先日、下の記事で
『収入があるからこそオルカン(ハイリスクな100%株式)を選択できる』
なんて書いたわけですが、これ、ちょっと面白いですね。
おさらいすると、
- FIREには(大きな収入源≒株式100%などのハイリターンな投資)が必要となるが、収入がないためにハイリスクな投資(株式100%など)をしていると安定したFIRE生活を送りづらい
- セミリタイアであればさほど大金を必要としないが、収入があるからこそハイリスクな投資をしても問題が起きづらい
ということで、
- ハイリスク(ハイリターン)な投資を必要としている人ほど、ハイリスクな投資ができないぞ!
という結論になりました。
世の中あまくありませんねぇ。
これ、『収入が大事』というのはリタイア民に限らないことで、老後のお金についても同じことが言えそうです。
仮に「老後のお金は100%自己資金でヨロシク」という世の中であったとすると、
- 自己資金を株式で運用していたら、暴落が起きて困った
- 現金を大量保有していたが、インフラによって現金の価値が下がった
なんて悲惨な事態が起こるかもしれません。
しかし、年金という定期収入があれば、
- 市場が暴落しても影響なし
- インフレになると年金支給額が増える(マクロ経済スライドがあるので、インフレほどには上がらないが)
と、老後の生活に大きな支障はでづらいです。
よくできてますねぇ。
FIRE民やセミリタイア民のなかには、『できるだけ年金を納めない(年金の控除など)=将来の年金受給額が減る』という行為を選択している人もいるようです。
しかし、その選択は
- 年金を削った分だけ、早く大きな資産を手に入れることができる
- その代わりに『年金≒インフレに連動する死ぬまで手に入る収入』が減ることになる
という結果を招きます。
これ、投資が順調であるときにはいいかもしれませんが、暴落に遭遇したようなケースでは『年金支給額が多い』ほうが有利(でかつ、精神も安定する)となるでしょう。
そう考えると、やはり
- リスクの高い投資をしている人ほど、年金をしっかり支払っておくべきである
と私は思います。
その分だけ、自身の資産が大きくなるペースは落ちることになりますが、安定した生活を送りたいのであれば、これを受け入れなければならないようです。
さて、そんなことを考えていると
「じゃあ、どれだけ資産があったらFIREできるの?」
という疑問が浮かんできます。
もちろん各々の出費によるわけなので、例えば
- 1億円の資産を作ってFIRE
- トリニティスタディ(4%ルール)を守って年間の支出を400万円とする
だとして、
- 市場が50%の暴落
- その状況が5年間継続
という状況が発生すると、
- 5年後には資産の残りが3000万円にまで減少する
と耐えがたいような状況となってしまいます。
もちろん、これほど大きな暴落が起こる可能背は低いでしょうし、「4%ルールを守っているのだから大丈夫」と言えなくもありません。
しかし、残念ながら4%ルールは『過去の実績』でしかなく、将来を保証するものではありません。
よって、『今後どの程度の暴落が発生し、回復にどれくらいかかるのか?』を正確に言い当てることはできず(過去の実績から○○%の確率で、○○%の暴落がある、という予測しかできない)
「これだけの資産があればFIREできる!今後も安泰だ!」と断定できる金額を算出することは困難です。
というわけで、「脱サラしたい」に近い考えを持っている多くの人にとって
- 「これで一生働かなくても安泰!」と本当に思えるほどに巨額な資産を構築するのではなく、『そこそこの資産』と『ある程度は安定した収入源』を確保したうえでセミリタイアする
という選択肢がよいものとなるのではないかと思います。
また完全なるFIREをするのであっても、
「これくらいの資産があればFIREしても大丈夫な”はず”」
と、いうふわっとした計画を立てておきつつも、
「でも、何か想定外のコトが起きるはずだから、その時には『再就職する』など、臨機応変に対応しよう」
と考えておくことが必要なのではないでしょうか。
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