インデックスファンドに500万円を突っ込んだ55歳男性「まさかの絶望」に陥ったワケ
なんていう記事がありました。
ざっくりまとめると、
- 古い友人から「投資で儲けた」という話を聞いた55歳男性が、
- 大して勉強もしないまま、
- 日経平均に連動するインデックスファンドへ投資したら、
- 2か月で10万円もうかった。
- そこで調子にのって、リフォーム用に貯めていた500万円を家族に無断で投資したら
- 下落によって絶望した
というお話です。
タイトルを見ている限り『インデックスファンドに問題があった』ような印象を持ちますが、実際は
- 不勉強のまま不誠実な行為をやったせいで、不安定な値動きによって不安になっただけ
というよくある話でした。
この話の結末も、
- 4か月後に値が戻したとろこで全部売ったので、大したマイナスにはならなかった
ということなので、知人であれば「いい勉強になったね」と声をかけるくらいで、大したフォローもいらないくらいの終わり方をしています。
というわけで、ここで
- 「インデックスファンドには問題がある!」と主張していると見せかけた、有用でもないただの釣り記事
と切り捨ててしまうこともできなくもありませんが、
「いまのタイミングには必要な記事かもな~」
とも思い、取り上げることにしました。
というのも、SNSを見ていると、
- インデックス投資なら絶対に安心だ
といった意見が数多く見られ、「ちょっとクールダウンが必要かな~」と思ってるからです。
この55歳男性が、大して勉強もせぬままインデックス投資を始めてしまった理由の一つは、「インデックス投資なら大丈夫だろう」という根拠なき自信によるものだと思います。
この原因の一つは、
- SNS上に、投資で成功した話があふれかえっているから
- 「絶対に大丈夫」と間違った情報発信があふれているから
だと言えるでしょう。
また、投資初心者がインデックス投資を始めるのであれば『積立NISA』を利用するケースが多いかと思いますが、ここにもワナが存在していると感じています。
具体的には、
- 積立NISAでは、金融庁の提示した条件を満たし、金融庁への届け出・承認されたファンドにしか投資できない
という制度となっているわけですが、この『金融庁による承認』をもって「安心」だと思い違いをしている投資家がいる可能性があるためです。
『お墨付き』ってなんだっけ?
この『金融庁による承認』のことを、とある記事では
- 積立NISAには『金融庁のお墨付きの商品』しかない
と表現してあり、いらぬ誤解を招いているリスクがあるように感じました。
私は、『お墨付き』という単語から、
- 金融庁が太鼓判を押した
- 金融庁がリターンを保証している
という間違った印象をうけました。
しかし、実際のところ『お墨付き』という単語を調べると、
- 権力ある人や権限のある人の承諾や保証などのこと
とあるので、先の『金融庁のお墨付きの商品』とは、
- 金融庁が「積立NISAで売ってもいいよ」と承諾した商品
という意味であることが分かります。
しかし、『お墨付き』という言葉からは
- あたかも『金融庁がリターンを保証した商品』と勘違いさせるような書き方をしている
ように感じてしまいます。
(私の日本語力の問題かもしれませんが…)
このような記事が蔓延していることが、
- 「インデックス投資なら安全だ」と勘違いする投資家を増やしている原因の一つ
だと言えるでしょう。
よって、「インデックスファンドに500万円を突っ込んだ55歳男性「まさかの絶望」に陥ったワケ」の記事のように、
- インデックスファンドに投資していたって絶望することはあるよ
ということを伝える記事は必要ではないかと思うわけです。
『値下がりに対する許容度』を知ることができればいいけど…
By AI画伯
また、この記事では『絶望』に至った原因の一つとして、
ということをあげています。
これは、個人投資家にとって結構重要な課題だと私は思っています。
株式への投資であれば、
- 比較的に無難なインデックス投資であったとしても、数十%の下落はしょっちゅう起こる
ということは、投資の勉強をしている人や、長年投資している人からすると周知の事実です。
つまり、
- 500万円分のインデックス投資をしていれば、100万円、200万円程度の損失はしょっちゅう起こる
わけです。
本来であれば、
- 個人投資家は、自分の『損失に対する許容度』を理解し、それを超えるリスクを取らない
という投資をする必要があります。
しかし、投資する前から『損失に対する許容度』を理解することは難しいです。
私(スパコンSE)は『損失に対する許容度』が高く、新型コロナのパンデミックによる30%くらいの暴落時(400万円ほど資産が減った)でも「もっと下げてくれないかな~」と気楽に構えていました。
よって、『損失に対する許容度』はかなり高いことが分かりますが、これはあくまでも投資に対しての許容度でしかありません。
というのも、投資以外では、
- 結婚式でのスピーチを頼まれていると、スピーチが終わるまで食べ物が喉を通らない。
- 開発したシステムをリリースが近づいてくると眠れなくなる。
- 普段合わない親戚に会うと聞くだけでもドキドキしてしまう。
などなど、不安がかなり強く出るタイプだからです。
つまり、私は
- 不安になりやすいタイプであるが、投資で大ダメージを受けても何とも思わない人
なわけですね。
つまり、
- 投資による『損失に対する許容度』は、実際に投資をすることでしか計れない
- 投資をする前に知っておきたい『損失に対する許容度』を、投資をする前に知ることはできない
という残念な結果になります。
この対策の一つとして『少額からコツコツ積み上げていく』という手も無きにしも非ずですが、
- 10万円投資している時に50%の暴落にあって、マイナス5万円の評価損がでた
- 1000万円投資している時に50%の暴落にあって、マイナス500万円の評価損がでた
とでは、メンタルへのダメージ具合はまったく違うはずです。
また、
- 十分な収入がある時に暴落した
- 引退して資産を取り崩しながら生活している時に暴落した
と、人生のステージによってメンタルへのダメージは異なったものになるでしょう。
つまり、
- 自分自身の『損失に対する許容度』を正確に理解しておくことは不可能
だと言えます。
投資のおける最大の失敗を防ぐために
投資のおける最大の失敗は、
- 暴落時に怖くなって投資をやめること
だと言えるでしょう。
そして、『損失に対する許容度』の理解を誤っていると、この最大の失敗をしてしまうことになりかねません。
私は、これを防ぐためには、
- 投資についての理解を深めておく
が最も有効だと考え、
「短期的には暴落することはあるけど、長期的には右肩上がりだよ」
「レバレッジ投資や個別株投資のように、長期投資に向かない方法は(よほどのスキルが無い限り)避けたほうがいいよ」
と発信をしているわけです。
というわけで、最後にアレを載せておきます。
投資に対する不安を感じた時、コレを思い出してもらえればと思います。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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