新NISAが盛り上がっていて非常に素晴らしいと思ってはいますが、なんだか勘違いしている人も多いようで、少しモヤモヤしています。
例えば
「新NISAを買う!」
「新NISAをやらないのは損!」
といった言葉が聞こえてくるからです。
これに対する警告として、
NISAは
— 眼鏡小僧 / やすひろ (@meganekozo) 2024年1月30日
「儲かる」制度でも
「損する」制度でもなく
「得する」制度である。
というところから入らないと勘違いしそうな気がする。
必ず儲かるとか国の陰謀とか、そもそも入口が違う。
という眼鏡小僧さんのポストを見て、うまい表現だなーと思いました。
NISAという制度は、既存の投資家にとって素晴らしい制度ではありますが、「投資はしない!」と判断していた方にとってはあまり関係のない制度です。
というのも、NISAは「投資で儲かったときに、プラスアルファが手に入る制度」でしかなく、「投資で儲けられるようになる制度」ではないためです。
言い換えると、
- 投資で儲けられる人にとっては良い制度
- 投資で儲けられない人にとっては関係のない制度
ということになります。
つまり、
「NISAだから儲かった!」となるケースはほとんどなく、
「NISAだから儲けが増えた!」としかなりません。
投資で儲けられる人はNISAという制度がなかったとしても投資をしていたでしょうし、
「投資で儲けるのは難しい」と考えている人であればNISA誕生が投資を始めるきっかけとはなりえません。
よって、
- NISAが誕生したからといって、個人投資家の数はさほど増えないない
と考えることができるはずです。
しかし、現実世界ではそうなっていないようです。
新NISAは地上波や雑誌など、広くメディアに取り扱われ、それに触発されてか『新NISAを機に投資を始めた人々』が多くいるようです。
(出典:2024年、新NISAスタート!)
(2023年にNISA口座が急激に増えたのは新NISAの影響じゃないかと想像)
そして、ここで心配になるのが
「どれだけの新人投資家が、新NISAのことを、投資のことを、理解しているのだろうか?」
です。
先に書いた通り、新NISAは『投資で儲けられる人にとっては良い制度』でしかなく、そうでない人にとっては無価値な制度です。
それを理解せぬまま、
「普通の投資は難しそうだけど、新NISAでなら儲けられる!!」
と勘違いしている人がいたとすると、その方には厳しい未来が訪れることになる可能性が高いでしょう。
残念です。
しかし、たとえ勘違いであったとしても、『投資の世界』に足を踏み入れたことそのものは、将来につながる大きな一歩であるとも思います。
いまではインデックス投資家である私も、
「月10%くらいのリターンなら狙えるっしょ」
と勘違いして投資を始めましたし、私のほかにも初心者時代に
「FXで大儲けしてやるぜ!」
「信用取引なら短期間で大金持ちだ!」
と甘く考えていたた『勘違い投資家』であった(そして大ダメージを受けた)人は多いでしょう。
投資のことを理解せぬまま『新NISA』という世間の波に流されて投資家デビューした人の中には、私たちと同じように痛い目を見る人が多く出てくることになりそうです。
彼らと同じ経験をしてきた私たちは、そういった人々を救うことができます。
そのためにも、いま発信せねばらなないのは『新NISAでは○○に投資しろ!』といったことではなく
- 市場平均を超えるるためには、世界中の強力なライバルに勝たないといけないよ
- インデックス投資であれば、大儲けはできないけど平均点が取れるよ
- 長期投資をすれば高い確率でリターンが期待できると思うよ
というインデックス投資の基本なんだと思います。
繰り返しになりますが、
新NISAは、既存投資家にとっては非常にうれしい制度ではありますが、「投資はしたくない」と考えていた人が「投資しよう!」と考えるほどにインパクトのある制度ではありません。
しかし、世間からの注目をあつめ、『投資家を増やした』という成果は非常に素晴らしいです。
これを機に、インデックス投資という手法をより広くに伝達できるよう、邁進してまいりたいと思います。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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