新NISAでは、
- つみたて投資枠
- 成長投資枠
の二つがあるわけですが、
「”成長投資枠”って名称、どうしてそうなった?」
と思うのです。
現行NISAは、
- つみたてNISA
- 一般NISA
の2の本立てであるのにも関わらず、新NISAではその名称を踏襲せず『成長』の単語が使われています。
投資において『成長投資』という言葉を聞くと、『グロース銘柄への投資』を思い浮かべる人が多いかと思いますが、新NISAの成長投資枠にはそんな制約はなく、
- (つみたてNISAと違い)一定の基準を満たした投資信託に限定されず、ETF・個別株・海外株などの幅広い商品に投資できる制度
となっています。
であるのにも関わらず
「成長するところに投資しようぜ!!!」
とでも言いたげな『成長投資枠』という言葉を使っていることに違和感を覚えます。
もしかしたら本当に「成長が期待できる銘柄に投資して欲しい」という思いによって選ばれた言葉なのかもしれませんが、
- 成長する企業に投資することが、かならずしも成功するとは限らない
ことは明らかです。
また、最近ではChatGPTをリリースしたOpenAIのCEOサム・アルトマンが解雇され、これまで急成長してきたOpenAIがどうなってしまうのか分からない。なんていうケースも存在します。
このような例に限らず『企業が成長しているからといって、投資妙味があるとは限らない』のにも関わらず、金融庁が「成長が期待できる銘柄に投資して欲しい」と考えているのであれば
- 成長投資枠は、『個人投資家の投資の成功を後押しする制度』ではなく、成長産業にお金をまわすための政策
であることになります。
…
いやまてよ…
まさか本当に………?
と思って、改めて金融庁の出している新しいNISA制度の概要と改正の狙いを調べてみました。
すると、
とありました。
もう少し細かいとろこを見ると、
とあります。
これを私なりに解釈すると、
- つみたて枠は、安定的な資産形成のためにある
- 成長投資枠は、成長産業への資金提供のためにある
となります。
あー、なるほど。
であれば『成長投資枠』の言葉にも納得ですね。
いや、ちょっと待って……
成長投資枠は、『個人の資産形成』よりも『成長産業への資金提供』を重要視しているってことか!?
まじか!?
いや~、NISAは「みんなで資産形成しようぜ!!」って制度だとばかり思っていたわけですが、そうではなかったんですね。
ただの私の勘違いでした。
もちろん、(日本の)成長産業が潤沢な資金調達に成功すれば、日本の経済成長にもつながり、ひいては国民にも還元されることになるでしょう。
しかし、成長産業への投資は簡単なモノではなく、
- バブルの崩壊によって痛い目を見るのは、成長産業へ投資していた人々である
というのは過去の歴史からも明らかであるため、
金融庁が「成長産業にお金を配りたいから、バブル崩壊で痛い目をみても許してね☆」
と言っているように感じてしまいます。
また、
- NISAを準備する目的には、「国が老後の資金をすべて賄うのは難しいから、個人個人でも準備してもらおう」という考えがあるんじゃなかろうか
みたいな意見もあるわけですがが、これを『成長投資枠』の考えと組み合わせると、
- 『優良な成長する銘柄』を見つけ出せる能力がある人は老後の資金が準備でき、そうではない人は困ったことになる
といった、弱肉強食の世界を作ることにもつながりそうです。
これを国が推進しているとは…。
とはいえ、
- 金融庁の言う『成長資金の供給』=『成長産業、スタートアップへの投資』であるとは限らない
ため、この考察が私の勘違いであることを祈ります。
とはいえ、現時点ではなんだか残念な気持ちになってしまいました。
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というわけで、賢明なる読者のみなさまには、
- 『成長投資枠』という言葉に惑わらされずに、『これまで培ってきた自分の投資法』をタンタンと継続する
という選択をされることをお勧めいたします。
また、これまで投資に触れてこなかった人へは、
- 「とりあえずオルカンで!」と、無難なインデックス投資一本でいく
ことをお勧めしたいと思います。
成長産業やスタートアップへの投資が増え、日本の経済が強く成長していくことは大切なことではありますが、一般人が『自分の人生(大切なお金)を賭けてスタートアップに投資する』という必要はないと考えます。
自分自身の人生を最優先に考え、リスクを抑えた投資によって資産を形成し、それでも余裕ができたら成長産業への投資を考える。くらいで良いのではないでしょうか。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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