最終更新日:2021/1/21
アメリカで次期財務長官となるジャネット・イエレン氏(前FRB議長)は、19日に上院公聴会に出席し、今後の政策に関する発言をしました。
言わずもがな、次期財務長官の考えは、アメリカ経済を大きく左右することとなります。
そしてアメリカ経済は、そのまま世界経済と直結しているので、イエレン氏の発言は全ての投資家にとって重要となります。
よって、本記事で上院公聴会での発言の一部を紹介し、考察していきたいと思います。
イエレン氏の主な発言は以下の通りです。
大きくは(当然)バイデン大統領が今まで発言してきた内容と同じではありますが、より踏み込んだ発言もしている個所もありますので、詳しく見ていきたいと思います。
企業・富裕層への減税は廃止されるべき
イエレン次期財務長官は、トランプ前大統領が推し進めた減税に関して「廃止されるべきだ」と発言しています。
とはいえ、現時点では『新型コロナ対策が最優先』であるため、即座に増税される可能性は低いです。
また、増税したところで、(企業・富裕層の持ち金は減るものの)その分のお金が消えてなくなるわけもなく、政府が適切な税金の使い方をすれば
- 格差の是正
- 公共インフラの整備
- 国が推進する事業の発展
といった、国全体が良くなる推進力となります。
(あたり前すぎる話ですが…)
つまり、『増税=企業の収益悪化=株価下落』ではなく、長い目で見れば『増税=国の基盤強化=株価上昇』となるとも考えられますので、この”増税”に対してさほど悲観する必要はないかもしれません。
また「他国とも連携し世界的な法人税引き下げを止めるべきだ」といった趣旨の発言もしています。
このイエレン氏の狙い通り『世界的な法人税引き下げが止まる』ことがあれば、すでに比較的に法人税の高い日本にとっては、『海外企業を誘致する』・『日本企業の海外への移転を防ぐ』チャンスとなるかもしれません。
さて、増税に関しては『良し・悪し』を判断することは難しいですが、政策として何に力を入れていくか(税金をかけていくか)は、企業の業績をダイレクトに左右しますので、そこについても見ていきます。
電気自動車など、再生可能エネルギーに力を入れる
バイデン大統領も繰り返し発言している通り、イエレン氏も「電気自動車、再生可能エネルギーなどへの投資をしていく」と発言しています。
参考記事:バイデン大統領誕生による株式市場への影響
これら事業には大量の税金が投入されることが予想されるため、関連企業にとっては大きな追い風が吹くことになります。
2020年はテスラの株価が大きく上昇したことで話題となりましたが、上昇の背景には次期政権を握るであろうバイデン氏・イエレン氏のコンビの『環境企業の優遇』があったと考えられます。
とはいえ、「バイデン新政権が誕生した今こそ環境企業へ投資しよう!」と今さら考えても報われない可能性が高いので、注意が必要です。
というのも、新政権が環境銘柄を優遇することは、かなり前から知れ渡っていたため関連銘柄はすでに割高となっている可能性が高いためです。
よって、この発言”だけ”を見て「投資しよう!」とは考えないようにしましょう。
50年債の発行を検討し、経済対策を続ける
新型コロナ対策によってアメリカの債務は拡大し続けていますが、イエレン氏は「金利が歴史的な低水準にあるため、これ以降も問題なく対策が打てる」と発言しています。
とはいえ、国債発行によるコストを抑えるために(金利が上昇する可能性もあるため)「50年債など、超長期の国債の発行についても健闘していく」と述べ、安定した財政を目指すための政策についても言及しました。
中国の不公平なふるまいに立ち向かう必要がある
イエレン氏は「中国の不公正な慣例は脅威であるため、いかなる手段を用いてでも対抗していく」と述べています。
具体的には、
- 知的財産権の侵略
- 不当な低価格による販売
- 不平等な補助金
- 中国への技術移転の強要
といった脅威が挙げられます。
中国は『技術移転の強要』に関して「でっち上げだ」と認めていませんが、2019年のEU商業会議所の会員企業の20%が「技術移転を強要された」と回答しており、中国の『教強要はしていない』との発言に信憑性はありません。
よって、この面では米中の対立はより厳しくなっていくことが予想されます。
まとめ
というわけで、筆者(ひょしおんぬ)がイエレン氏の発言の中でも、筆者が気になったポイントを取り上げさせてもらいました。
他にも
- 為替レートのコントロールはしない、させない
- 暗号通貨については関心を寄せている
- 個人・中小企業向けのコロナ対策に力を入れる
といった発言をしています。
新政権には、現時点では『新型コロナ対策』という最重要事項があるものの、それが収束した後には『トランプ前大統領とは、まったく違う路線』で政策を進めていくことが予想されます。
新政権の方針が『不利に働く企業』、『有利に働く企業』が出てくるとは思いますが、長い目で見ればアメリカ経済、ひいては世界全体の経済が成長していく可能性が高いことに変わりはありません。
よって、個人投資家は今まで通り、タンタンと分散投資を続けていくことが、資産を大きくするための最良の手段であることに変わりはありません。
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