最終更新日:2020/5/17
新型コロナウィルスによる緊急事態宣言が日本で解除されてきました。
ただし、世界規模(特に新興国)ではまだまだ新型コロナウィルスによる猛威は広がりつつあります。
また、移動規制や店舗の営業が再開しても、客足は過去のレベルまで戻っておらず苦戦しているようです。
というのも、新型コロナウィルスの対策(薬など)が確立されていないため、人々は感染を恐れて以前のように行動できない為です。
さらに、米中の対立が激化しつつあり、その結果(例えば国交断絶)によっては世界経済が長期的に停滞する危険性もあります。
さて、今週はどんな株価の値動きだったのか確認していきましょう。
※今週から「株価推移の傾向」を見る為に「移動平均線」を追加しました。
<目次>
- 【新型コロナウィルス】世界同時株安からの株価の変動を確認【暴落から12週間】
- 【新型コロナウィルス】過去2年間の株価の推移
- 【新型コロナウィルス】過去12週間の株価の推移
- VTI・VT・VWO・TOKの推移を比較
- 今後の株価について
【新型コロナウィルス】世界同時株安からの株価の変動を確認【暴落から12週間】
さっそくですが、株価の変動を「世界全体の株価の指標であるMSCI-ACWIを基準とする投資信託」の推移で確認してみたいと思います。
(世界平均の株価の推移と思ってください)
まずは過去10年の推移から。
※2020年5月17日時点の188,753ポイントに合わせて赤線を引いてあります。
グラフの通りですが、過去10年という長いスパンで見ても急落しているのが一目瞭然です。他に類を見ない角度で急落し、他に類を見ない角度で急上昇しています。
現時点は「2017年ごろの株価にまで戻した」状態で、「上昇トレンドの中での一時的な下落」かな?という感想を持ちます。
では、次に過去2年間の推移を掲載します。
【新型コロナウィルス】過去2年間の株価の推移
直近2年間でグラフを覗いてみると、新型コロナウィルスによる急激な暴落後は、激しく上下動していることが分かります。
現時点で2018年末の暴落時の株価は超えており、「慌てるような状況」には全く見えません。
むしろグラフだけ見ていると「2019年9月頃からの株価上昇が異常だったんじゃないの?」「その反動で下げただけでは?」と思えなくもありません。
もし本当にそうだったとすると「まだ新型コロナウィルスによる影響が株価に反映されていない」とも受け取ることが可能で、その場合はさらなる暴落が待ち構えていることになります。
また、「株価の推移の傾向」を見る「2か月の移動平均線(オレンジ線)」で見ると、「ようやく上昇に転じてきたかな?」という状況です。
では次に過去12週間の株価の推移を掲載します。
【新型コロナウィルス】過去12週間の株価の推移
5/15時点では、先週末(5/8)よりも少々値を下げている状況にあります。
しかし、「2週間の移動平均線(オレンジ線)」で傾向を見ると、ゆるやかな上昇傾向であることが分かります。
冒頭でも書いた通り、各地で移動制限が解除されつつあり、景気回復に向けての期待が高まりつつあるためだと考えられます。
あお、具体的な株価の変動率としては
- 先週末(5/8)と比べて0.3%の下落
- ピーク時(2/21)と比べて21%の下落
- 底値時(3/24)と比べて21%の上昇
となっています。
最近では急激な値動きが発生しておらず、株価だけ見ていると「落ち着いてきたなぁ」という感想を持ちます。
むしろ、先にも書きましたが、新型コロナウィルスのダメージの大きさの割に株価が下落していないことから「これから2番底が待ち構えている」と、(当たらない)予想をしています。
というか、このまま株価が情報すると「景気悪化」なのに「株高」となってしまうので、「株価が割高」状態となり非常に困ることになります。
※「困る」の具体的内容は以下記事をご参照ください。
では最後に、投資先地域毎の推移をETFで確認します。
VTI・VT・VWO・TOKの推移を比較
※2020/2/3時点を100ポイントに統一しています。
結果は見ての通りですが、現時点で
- 「黄色線:アメリカ株(VTI)」が最も回復している
- 「赤線:新興国株(VWO)」だけが下降トレンドにある
という点が目立っています。
新興国株が下降トレンドにあるのは
- 新型コロナウィルスが新興国で広がりつつある
- (上記のよってか)新興国通貨の暴落
が起きていることが原因と考えられ、しばらくは新興国株のみが下落し続けるケースもあり得ます。
また、新興国では自国通貨の暴落によるダメージを回避するため、仮想通貨の人気が高まっています。
日本人の多くは「仮想通貨は危険」というイメージを持っているかと思いますが、新興国民にとって「仮想通貨はリスク分散のための資産」という側面もあるようです。
今後の株価について
新型コロナウィルスの最悪期は脱し、これからは経済活動再開のタイミングをうかがっていくフェーズとなりそうです。
しかし、人々の移動制限が解除されたところで、経済が新型コロナウィルスからのダメージから回復するのには、まだまだ時間が必要な状態であることに変わりはありません。
また、移動制限の解除には、再度の感染拡大が待ち構えているのはほぼ間違いありません。
何にせよ、世の誰もが新型コロナウィルスの今後について正確に予想出来ない以上、一般投資家にできることは、
- 「今がチャンス!」と買い急ぐ
- 「暴落の前に逃げ切ろう!」と売りに走る
といったことをせず、冷静に市場を見つめながら自分の投資ルールに忠実に従うことしかありません。
というわけで、これからも積立投資を心穏やかに続けていくことにします。
暴落期が長くなればなるほど、 株価の変動が大きければ大きい程、ドルコスト平均法による積立投資の利益は大きくなります。
新型コロナウィルスには迅速に鎮静化してもらう必要がありますが、株価は当分下落したままでいいよ。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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