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【要約】『長期投資のワナ ほったらかし投資では儲かりっこない 著:セゾン投資 中野晴啓』

最終更新日:2020/9/1

 

本記事では、著書「長期投資のワナ ほったらかし投資では儲かりっこない」を要約し、最も重要と思われる5点を抜粋して解説していきたいと思います。

著者はセゾン投信の代表:中野晴啓さんです。

 

セゾン投信といえば、

  • セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
  • セゾン資産形成の達人ファンド

を販売し、「長期投資を日本に根付かせたい」 と言っている投信会社です。

 

であるにも関わらず、『長期投資のワナ』というタイトルの本を出した、ということで、非常に内容が気になる一冊となっています。

 

というわけで、『長期投資のワナ』の要約と、筆者(ひょしおんぬ)の感想を合わせて書いていきたいと思います。

 

<目次>

 

個別株投資で『ほったらかし投資』は間違っている

個別株投資で『ほったらかし投資』は間違っている

個別株投資をしている投資家の中には

「私は長期投資しているから、どんな株価になってもこの銘柄はずっと持ち続けるよ!」

と言っている方もいますが、それは正しくない行為だと『長期投資のワナ』では説いています。

 

というのも、株を購入する際には「〇〇円なら適正な価格だから買いだ」と判断しているはずなので、

  • 適正価格を大きく超えるほど株価が上がれば売り

という行為は、長期投資の正義に反するものではないため、臆せずに行うべきです。

 

また、『企業の根本的価値』をそこねるほどの事件や、世界の動きがあった際にも、その銘柄の『適正価格』を検証しなおし、適正価格を超えているようであれば売る必要があります。

 

『長期投資』というと『何が起きても売らないこと』と間違った認識をされている投資家もいますが、ここで解説したように『長期投資だからといってほったらかしではダメ』ということになります。

 

「じゃあ個別株じゃなく、投資信託ならほったらかしでいいのかな?」というと、そういうわけではありません。

 

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テーマ型のファンドにも要注意

投資信託にも色々な種類があり、特に要注意なのが『テーマ型のファンド』です。

 

『テーマ型ファンド』とは、『AI』や『環境』『フィンテック』のように、特定のテーマにそった企業に投資するファンドです。

 

基本的には、『今もてはやされているテーマ』のファンドが生まれてくるので、「確かに、このテーマに投資すれば大きく儲かりそうだ」と、投資家を納得させやすく、人気を集めやすいのが特徴です。

 

『テーマ型ファンド』について、『長期投資のワナ』では、

実際、2000年前後に「ドットコムファド」などと称された、ITをテーマにした投資信託が登場した時は、「ITは今後、何十年にもわたって続く産業革命のようなものだから、長期投資に最適です」などというセールストークで、高い人気を集めました。

でも、この手のファンドがその後、どうなったかというと、多くのファンドがITバブルの崩壊によって、基準価格が大幅に下落。解約も相次ぎ、繰り上げ償還といって当初予定していた期限よりも前にファンドが終了してしまうといったことを余儀なくされました。

 と解説しています。

 

ITは2000年ごろから現在にかけて、かなりの急成長を続けていますが、それでもこういった事態に陥りました。

それは、『ITに対する期待値が異常なほど高かった』ためです。

 

仮に『ITが年30%という急激な成長』を続けていたとして、投資家の期待が『年40%の成長』であったとすると、投資家の期待を裏切ったことになり、株価は下落していくことになります。

 

これが『テーマ型ファンドのワナ』で、実際に急成長をしているテーマであったとしても、株価の推移に影響するのは『業界の成長』ではなく『投資家の期待との差』であることを理解しておく必要があります。

 

 

本当の長期投資は日々の相場を当てにいかない

長期投資をする投資家に中にも「暴落にそなえてキャッシュを残している」という人がいます。

 

それに対して『長期投資のワナ』では、

この先、株式市場が弱くなりそうだから、今のうちにキャッシュの比率を高めておこう。これから再び株式市場が強くなりそうだから、今のうちに株式の組み入れ比率を高めておこう。というのは、相場を追いかけている以外の何物でもありません。

と言って批判します。

(「非常に意見が分かれるところだと思います」とのコメントもあり、全面否定しているわけではありませんが)

 

実際に、セゾンで運用している2本のファンドは、キャッシュ比率を必要最低限に抑えています。

それはアクティブファンドである『セゾン資産形成の達人ファンド』 でさえ、キャッシュ比率が2%以下に抑えられていることからも証明されています。

 

これは、

  • 長期的には株価は右肩上がりに上昇を続けていく

ことから

  • 可能な限り早いタイミングで株を保有した方が大きなリターンが得られる

という考えの元です。

参考記事:積立インデックス投資にナンピン買いは不要【資産を最大化するためのヒント】

 

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初心者に「日本株のインデックスファンド」を勧める不思議

 マネー雑誌や投資セミナーなどで

「投資の初心者は日本株のインデックスファンドから始めましょう」

という言葉を見ることがありますが、それについても『長期投資のワナ』の中で以下のように批判しています。

「日本株のインデックスファンドだけで十分だ」という意見もありますが、それは大きな間違いです。日本株という単一の資産クラスに集中投資するのですから、これはまともな資産運用ではなく、極めて投機的なものと考えたほうが良さそうです。

 インデックス投資といえど、『特定の一国』に絞った投資を「極めて投機的」と痛快に表現してくれています。

 

まさにその通りで、インデックス投資に限らず、「個別株投資だけど10社以上に分散投資しているから大丈夫だ」と言いながらも、『投資先は全て日本』や『投資先は全てハイテク企業』といったことをしている投資家は多くいますが、全然大丈夫じゃねーです。

 

では、最後にひょしおんぬが最も「確かにね…」と納得した箇所を紹介します。

  

不毛な「何%値下がりで損切り」の投資ルール

投資初心者が勉強していると必ず出会うといってもいい『損切ルール』についても、『長期投資のワナ』では”不毛”と言っています。

 

具体的には、

自分の買い値から20%値下がりした時点で損切をすると決めている投資家もいますが、これも長期投資という観点からはほとんど意味がありません。

保有している株式が、買値から見て20%値下がりした時、マーケット全体は25%下げていたとします。この時、その株を売る必要はどこにもないのです。

なぜなら、マーケット全体が25%も下げるなかで、この銘柄は20%の下げに止まっているのですから、むしろ「よくやった」と褒めてあげたいくらいです。

と説明しています。

はい。ごもっとも。

 

短期間で売買をする投資であればまだしも、長期投資において『〇%下落の損切ルール』は不要ですね。

 

また、『マーケットの動向がどうのこうの』以前に、『自分の買い値』を基準にした投資そのものについても批判的です。

当然ですが、あなたが株をいくらで買おうとも、あなたの評価損益がいくらであろうとも、今後の株価の値動きには全く影響しないからです。

参考記事:買い値を忘れられない投資家は勝てない【買い値は売り時を左右しない】

 

長期投資であろうと、短期投資であろうと、いったん『自分の買い値』は忘れておいて『今後どういった値動きをするのか』を考える必要がありそうです。

(税金対策は別ですよ)

 

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まとめ:長期投資なら何でも許されるわけではない

ここまで記事にさせてもらった通り、広がりつつある『長期投資』であっても、やってはいけない行為がいくつもあります。

日本に長期投資を広めようとしているセゾン投信:中野さんの書いた『長期投資についての本』ということで、非常に重みのある内容となっています。

 

『長期投資のワナ』では、この記事で紹介させてもらった内容の他に

  • リバランスを厳密にやると運用下手になる
  • 10年持っても長期投資とは言わない
  • 「ドルコスト平均法は意味がない」のは本当なんだけれども
  • マイナーなインデックスは無意味
  • インデックスの気持ち悪さ

といった、気になる見出しがいっぱい並んでいます。

 

この本を読んだところで、投資のリターンが上がることには直結しませんが、面白く読ませてもらいました。

日本には『正しい長期投資』がまだまだ普及しておらず、勘違いしたまま投資している投資家は多くいます。

 

ひょしおんぬも、これからも『正しい長期投資』について勉強を続け、そこで学んだ『正しい長期投資』をこのブログで普及していけたらと思います。

(間違った発信している時があったらご指摘くださいw)

 

 本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。

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よろしければ以下の関連する記事もご参照ください。

 

以下は、本ブログの読者たちに”最も伝えたい内容”を整理した記事です。

筆者はこの記事で紹介する本たちの力によって、大きな資産を手に入れ、セミリタイア計画を遂行出来ています。

本ほど『低いコストで大きいリターンが得られる投資(人生を豊かにするもの)』は他にはありません。  

  

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