「国民の不満に応えようとしても、結局は格差が拡大していくよね」
みたいな話。
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これはJPモルガン・アセット・マネジメントから出ていた『2026年度版 超長期市場見通し』の一部を抜粋・超訳したものです(J.P.モルガン・アセット・マネジメント)
現在では世界的に、
- 『金利のある世界』への方向転換
- AIなどの新テクノロジーの発展
- 不安定な政権・ポピュリズムの台頭
など、大きな変化が起きており、先行きの不透明感が強くあります。
JPモルガンは、この不透明感のます世界において、長期的な予想を立てるための重要なテーマとして、
- 経済ナショナリズムの高まり
- 積極財政の定着
- テクノロジーの普及
の3つを上げています。

経済ナショナリズム
トランプ政権下において、関税・移民制限などといった経済ナショナリズム(国家の独立など)が広がりを見せています。
これはアメリカに限った話ではなく欧州でも同様ですし、日本においても移民に対する注目が集まっているなど、右傾化が見られます。
ナショナリズムは、これまであった
- 『安く生産できる国からモノを仕入れる』という合理的な手段
- 海外企業との競争
- 他国からの安い労働力の受け入れ
を制限する方向に向かいます。
これによって、生産コスト・消費者物価が上昇し、非効率・低品質な製品しか生み出せない企業がのさばり、人件費の高騰によってインフレを加速させていくことになり、これらが経済を低成長化させることになります。
まさにこれまでの日本。
国内経済が厳しくなれば、国民の実質所得も低下することによって不満が高まります。
そうなれば、積極財政の出番になります。
積極財政の定着
インフレ・低成長となれば、国民の生活は厳しくなります。それを支えるべく、政府は積極財政でお金をバラまきます。
現在ではこの積極財政が世界中で広がりを見せています。
2025年には、財政規律を重視してきた(国債発行を控えていた)ドイツですら、防衛力強化などを理由に債務ブレーキを緩和することを宣言し、これによってドイツ国債の金利が上昇、国債価格は過去35年で最大の下落を見せました(bloomberg)
日本が(ハンパに)ずっとやってきたこと。
そして、政府による積極財政は多くの成長産業への支援にも向かい、これによってテクノロジーの普及が加速します。
テクノロジーの普及
人手不足は世界で広がっており、各国政府はこれを解消するべくAIなどへの投資が加速しています。
現時点ではAIの活用は限定的で、目に見える世界が一変するようなことにはなっていませんが、これはまだ成長過程であるためAIへの投資トレンドは継続していくと考えられます。
J.P.モルガンは
「AIは、今後10~15年間の中では普及フェーズに入っていくと考えている」
と言い、これによる生産性の向上がテクノロジー業界を超えて広く広がっていくと予想しています。(予想というか、(速度は別として)まず実現するでしょう)
テクノロジーの普及は企業利益を押し上げることになりますが、過去を見ている限りこれは労働者よりも資本家にとってのメリットが大きく、場合によっては
- 生産性向上により労働者の解雇
- 資本家・労働者間の格差の拡大
が起こります。
働いたら負け。
これによって、国民の不満の増大し、経済ナショナリズムが加速、関税・移民制限などが実施されるといったループに入っていきます。
というわけで
もちろんこれは、「必ずこうなる」と言えるようなものではありません。
また、過去を振り返れば、
- アルゼンチンで1910-30年ごろにあった先進国からの没落
- アメリカで1930にあったスムート・ホーリー法
- イタリアで1960年~の奇跡の経済
- イギリスで1980年~のサッチャー改革
といった似たような経緯をたどったものを挙げられますが、例えばアルゼンチンは財政出動虚しく没落していったままなわけですから、ループに入らないケースも発生しえます。
しかし、格差・インフレといった『国民の不満』がきっかけであっても、結局のところ得をするのは資本家となるケースは容易に想像できます。
実際に、大きな戦争などが起きない限り『資本家にとって有利な世界』が続いてきているのは明らかです。
ここ1ヵ月ほど、株式市場は小さく揺れ動いています。
ただ、それも含めて『世界は過去と同じようなループを繰り返しているだけ』のように思えます。
”いま”にだけ注目すると、先行きの不透明感に不安を感じてしまうかもしれませんが、
「まぁ、いつものことよ」
と考え、のんびり市場と付き合っていきましょう。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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