絶好調な市場によって資産が大きく増え、喜んでいる投資家も多いでしょう。
しかし、絶好調の後には大きなリスクが待ち構えていることが多いです。
今回は、そんな分析をしているNotable Market Surges and Their Aftermathを紹介したいと思います。
4か月間でダウ平均が18%上昇して過去最高値を更新したケースは過去に3例しか見つからず、それぞれ
- 世界恐慌(1928年~
- ブラックマンデー(1987年~
- ITバブル崩壊(1999年~
と、大きな危機の直前に暴騰が発生しています。
一時的な暴騰によって投資家を喜ばせたのもつかの間、
- 世界恐慌では、ダウ平均がピーク時から89%の大暴落
- ブラックマンデーでは、たった一日で22.6%の下落、その後最大で40%の暴落
- ITバブル崩壊は、暴落後3年にもわたる弱気相場が発生
と、悲惨な状況におちいっています。
平時では見ないほどに株価を上げれば、その後に大きな下落をすることは自然なことのようにも思えます。
そして、2023年10月末~2024年2月末の4か月間では、20%を超える高騰をしています。
これだけを見ると、現在の市場には高いリスクが潜んでいるように見えます。
しかし、必ずしもそうとは言えません。
下のグラフは、
- 赤線:ダウ平均
- 青線:過去5年の株価上昇率
となっており、過去にあった3回の暴落前には『直近5年間で195%の上昇』という驚くべき上昇を見せていますが、今回は50%ほどしか上昇していません。
『暴落直前(4か月)』にだけ注目すると、「大きな危機が近づいている」ように見えますが、『過去5年』に注目すると、そこまで異常とは思えないような状況にあります。
(それにしても、過去にあった3回の暴騰(5年で195%上昇)は、『陶酔』状態にあったとしか思えないような上がり方をしていますね。今後同じような上昇を見せれば、さすがに売りたくなるのかなぁ…?)
それと比較すれば、現在の上昇は『平凡な上昇』に見えます。
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結局、こういった
『いまの状況は過去にあった○○と一致しているから、これから○○が起きる!』
みたいな話は、『どうやってデータを切り取るか?』によっていかようにも作り上げることが可能であるため、信ぴょう性はイマイチです。
様々なデータを参考に『警戒』することは大切ですが、イチ情報だけを見て判断するべきでないことがよく分かりますね。
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なお、最近このブログでは「市場がやばい!」的な記事ばかり書いていますが、「暴落がある!」と信じているわけではありません。
かといって、「暴落はこない!」と信じているわけでもありません。
なんやかんや、
いまの市場価格はすべての投資家の総意であるため、高値でも安値でもない『適正な値』と言えます。
PERやROE、バフェット指数などによって株価が割安か割高かを判断しようとする指標は様々存在していますが、情勢が変わればこういった指標は大して役に立たないこともしばしばです。
よって、「長期的にみればゆるやかに株価は上がっていく」という大前提を理解したうえで、
「現在の株価はニュートラルであり、上がっていくかもしれないし、下がっていくかもしれない」
と考えておくことが重要であると私は考えます。
であれば、機会損失を避けるためにも『市場にとどまり続ける』ことが個人投資家にとって最高の選択肢であると言えるでしょう。
そこらへんに転がっている『愚かな煽り報道』ごときに流されることなく、しっかりと芯をもってタンタンと投資を続けましょう。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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