バンガードからこんなグラフが公開されていました。
これはバンガードによる「投資家の期待しているリターン」に関する調査結果で、
- 青線:今後10年間の期待リターン
- 黄線:今後 1年間の期待リターン
となっています。
■つねに長期リターンが高い
このグラフを見ていて、まっさきに感じたのは
「ほぼ全期間において長期期待リターンの方が高いんだなぁ…」
という点です。
これからは、
「近くにはなにかトラブルがあるかもしれない」
「それでも長期的には安心できる」
と多くの人が考えているのだと想像できます。
つまりは、
「長期的には知らんけど、いまこそ株式投資のチャアアアアアアンス!!!」
と考えている人が少ないということにもつながりますので、『わりと健全な市場である≒バブルではない』と受け取りました。
■長期期待リターンが右肩上がり
とはいえ、
- 長期期待リターンが右肩上がりである
という点には警戒心を抱きました。
上のグラフだけだとわかりづらいと思うので強調するとこんな感じで、
- 2010年代後半は、6.3~7.2%の期待リターンだった
- 2020年代に入ってからは7.0%を下回ることはマレで、2024年8月時点で7.9%まで上昇している
という状況にあります。
これは怖い。
個人的には、
- 不調期が続いていれば、これから好調期がやってくる
- 好調期が続いていれば、これから不調期がやってくる
という『市場リターンは平均回帰する』という考えを持っているわけですが、バンガードの調査結果からは、
- 好調期が続いているので、これからも好調期が続く
と考えている投資家が多いように感じます。
調子に乗ってるな。
もちろん『平均回帰する』という考えが必ずしも正しいわけではなく、
- 信用創造(借金によって流通するお金が増えるコト)が生まれる前は、ほとんど経済成長すらしていなかった
わけですから、
- 世界が変われば成長率≒投資リターンも変わる
ことは間違いありません。
わたしは『未来のことは分からない論者』なので、「期待リターンが変わるほどの変化は起きない!」と言うことはできませんが、それでも
- 「これからの期待リターンは大きくなっていく!」よりも「これからも期待リターンは大きく変わらない」と考える方が自然である
と考えています。
というのも、みんな大好きシーゲル教授が、
1802年以降、普通株のインフレ調整後のリターンは、期間を長期にとれば、どの時期も一貫して年率6.5%~7%のレンジを維持している。
という調査結果を公表している事実から
「200年間、株式リターンのレンジが維持されているのなら、よほどの変化がない限りリターンも変わらないんじゃないの」
と予想する方が楽だからです。
楽ではない道、つまり「ニューノーマルの到来だ!時代は変わった!」という主張もときおり聞こえてはくるものの、いまのところ株式リターンが大きく変わるような変化が起きているとは思えません。
繰り返しになりますが、未来のことを正確に予想することは難しいです。
これは、過去を参考にしたとことろで同様です。
しかし、『まったく分からない未来』よりも『過去から想像した未来』の方が、多少なりともまともな予想であると私は考えます。
というわけで、バンガードの調査結果からは、
「7年半ほどの調査でしかないとはいえ、投資家が調子に乗っていそうで、これはやだなー。」
と思うのでした。
しかし、だからと言って何かできるわけでもないので、
「投資家が調子に乗ってバブルが起き、その後暴落したらやだな~」
と考えながらも、たんたんと積み立て投資を続けるスパコンSEでした。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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