最終更新日:2021/1/10
新型コロナウィルスによる暴落からの株価の変動を確認、比較していきます。
比較対象は、
- VT(全世界株式)
- VTI(全米株式)
- TOK(先進国株式)
- VWO(新興国株式)
- QQQ(米ハイテク大手株式)
- VYM(米高配当株式)
です。
直近の1週間は、
- おかしな角度で急騰した
といいたくなる推移でした。
主な要因としては、アメリカ南部ジョージア州での決選投票によって、民主党(バイデン氏の政党)が上院、下院ともに多数派となり「ブルーウェーブ」が実現したためだと言われています。
これによって、バイデン政権は政策を通しやすくなり、アメリカ経済にとって追い風が吹くであろうとの予想から、株価は上昇しています。
しかし、過去を振り返ってみると、
「大統領選でバイデン氏よりもトランプ氏の方が優勢だ!」
→ トランプ大統領の方が経済へのメリットが大きいから買いだ!(株価上昇)
「上院は共和党、下院は民主党が多数となり、ねじれ議会となりそうだ!」
→ バイデン氏の増税といったネガティブな政策の実現が困難となるぞ!(株価上昇)
と、市場では言われながら、株価は上昇してきたことを考えると、今回の「ブルーウェーブ実現によって株価が上昇している」という説明には納得がいきません。
また、全世界の新型コロナの新規感染者数は、以下グラフの通り『ほぼ横ばい』という状況になっています。
提供元:Template:COVID-19 pandemic data - Wikipedia
さて、このような状況の元、株価はどのように推移しているのか、実際の”数値”で確認していきたいと思います。
確認するのは、
- 日本で販売している投資信託(為替の影響も含んだ確認)
- アメリカで販売しているETF(ドル-円の為替を無視して確認)
の2つです。
<目次>
世界同時株安からの株価の変動を確認
さっそくですが、株価の変動を「世界全体の株価の指標であるMSCI-ACWIを基準とする日本の投資信託」の推移で確認してみたいと思います。
(世界平均の株価の推移と思ってください)
まずは過去10年、過去2年、暴落以降の推移を記載します。
※2020年12月30日時点の254,731ポイントに合わせて赤点線を引いてあります。
冒頭でも書いた通り、「不思議な角度」で上昇している1週間でした。
なお、具体的な株価の変動率としては
- 先週末と比べて2.8%の上昇
- 過去のピーク時(2/21)と比べて6.9%の上昇
- 底値時(3/24)と比べて63.7%の上昇
となりました。
なお、このグラフは『日本の投資信託』の成績なので、為替(ドル円)の影響をもろに受けます。
近頃は円高が大きく進みましたので、為替に影響されないETFでも確認します。
VTI・VT・VWO・TOK・VYM・QQQの推移を比較
まずは、地域別の推移です。
※2020/2/3時点を100ポイントに統一しています。
「やばいw」の一言です。
具体的な結果を成績順に並べると、
- 124.2ポイント(+4.69%):新興国(VWO)
- 121.4ポイント(+2.37%):アメリカ(VTI)
- 119.6ポイント(+3.19%):全世界(VT)
- 115.7ポイント(+2.58%):先進国(TOK)
※()内は先週比
といった感じで、新興国が圧倒的リターンを叩き出しているのも目立ちますが、その他地域もかなりのリターンとなっています。
次に、アメリカ株の中でも種類別ETFの推移を見ていきます。
こちらも当然「やばいw」です。
具体的な結果を成績順に並べると、
- 143.5ポイント(+1.69%):米ハイテク大手(QQQ)
- 121.4ポイント(+2.37%):米全体(VTI)
- 102.6ポイント(+2.75%):米高配当(VYM)
となり、グラフ全体に目を向けると
- QQQ(NASDAQ100:米ハイテク大手)の圧倒的な成績
- VYM(米高配当)の残念な成績
となっていますが、直近はVYMの伸びがいい感じとなっています。
今後の株価について
いままで、新型コロナについては『落ち着きつつある』という印象を持っていましたが、変種の発生によって、今後がより不透明となってきました。
とはいえ、過去のパンデミックやその危機(戦争など)を振り返ってみても、人類は必ず乗り越えてきています。
というわけで、個人投資家がやらねければならないことは、
- 新型コロナが大暴れする前に全て売ってしまおう!
といったことをせず、冷静に市場を見つめながら自分の投資ルールに忠実に従うことしかありません。
とはいえ、以下グラフの通り、広い目線で見れば世界の株価は100年以上にわたり上昇を続けているのも事実です。
つまり、今後暴落が発生しようとも、しなかろうとも
- 大きくとらえれば”今”が最も安く株を購入できるチャンス
と言えるわけです。
というわけで、本ブログの筆者ひょしおんぬは、
- 生活防衛費を残した余剰資金の全てを投資する
というスタイルを今後も継続していき、将来のリターンに期待したいと思います。
関連記事:積立インデックス投資にナンピン買いは不要【資産を最大化するためのヒント】
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