最終更新日:2021/1/23
この記事では、FXで利益を得ているのにも関わらず、4億円もの脱税をしたことで摘発された普通の主婦:池辺雪子さんが書いた『あの4億円脱税主婦が教えるFXの奥義』を紹介したいと思います。
本書には、
- 脱税に至った経緯
- 池辺さんの投資理念
- 具体的な投資スタイル
- テクニカル指標の使い方
などが書かれており、FXを使用する投資家にとって、『実際に利益を出した方法』を学ぶための良書であると言えるかもしれません。
が、先に断っておきますが、筆者(ひょしおんぬ)はFXをやるつもりもないし、読者に勧めるつもりもありません。
ただ、『普通の主婦がFXで巨額の利益を出した』という事実から何か学ぶことができればと思ってこの本を読むことにしました。
学んだのちに、
「やっぱりFXは危険だな」と思うのか
「FXにチャレンジしてもいいかも」と思うのか分かりませんが、
雰囲気だけで「FXはいかん!」と判断しないためにも、ある程度の実績を挙げた人の考えを学んでいきたいと思います。
ではさっそく、内容の一部を紹介、考察していきたいと思います。
長い投資歴
冒頭で『普通の主婦』と書いてはいたものの、投資歴そのものは長く、1970年ごろから株式投資をはじめたそうです。
その後、商品先物取引を経験し、2000年ごろからFXに手を出しています。
いずれも、当初は『人に教えてもらいながらの投資するスタイル』で投資法を学んだのちに、自らも古今東西の相場本を読み漁るようになり、知識を蓄えていったそうです。
脱税事件によって摘発されたのが2007年だったので、その時点で40年近くの投資歴があったわけです。
ここでまず「あの4億円脱税主婦も、FXで簡単に儲けたわけではないのだな」「FXも一朝一夕にはいかないのだろうな」という感想を持ちます。
また、 主婦でありながら、FXで膨大な利益を上げたというイメージから「FX中毒の人なんだろうか」という想像をしていましたが、実際はそうではないようです。
池辺さんは、投資の基本理念として
- きちんと寝て楽しくトレードする
- FXは人生を豊かにするためのもの
- 全額投資せず、精神的ゆとりをもって
といった言葉を挙げており、ここからは「普通の人なんだろうなぁ」という印象を持ちます。
というわけで、簡単に池辺さんの紹介をしてきましたが、ここからは池辺さんの具体的なテクニックについて紹介していきたいと思います。
レバレッジは何倍が最適?
FXを検討したことがあれば、「レバレッジは何倍くらいが妥当なんだろうか?」と考えたことがあると思います。
それに対して池辺さんは
「レバレッジは何倍くらいが妥当ですか?」
そう聞かれることがありますが、私にはわかりません。
レバレッジで考えるという習慣がないからです。
と答えています。
具体的には『300万円の現金があれば、100万円をFX口座に入金する』という、ある程度の余剰資金を確保したうえで、
『想定される(損失が出る方向への)大きな値動きがあったとしても、強制ロスカットされないレベルのレバレッジをかける』
という考え方をしています。
言いかえると「何よりも守りを大切にした投資スタイル」とも表現できる投資手法を取っています。
大きな利益を出している著名な投資家の多くは「とにかく損をしないこと」を大切にしていますが、池辺さんも同様の考えのようです。
そして、資産を守る準備を万全にしたうえで、テクニカル指標を使って攻めにでます。
様々なテクニカル指標を駆使する
FXといえば『テクニカル分析』ですが、その点は池辺さんも変わりありません。
池江さんは、
- 為替相場が10年後にどうなるかなんて誰にも分からない
- テクニカル分析は「ひとつの武器」である
- テクニカル分析による予想がはずれることはよくある
- 万能なテクニカル分析は存在しない
といった感じで、テクニカル分析に重きを置きながらも、それを完全に信頼しているわけではなく、『ファンダメンタル分析もしならがらトレードする』というスタイルのようです。
また、数あるテクニカル分析の中でも『RSIの乖離率(買われすぎ、売られすぎを判断する)』を重要しているそうですが、それに限らず、世に存在する数多くのテクニカル分析をもちいて投資しています。
池辺さんは
私自身が覚えていなくも、私が読んだ数々の本は骨肉となって、あるいは血液となって体を流れていて、いまだに私の考え方・相場の見方に影響を与えているはずです。
ですから、「どれかひとつ」と言われても困ってしまうのです。
と著書に書いており、数十年にもわたる勉強・経験のすべてを駆使してFXトレードをしているようです。
そして、池辺さんはオリジナルのチャート『yukiko V チャート』を開発し、トレードの参考に使っているようです。
が、ここでは『yukiko V チャート』の詳細を紹介するのは控えさせてもらいます。
(本ブログの主旨から外れてしまうので)
(わき出る『ツッコミたい気持ち』も抑えて…)
といった感じで、独自の投資手法を編み出し、利益を上げてきた池辺さんですが、有名になったことで色々な方から質問されるようになったようです。
他人に「どうすればいい?」と聞いていては成長しない
しかし、そういった行為に対して
えてしてそういう人は、答えだけを求めがちであったりもします。
質問があったとしても、こうしたものなのです。
「今はどれを買えばいいの?」
「どうしたら儲かるかしら?」
回答に至る道筋を自分で考えようとせずに、結論だけを求めていては、いつまで経っても自分で考えることができません。
なので、収益がいつまでも大きくプラスになることがありませんし、相場の状況によって大きく収益がぶれてしまうのです。
伸びる人・伸びない人の違いを考えると、自分で疑問を持って、それを解消する努力をできるかどうか、ということになるようです。
自分で常に何かを考えながら相場に取り組んでいる人は、えてして大きな収益を上げています。
と厳しい意見を述べています。
これには完全に同意です。
投資に限らず仕事においても『安易に答えを求める人』は成長しません。
株式投資やFXで利益を上げた人の話を聞いて「簡単に儲かりそうだからやってみよう!」と、大して学ばずに安易な考えで投資に手を出す人は多くいます。
しかし、こういった人々の多くは、運よく成功したら「よし!やったぜ!」と考えるだけ、失敗したら「あいつが悪い!」と他人のせいにして終わりです。
そんな考えで成長するはずがありません。
『投資の世界で頼りになるのは自分だけ』というのは、株式投資においてもFXにおいても同じことです。
よって、自分を磨き、自分の頭で考えることを忘れないようにすることが、投資において最も大切なことと言えそうです。
実力があったのか、運が良かったのか…
というわけで、ここまで要約させてもらった通り、『FXで一発当てた運の良い主婦』というマイナスなイメージも強い池辺さんでしたが、実態は『長い投資経験を持ち、学び続けている投資家』だったことが分かります。
『4億円脱税事件』は、FXが広まるきっかけの一つだったかと思いますが、『FXで楽に儲かる』と誤った認識がセットで広がってしまったのは非常に残念です。
さて、『4億円脱税主婦が教えるFXの奥義』を一通り読み、考察してきたわけですが、正直にいってFXに対する魅力は特に感じませんでした。
と、いうのも、テクニカル分析で儲けることができることが事実であるとしても「なら株式でやるし」と思ってしまうからです。
FXで大きなレバレッジをかければ、株式投資以上のリターンが手に入る可能性はありますが、株式投資だけでも『そこそこのリターン』が期待できる以上、あえて大きなリスクを負う必要はないと考えています。
また、自分がいくらテクニカル分析を学んだところで、FXのセンスが皆無であれば、その時間は無駄となってします。
さらに(ちょっと厳しいことを書きますが、お許しください)
池辺さんがFXで巨額の利益を出したことは事実ですが、それをもって『儲ける方法がある』『それさえ見つければ勝てる』とは言い切れないと考えています。
ハッキリ書くと「ただ運が良かっただけでは?」とすら思っています。
幸運な人はそこら中にいる
例えば、あなたが「どうしてもジャンケンで勝ちたい」と考えていたとします。
そんな時、1万人のジャンケン大会で優勝した人に出会いました。
その人が「○○がジャンケンの必勝法だ!」と教えてくれたとして、
あなたはそれを信じられますか?
ただ「運が良かっただけだろ?」と思いませんか?
1万人に一人という圧倒的な勝者ではありますが、それが実力によるものなのかどうかは怪しいです。
同じことが投資にも言えるのかもしれません。
日本人投資家は1500万人前後いると言われています。
つまり、『1万人に1人レベルの幸運の持ち主』が1500人もいるわけです。
そして、世の中には投資で巨万の富を築き上げた人も多くいます。
しかし、その人々が『能力で儲けた』のか『運よく儲かった』のかを判断することはできません。
よって、(繰り返しになりますが)『自分で考えること』が投資において最も大切なことと言えそうです。
このブログを選び、読んで頂いて感謝します。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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