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GAFA vs. 中国 世界支配は「石油」から「ビッグデータ」に大転換した【要約】

「世界を牛耳っているのはどの企業だと思う?」と聞けば、多くの人は

  • Google
  • Amazon

などのIT企業を思い浮かべるでしょう。

 

いまは『第4次産業革命』に入ったと言われており、

  • IoT
  • AI
  • ロボット

といったテクノロジーに注目が集まっています。

 

これらテクノロジーは、

  • 自動運転の制御
  • ロボットの制御
  • スマートスピーカー

といった定番どころだけでなく

  • エアコンや冷蔵庫のような家電
  • 生徒の苦手分野、得意分野を分析した教育
  • チャート分析による投資
  • 写真を別人のように加工するアプリ

などなど、様々な分野で使用されており、どれも共通して

  • 性能を高めるためには大量のデータ(ビッグデータ)を集め、解析する必要がある

という仕組みとなっており、つまり、

  • 『第4次産業革命』の勝者になれるかどうかは、『良質なデータをどれだけ大量に集められるか?』にかかっている

わけです。

 

そして、そのデータ覇権をにぎるべく戦っているのがアメリカと中国で、この戦いの結果が『世界の覇権国』を決めるといっても過言ではありません。

 

また、そのアメリカの中でも『データ覇権』を握ろうとしているのが、

  • Google
  • Apple
  • Facebook
  • Amazon

の4社、通称GAFAです。

 

そこで、この記事では著書『GAFA vs 中国 世界支配は「石油」から「ビッグデータ」に大転換した 著:渡邉哲也』を引用しつつ、今後の世界がどうなるのか、考察していきたいと思います。

 

読者の中には

  • GAFA中心に、アメリカ株に重点投資している
  • 先進国株式だけのインデックス投資をしている
  • 新興国への投資比率を高めている

という投資家も多いかと思いますので、今後の投資スタイルを決めるための役にたてられれば幸いです。

 

<目次>

 

なぜGAFAは最強なのか

GAFAはコロナ禍においても成長を続け、それにつられて株価も上昇し続けています。

2021年8月には、

  • GAFA4社の時価総額(7.05兆ドル)が、日本企業全ての時価総額(6.86兆ドル)を超えた

と、驚きの報道があったほどです。

 

GAFAは多くの機能を『無料』でユーザに提供しており、ほとんどの人は何も考えずにこれらサービスしています。

そうして、

  • インターネット上で検索をする
  • ネットショッピングする
  • 興味のある人物をフォローする

といった行為を通じて、

  • どんな人物が、どんなコトを知りたがり、どんなモノを買っているか

というビッグデータを集めることに成功しています。

 

そして、そのビッグデータを元に、

  • ○○な人には、○○な広告を出すとよく売れる

といったことを分析した、いわゆる『ターゲティング広告』を出すことで、高い成約率でモノを売るコトができますので、多くの広告主があつまり、これがGAFAの収入源となっています。

 

また、例えば自動運転であっても

  • テスラは、すべてのドライバーの運転データを集めている

と言われており、

  • ユーザの運転データを元に、自動運転の精度を高め
  • 自動運転の精度が高まることでより多くのユーザを獲得し
  • ユーザが増えたことでより多くのデータを集め…

と、好循環を手に入れていて、それによって世界一の自動運転メーカの座を確立することに成功しています。

参考記事:世界をつくり変える男 イーロン・マスク

 

つまり、昨今では

  • GAFAのようなIT企業だけでなく、自動車のような製造メーカにとっても、ビッグデータを独占することで、市場を独占することができる

という時代に入りつつあるわけです。

 

少し意外な例をあげると、日本ではあまり使われていないと思われる

  • アマゾンエコー
  • グーグルホーム

といったスマートスピーカーによるデータ収集も加速しています。

 

「スマホ利用に比べたら、データ量はたいして集まらないだろう」と思いがちですが、

  • スマートスピーカーを導入した人は、家の中でのスマホ使用頻度が減った

という報告もありますので、さまざまな機器や手段でデータを集められる企業がデータ覇権を握るコトになりそうです。

 

というのと、「スマホの使用頻度が減るってことは、スマートスピーカーって結構便利なのかな?」という、この記事とは関係ない感想も持ちましたw

 

そして、このデータ覇権を握るべく猛追しているのが中国です。

 

国家をあげてデータ覇権を狙う中国

GAFAは、それぞれ独立した企業であるため、同じ『アメリカの企業』といえども『ライバル同士』であるわけですが、中国では国をあげてデータ覇権を手にするべく動いています。

 

中国は、

  • アリペイ
  • ウィチャットペイ

などの電子決済システムが中国国民の7割以上に広がっていると言われており、中国国民は14億人もの人々がいますので、

  • 中国共産党は、10億人(14億の7割)ものデータを握ってる

とも言えるわけです。

 

著書『GAFA vs 中国』では、

このシステムを利用するには、ユーザは現預金、預貯金意外の資産、交通違反から始まる懲罰歴、交友関係など個人データを全部登録しなければなりません。

そして、それらをもとにしてAIが点数をつけ、ランクづけをします。

点数が高ければ信用力があるとして、シェア自転車の保険料がタダになったり、海外旅行でWi-Fiルータが無料で借りられます。

点数を上げるためにユーザが何をすればいいのかの支持もアプリからくるのです。

まるでゲーム感覚です。

 

いうまでもなく、これは共産党にとって強烈な「監視・支配のツール」になります。

人々のすべての行動や言動はスマホを通して当局に把握されるわけです。

と指摘しています。

 

こうして大量のデータを集めることで、『国民の監視・支配』をするだけでなく、

  • どういった人物が、どういったときに、どういった買い物をするのか

という、『喉から手が出るほど企業の欲しがるデータ』を大量にあつめることに成功しているわけです。

 

中国では、監視カメラ網もかなり整備(2億台以上設置)されていますので、どこにいて、何をしていても監視されているわけですねぇ…。

 

また、中国では『人命が軽い』と考えているような選択をすることが多く、そのことによってデータ覇権の争いを有利に進められている、という面があります。

 

人命が軽い中国が有利となる自動運転の開発競争

中国は、『EV』『自動運転』に力を入れており、

  • 2025年には、EVの販売台数が700万台にまで到達する

と言わています。

  • 2020年に全世界での販売台数が220万台

であったことを考えると、これがかなりの規模であることが分かります。

 

中国の自動運転用のGPS衛星は、『2017年時点で21機』打ちあがっており、その数は世界トップで、GPSによる制度は誤差1cm以内と言われています。

 

つまり、

  • 中国は、すでに自動運転においてトップに立つためのインフラを整えている

ことになります。

 

そのうえで、中国には先進国には存在している足枷が存在していないため、いまも急速に自動運転技術を向上させつづけています。

 

というのも、新しい技術である『自動運転』に事故はつきもので、『人権』に配慮しなければならない先進国は、慎重に開発・検証していくしかありませんが、中国にはそんな足枷はないのです。

 

実際に、2018年にウーバー、テスラの自動運転による死亡事故によって、一時的に先進国のメーカは行動による自動運転実験を停止しましたが、

中国はそれを尻目に多くの都市で自動運転の規制をゆるめていき、自動運転の実証データを大量に集め続けています。

 

そんな中国では、百度(バイドゥ)を自動運転プロジェクトのリーダーと認定し、百度はパートナー企業に無償で自動運転ソフトを提供、連携をはかっています。

そして、

  • 中国は世界の新車販売の3割を占める巨大市場である

ため、その市場を狙って、すでに

  • GM
  • BMW
  • フォルクスワーゲン

といったメーカが百度との連携をはかっています。

 

日本のメーカは、百度とのタッグを組んでいませんが、「中国なんかと組まなくて正解!」と喜ぶべきか、「技術革新が遅れる~、中国での販売にも影響が出そうだ~」と悲しむべきか、難しいところですねぇ…

 

しかし中国が、そうやすやすと海外企業に市場を引き渡すはずがありません。

 

外資にソースコードの提供を要求する中国

中国は(クルマでいえば)

  • 中国でビジネスする対価として、電気自動車や自動車のソースコード(プログラム)の提供するように

と海外企業に迫っています。

 

また逆に、

  • 中国国内であつめた自動運転などのデータを、国外に持ち出すことを禁ずる

という法律を作り、『アンフェア』としかいえないルールを押し付けています。

 

さらに言うと、『中国でモノ作りをする』ということは、

  • 中国に情報漏洩するようなマイクロチップを埋め込まれる

というリスクもあります。

 

実際に2015年には、アップルとアマゾンが標的となり、

  • データセンターの機器に、監視用のマイクロチップを埋め込まれていた

という事件がありました。

 

アップル・アマゾンに危機を提供していたスーパーマイクロ社は、これを否定していますが、「はい、そうですか。違いますよね」と真に受ける人はいないでしょう。

 

しかし、そんな『リスキーな中国』に対してでも、GAFAは中国拠点を拡大しつつあります。

 

中国拠点を拡大するGAFA

GAFAが中国拠点を拡大する理由は言うまでもなく『超巨大な市場を狙っていから』です。

 

グーグルは、

  • 2010年に中国当局からの検閲(中国によって都合の悪い情報を表示しない)を拒否したことによって、中国でシステムを使用できなくなった

という経緯がありますが、それでも

  • 中国向け検索サービスの立ち上げを検討している
  • 中国の検閲を受け入れるとしている

との報道もあり、さらに

  • 2018年には、北京にAIの研究拠点をかまえた

と、中国に対して積極投資を続けています。

 

また、

  • フェイスブックは、完全子会社を中国に設立(フェイスブック本体はまだ使えない)
  • テスラは、中国に完全子会社、大規模工場を設立
  • ビル・ゲイツは、中国国有企業と組み、次世代原子炉の開発を進めている

など、GAFAだけでなく、世界の巨大企業が中国に押し寄せています。

 

国単位で見ると

  • アメリカ vs 中国の戦いは激化してる

のは間違いありませんが、企業レベルでみると

  • アメリカ企業と、中国がタッグを組んでいる

ように見える状況にあるわけです。

 

しかし、バイデン政権がそれを許すとは限りません。

 

アメリカの覚悟

トランプ政権時代には、明確に『中国封じの強化』をしてきましたが、バイデン政権が誕生してからはそれが影を潜めているように感じている人も多いかと思います。

 

しかし、そうではないようです。

 

バイデンは、大統領選が行われている時には「トランプ政権による、対中の追加関税などは間違っている」と発言していましたが、バイデン政権が誕生してからは、その発言とはうってかわってトランプ路線を踏襲しています。

 

とくに財務長官を務めているジャネット・イエレン氏は

「中国の不公正な慣例は脅威であるため、いかなる手段を用いてでも対抗していく」

と述べており、具体的には

  • 知的財産権の侵略
  • 不当な低価格による販売
  • 不平等な補助金
  • 中国への技術移転の強要

といったことを『中国の脅威』としてあげており、対中の手を緩めないことを明確に示しています。

 

さらに、バイデン政権が厳しい目線を向けているのは中国だけでなく、GAFAに対してもそうなのです。

 

といのも、バイデン大統領はGAFAに対して『反トラスト法(独占禁止法)』という強力な武器をちらつかせており、場合によってはGAFAに対して

「これ以上中国に肩入れをするのなら、反トラスト法違反で提訴するぞ」

と締め付ける可能性があります。

 

実際に、2021年7月には

  • バイデン大統領が、反トラスト局の責任者にグーグルを強く批判するジョナサン・カンター氏を指名

し、グーグルへの圧力を高めているような人選をしています。

 

現時点では、『新型コロナ対策を最優先』という状況が続いているため、こういった情報に注目が集まることはありませんが、『アメリカ政府のGAFAに対する態度』についても注視しておく必要がありそうです。

 

まとめ:GAFA vs. 中国はまだまだこれから

といった感じで、著書『GAFA vs. 中国 世界支配は「石油」から「ビッグデータ」に大転換した』を要約しながら紹介させてもらいました。

 

現時点で、

  • 『GAFAは世界のデータ覇権を握っている』とも言え、中国とタッグを組みつつある
  • しかし、中国との経済覇権国争いに負けられないアメリカがGAFAの足を引っ張る可能性もある
  • GAFAが中国で活動できなくなったとしても、中国は国をあげてルール無用で追いかけてくる

といった状況にあります。

 

世界の巨大企業が中国に注目しているのは、

  • 中国には巨大なマーケットが存在している
  • 中国が急速に経済成長を続けている

からであって、例えば

  • 中国バブルが崩壊すれば、魅力がなくなる

わけですし、

  • 人権問題などによって『中国』や『中国で活動する企業』がボイコットされる

ようなことがあれば、

  • GAFAなどの企業は、中国よりも巨大な市場である『世界(除く中国)』を取る

ことになるでしょう。

 

よって、

  • 中国には、まだ多くの難題が残されており、これをクリアできるかどうかに中国の未来がかかっている

と言えそうです。

 

 

 

 本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。

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