を繰上げ返済することで、総支払額を141万円減らすことができます。
「100万円が141万円の価値になる」わけなので、金額だけを見ると相当大きく得をし、利息の付かない銀行口座に預けておく(貯金)よりも、住宅ローンの繰上げ返済がかなり有効であることがわかります。
ですが、ポイントは「35年先まで返済しなくてもいい100万円を今手放す(繰上げ返済する)」という点です。
この100万円を繰上げ返済に使用せず投資(5%複利)していた場合、いくらになるのかグラフにしてみます。
およそ9年で141万円(100万円の繰上げ返済時の効果額)を超え、35年後には500万円を超えています。
元本が100万円だけでも「35年間」という長期間を味方につけることで、これだけ大きな資産を作ることができます。
「1%以下の金利でお金を借り、期待リターン5%の投資ができる」
上記で書いた通り、投資が順調に(過去と同程度に)推移していけば、繰上げ返済よりも投資を優先したほうが金額的には得です。
この考えは反対派も多くいらっしゃると思いますし、少し間違えると危険な考え方になりかねないとも思いますが、あえて書きます。
住宅ローンを借りている状態で投資をしている方は「借金したお金で投資している状態」と言え、ここだけ切り取るとかなりのギャンブルをしているように見えますが、ひょしおんぬはそれでいいと思います。
「個人的おすすめ」
ある程度の余剰資金(貯金)があれば住宅ローンの繰り上げ返済をすることで、住宅ローンの総支払額を大きく減らすことができ、住宅ローン完済も近づくコトで安心感も増します。
よく聞く意見は、上記のように「まずは住宅ローンを返済する」「その後投資する」
だと思います。
しかし、現在住宅ローンは35年固定が1%を下回る金利で借りられるところもあり、世界分散の株式投資による期待リターンは5%(年利)程度と想定されます。
単純に考えれば、住宅ローンを借りてその分を投資に回せば差し引き4%の利益が得られることになります。
単純計算すぎでアホみたいかもしれませんが、ひょしおんぬはその4%の利益を得るために、住宅ローンの繰り上げ返済はせずに、その分を投資しています。
ただし、これは「ひょしおんぬの場合は」であって、例えば「借金(住宅ローン)があるコトそのもの」が心理的負担となるような方であれば、住宅ローンの返済を優先するべきでしょう。
リーマンショック時のように全世界の景気が悪化、自分の収入が激減するような事態を想像しても「自分の生活(住宅ローン込み)はなんとかなるわ」と考えられる人でなければ、住宅ローン返済を優先するべきかと思います。
よって、「共働き」であったり「ある程度の生活防衛資産がある」「安定した副収入がある」などなど、不測の事態が発生しても何とかなると計算できる方へは「住宅ローンがあっても投資する」をお勧めしたいと思います。
「ついでに」
「ついで」といったら何ですが、繰上げ返済をすると住宅ローン控除も受けられなくなります。
例えば初年度に100万円の繰上げ返済をした場合、最大で10万円の控除が受けられなくなります。
→ 1万円の控除 × 10回(10年)
3年目に100万円返済した場合は、最大で8万円の控除が受けられなくなります。
→ 1万円の控除 × 8回(8年)
地味に大きいし「もらえたはずのお金がもらえなかった」と受け止めてしまうタイプの方には心理的ダメージが大きいことでしょう。
まとめ
今回は持ち家派・投資優先派のひょしおんぬの個人的考えを記事にさせてもらいました。
「住宅ローン金利が低い今だからこそ」の考え方(投資優先)もあると思います。
ただし「〇〇がそう言っていたから投資を優先しよう」と行動してしまわず、自ら考えたうえで納得して投資できる方のみが投資を優先するようにしてください。
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その気にさえなれば誰にでもセミリタイアできることが理解頂けるはずです。
それではまた。