投資をはじめると、
「これには○○円に価値があるんだろうか?」
「その分を投資した方がいいんじゃない?」
と考えることが増えます。
この傾向が続くとどんな『物』だけでなく『経験』なども『お金』に換算して考えるようになっていきます。
そして、こういう思考をもつ人々を『不幸な人』とさげずむ声があります。
しかし、私はそうは思いません。
反対に、可能な限りすべてを『お金』に換算できるようになることが『幸せ』に近づけると考えています。
『お金』ばかり気にして不幸な人
お金に換算しすぎる人のことを『不幸』と言う例としては
- お金のかかる学びを避ける
- 大金が必要な旅行をせずに貯金をしている
- 出費を抑えるためにサークル活動や友人付き合いを控える
といったモノが挙げられます。
お金を優先しすぎるがあまりに、これらを避けてしまうことになり『つまらない人生を送っている』と言われるわけです。
よって、
「お金のことを気にせずに、経験を大事にすることも大切だ!」
なんてことが言われるわけです。
なんとなく分からなくもない指摘ですが、どうにも腑に落ちません。
というのも、
- 『お金を使わない目的』は『将来使うためのお金を貯める』ことである
と言えるからです。
なかには『資産を増やす』ことを目的にしている人もいるでしょうが、ほとんどの人は『将来使うためのお金を貯めている』というのが目的でしょう。
(他にも『将来が不安だから貯めている』という人もいるでしょうが、そんな人に対して、「将来の不安を解消するために貯金なんかするよりも、経験にお金を使うべきだ!」というのは暴論すぎます。)
つまり、
- いまは出費を控えることによって『経験』や『モノ』の購入が減っているが、将来には多くの『経験』や『モノ』を買う予定である
- いまはガマンの時であり、その代わりに未来で豪遊するのである
と考えられます。
しかし、『将来使うためのお金を貯める』とする上で避けて通れない議論として、
- 『いまの1万円』と『将来の1万円』には、価値にどれくらいの差があるのだろうか?
というものがあります。
『いまの1万円』と『将来の1万円』の価値
年齢を重ねていくと健康面や体力面などによる制限がかかるので、
- 高齢になると、お金があっても若い頃のように楽しむことができない
というのはよく聞く話です。
よって、
「将来のためにお金を貯めておくよりも、いま使うほうが良いのだ!」
という意見が生まれてくるわけです。
これは、投資をせずに『いま1万円は将来の1万円』であれば、非常によく分かる考え方で、基本的には『若いうちにお金を使ってしまった方がお得』であるケースが多いでしょう。
しかし、投資をすることによって『いま1万円は将来の10万円』なんてことになると、ものすごくややこしい話になってきます。
「いま100万円もらうか、30年後に5000万円もらうか、どっちがいい?」
という問いに即答することが難しいように、『時間』が関わってくるとこの問題が複雑になってきます。
そこで重要となってくるのが、『お金に換算する能力』だと私は思うのです。
すべてを『お金』に換算する能力
例えば、
- 20歳のいま10万円かけていく旅行には『10万円の価値』がある
- 40歳になってから50万円かけていく旅行には『10万円の価値』しかない
といったことが計算できるのであれば、
「いま10万円投資しておけば40歳になった時に40万円にまで増えることが期待できるけど、いま旅行に行った方が良いな!」
「いま10万円投資しておけば40歳になった時に100万円にまで増えることが期待できるから、投資しておこう!」
という判断ができるようになります。
そうすれば、
「これは、将来の資産が減ることになってでも経験しておくべきだ」
「これは、将来の資産のために出費を回避しておくべきだ」
と正解を導くことができるようになります。
これは、時をまたがなくても必要な比較で、
- 現時点で、この100万円の旅行には『1000万円の価値』がある
- 現時点で、この100万円のセミナーには『500万円の価値』がある
となれば、『前者を優先する』なんていう判断ができるようになります。
この判断をするためには
- モノ価値を金額に換算して考えることが出来る能力が必要
だと思うわけです。
もちろん、『経験』を正確な金額に換算することは不可能です。
よって、
「その経験が自分にとってどれだけの価値があるか分からないから、とにかく経験しておけ!」
といったアドバイスもできなくもありませんが、そんなことを言い出すと『どうでもいいような経験ばかりして、経験も貯蓄もない大人』ができてしまう恐れがあります。
世の中には数えきれないほどの『経験』が転がっています。
それに対して、『経験に使うコトができるお金』には限りがあります。
よって、「自分にとってどの経験が重要であるのか?」を考えなければ、当然のように失敗することになるでしょう。
よって、
「この経験とこの経験、どっちの方がより価値があるんだろうか?」
「それとも、将来に備えて投資した方がより高い価値になるのだろうか?」
を、考えたうえで選択することが重要だと言えるわけです。
『定価』は無視して『自分にとっての価値』を考えよう
『新興国で売っているモノには、定価(お店の定めている売価)があるようでない』なんてことを聞きます。
つまり、
- 自分はこのモノを手に入れるために、どれだけの対価を支払えるのか?
を考えながら買い物をしなければならないわけです。
そして、キッチリと定価(売価)が定められている世界で暮らしている人々は、そういった能力がなく「高いモノには価値がある」「安いモノには価値がない」と判断してしまうためにいいカモにされがちだと聞きます。
100万円を使うとして、
- 旅行に行って楽しむ
- 中古車を買って生活を豊かにする
- 高級時計を買ってほくほくする
のうち、『どれが自分にとってもっとも価値のある行為なのか?」の答えは人によって違います。
また、
「最近いいご飯食べに行ったから、今度は経験よりも物品を買おうかな」
「子供が生まれたから、子どもの将来のために貯蓄しておこうかな」
など、タイミングによってもモノの価値が変わります。
マネーリテラシーのない人を指すネタとして『知人がローンを組んでアルファードを買った』というものがあります。
しかし、そのアルファードが当人にとって3000万円分の価値があれば、実質支払い額が1000万円になるとしても『正しい買い物をした』と考えることができます。
そして、その人にとっての『アルファードの価値』がどれだけあるのか、当人にしか分からないため、他人が「ローンでアルファードwww」と批判することはできません。
しかし、当人が『自分にとってのアルファードの価値』を考えないまま、また、価値を誤って算出してしまった状態で買ってしまったのであれば、それは『失敗』と言えるでしょう。
そんなわけで
- 『商品に設定されている価格』を無視して、『自分の価値観における商品の価格』を見定める力を身が重要
なんてことを考えるわけです。
その能力を手に入れ、
「投資することによって得られる将来の○○万円よりも、いま○○にお金を使ったほうが価値がある。」
「いま○○をするよりも、投資して将来の備えた方が大きな価値になる」
という判断ができるようになりたいものです。
-- 最後に… -------
これ、『お金に換算して比較する』だと納得しない方も多いんじゃないかと思いますが、
- こっちの経験とこっちの経験、またはあるモノの購入、どれを優先するべきか比較する
と言えば、納得される方も多いのではないでしょうか。
簡単に整理すると、
- 『手にできる経験』には限りがあり、取捨択一しなければならない。
- 取捨択一するために、いったん経験を金額に換算するべし。
というだけの話であり、複雑なことを言っているわけではありません。
この記事では『お金に換算すべし!』としていますが、お金と言う物差しをつかっているだけで、そうでなくても
- この10万円の旅行には100SSP(100スパコンSEポイント)の価値があるな!
- この5万円の食事には20SSP(20スパコンSEポイント)の価値があるな!
と自分なりのポイントを物差しとして使用してもいいかもしれませんね。
ちなみに、どこかのまともな研究機関による実験で、
- お金のことを想像させると、他人に不親切になる
なんていう結果が出たようなので、人間はお金に対して特別な感情を抱いているってことも分かります(ソース不明…。思い当たる人がいたら教えて!)
お金だろうと物だろうと経験だろうと、すべてフラットにみられるようになりたいですね。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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