「シニアは知的好奇心を保つために個別株投資をしよう」という記事があったのでご紹介。
この記事では、
- シニアの多くは社会との繋がりが薄くなりがちだから、投資を通じて社会とのつながりを保つといい
- 多少なりとも好奇心があれば、投資信託よりも個別株投資をするといい
と提言しています。
これには驚きです。
確かに、投資は、知的好奇心がわき上がってくるような趣味になる可能性を秘めており、日々変化する世界経済にも注目が向くようになるため、『一生あきることのない趣味』であると私も思います。
しかし、『社会とのつながり』や『好奇心』を目的とするのであれば、投資のほかにいくらでも選択肢があります。
むしろ、仕事をやめたことで人間関係が希薄になったシニアにとっては、投資なんかよりも『他人とのつながりができる趣味』を持った方がより良いのではないでしょうか。
働ける元気があれば仕事を続けてもいいし、興味のあるボランティアをしてもいい、習い事を始めてみてもいいでしょう。
しかし投資は、これらと違って失敗することによって多額のお金を失うこともあります。
そして、『お金の有無』は人生の選択肢を大きく変えてしかうモノであり、『多額のお金の喪失』は人生を大きくマイナス方向に向けてしまうこともありうるため、
- お金は『無難』に運用し、失敗しても人生が狂わない趣味で知的好奇心をみたすべき
だと思います。
そんなわけで、自分の身近な知人に対して
「引退してヒマなら投資してみたら~?」
と提言するのであればまだしも、不徳的多数に対して
「シニアは知的好奇心を保つために個別株投資をしよう」
というのはいささか無責任なような気がしてしまいます。
これを真に受け、個別株投資デビューを果たし、巨額の損失をこうむるシニアが出てこないことを祈っています。
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なーんてことを書いておいてなんですが、趣味にお金がかかるは当然なので、その範囲内で楽しむのであればなんの問題もないでしょう。
『素人が個別株投資で勝てる可能性は低い』とはいえ、パチンコや競馬よりはましな勝率になるでしょうし。
というわけで、大事なのは
- 素人が個別株投資をしたところで負ける可能性が高いことを理解して
- 趣味のために『お金が減る』ことを受け入れて
- 『失ってもいいお金だけ』で投資をすること
ということになり、そして
- これを必ず守ること
ということになります。
個別株投資の恐ろしいところは、
- 市場全体は右肩上がりになる可能性が高いことから、テキトーに投資していてもそこそこ儲かってしまう
ところで、これによって
「ワシ、実は投資のセンスがあるんじゃないの?」
「いや、40年間の社会人経験をもっているワシは、そこら辺の若造よりも経済を理解しているのは当然であり、投資でもうけられるのも必然である」
「みなワシの養分となれぃ!」
と勘違いしてしまう人がでてきてしまうことです。
(投資を始めたころの私に近いものがありますw)
その勘違いによって、
「投資は100万円だけのつもりだったけど、どうせ勝てるからもっと多くを賭けるか!」
と考えるようになり、『失ってもいいお金だけで投資をすること』というルールを忘れ、いつか痛い目を見ることになります。
よって、上で書いた
- 素人が個別株投資をしたところで負ける可能性が高いことを理解して
- 趣味のために『お金が減る』ことを受け入れて
- 『失ってもいいお金』だけで投資をすること
- そして、このルールを絶対に守ること
が大切になるわけです。
というわけで、誰に言うともなく
「あなたが投資で勝てたのは、あなたの能力が優れているわけではないし、あなたの努力が報われたわけでもありません」
「ただ運が良かっただけです」
とつぶやいて終わりにしたいと思います。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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