バンガードがインベスター・チョイス・プログラムという
- ファンドに投資している個人投資家が、ファンド経由で議決権を行使できる制度
を広げています。
なお、インベスター・チョイス・プログラムは2023年から開始され、
- 取締役会に一任
- 株式価値の最大化
- ESG重視
- 他の株主の投票傾向を採用
- バンガードに一任
の5択から選択できます。
素晴らしい。
これは、世界を大きく変える可能性すらありそうです(これは後半で)
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詳しくはこちら(Investor participation and preferences)を見て頂きたいところですが、とても素晴らしいので少々紹介させてもらいます。
このプログラムは、ヴァンガードの管理する12のインデックスファンドが対象であり、対象ファンドの資産額は2640億ドルとなっています。そのうち、実際にこのプログラムに参加している投資家は、8.2万人にまで増えています。

ポリシー毎の投票率
先述した5択の選択率は以下の通りで、『他の株主の投票傾向を採用(Mirror Voting Policy)』が低くなっており、各々が望む選択をしていることが分かります。

※「投票しない」は2025年に廃止
※『ESG』の投票率が下がっているのも気になりますが、それはまた別の話
性別毎の投票率
なお、2025年の性別毎の投票状況は以下表のとおりで
- 男性は『株式価値の最大化』を重視
- 女性は『ESG投資』を重視
していることが分かります。

年齢毎の投票率
また年齢別(45歳以下、以上)だと以下の通りで、
- 45歳未満は、『取締役会の意見にそのまま同意しない』『ESG投資を重視』に大きく偏っている
ことが分かります。

投資期間別の投票率
投資期間別にすると、以下のようになり
- 投資期間が長くなれば『株主利益の最大化』『バンガードに一任』を重視していき、『ESG投資』への関心が薄くなっていく
ことが分かります。

投資金額別の投票率
最後が、個人投資家の投資金額別の投票率で、
- 投資金額が多い投資家ほど『株主利益の最大化』を重視していき、『ESG投資』への関心が薄くなっていく
ことが分かりました。

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まとめ
といった感じで、バンガードの『インベスター・チョイス・プログラム』を紹介させてもらいました。
(いくつか紹介した『○○別の投票率』もとても興味深いですがこの記事では触れません。各自で楽しんでいただければと思います)
これを日本で採用しようと思うと、おそらく制度上の問題など、いくつか越えねばならないハードルはあるでしょうが、是非とも採用してもらいたいと思いました。
通常、議決権の行使は、
- 役員(取締役)の選任・解任
- 配当金額の決定
- 組織再編の賛否
など『企業に対する意見表明』となります。
しかし、
- 世界中にある、数百、数千の企業へ投資しているファンドを介した議決権の行使では、世界に対して意見表明ができる
とも考えられます。
例えば、これを行使することによって、
「世界全体で脱炭素を強力に推し進めるべし」
「マイノリティを支援するべし」
「とにかく利益を追求するべし」
といった意見を、多くの企業に届けることができるようになりますし、他にも
- 成長を期待しているはずの株主が、『脱成長』を要求する
なんて面白いことが起きる可能性も出てきます。
妄想だと思うかもしれませんが、意外とありうる話だとも思っています。
というのも、
- 投資が広かれてきたことで、サラリーマン投資家が増えてきた
- その中には、利益はもちろん求めるけども「必死に働くよりも、ラクに働きたい」と考える人もいる
- 一社だけが『脱成長』を掲げてもその企業が消滅するだけだが、ファンドを通じて『脱成長』を要求することで、世界全体がその方向に向かう
といった流れになる可能性があるからです。
もちろん、労働者の議決権は弱弱しいものであり、資本家による「利益のために必死に働けぃ」という多数意見を超えられる可能性は低いでしょう。
しかし、少数意見であっても『意見表明』が世界をかけるきっかけになることは度々起きています。
そんなわけで、
「日本のファンドでもインベスター・チョイス・プログラムが広がって欲しいなぁ」
と願いつつ、この記事を終わりにしたいと思います。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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