最終更新日:2020/12/25
ブルームバーグより商品ブーム再来か、景気回復とインフレ懸念で投資のトレンド逆転 との記事があったので、紹介&考察していきます。
その記事では
グレシャム・インベストメント・マネジメントのシニアリサーチストラテジスト、ロバート・ハウエル氏は
「ファンダメンタルズ面で新しい構造的な強気相場が始まる準備はできていると確信している」
と指摘。
「これから数年後、かなり多くの投資家が2020年を振り返り、商品の新たな強気相場の兆候をなぜ見逃したのか疑問に思う可能性は極めて高い」
と語った。
と、商品投資への強気のコメントを紹介しています。
実際に、各種商品先物(原油、金、アルミ、大豆など)の指数である、コモディティ・スポット・インデックスは、ここ数か月は以下グラフの通り急上昇しています。
このように商品投資への人気が上昇しているのは、『投資家がインフレを予想している』ことが要因の一つです。
それは、新型コロナ対策として各国が巨額の経済支援を実施していることから予想されており、
『ウォートンの魔術師』とも呼ばれるジェレミー・シーゲル氏も「2023年までは年利3~4%程度のインフレとなる」といった発言をしていたり、
ウォーレン・バフェット氏が『銀行株を売り、金鉱株を買った』ことからも、インフレ率が上昇する可能性が高いと考えられます。
しかし、筆者(ひょしおんぬ)は、商品投資にまったく魅力を感じておらず、今まで通り株式(の投資信託)への投資に全力を注いでいく予定です。
というのは、
- 商品価格の上昇(インフレ)は、株価の上昇にもつながる
- 買った商品が、持ち主のために働いてくれることはない
の2点から、商品投資が株式投資以上に魅力があるとは考えられないためです。
商品投資の魅力は少ない
前者の『インフレ=株価上昇』に関しては、インフレが起きれば、それに合わせて企業が販売する『商品の値段』が上昇し、『売り上げ』、『利益』もそれにつられて上昇し、結果として株価も上昇していくことが期待できることを指しています。
これは『株価が上がった分だけ、モノの値段も上がった』わけなので、『投資で儲かった』とは言いづらいところですが、それは商品先物への投資も同じことで、
『自分の資産”額”』が増えたことろで、商品の”値段”が上がれば、自分の資産”価値”は変わっていないことになります。
つまり、商品投資と株式投資は、インフレ時には『どっちもどっち』ということになります。
次に『商品は働いてくれない』ですが、
株式投資は『企業のオーナーになる』ことと同義であるため、株主になることで『自分(株主)のために労働してくれる人々』を手に入れることができます。
しかし、商品投資をしたところで、その商品が投資家の為に働いてくれることはありません。
その商品の人気が出れば価格が上昇するし、人気がなくなれば価格は下落するだけで、何も生み出してはいません。
よって、『商品投資への魅力は株式投資に劣る』という結論になるわけです。
そして、株式投資が商品投資に勝ることは、過去の実績からも証明されています。
過去200年の実績を確認
投資家にとってのバイブル的存在である、『株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド 著:ジェレミー・シーゲル』による200年以上にわたる超長期の分析によると、
1801年に1ドルを投資していた場合、2006年時点で
- 株式投資していた場合1270万ドルに増加
- 金(ゴールド)投資していた場合32ドル84セントに増加
とされており、商品投資の王様である金(ゴールド)と比較しても、株式投資の圧勝でることが判明しています。
参考記事:【要約】株式投資 長期投資で成功する為の完全ガイド
これは、上記で挙げた『投資によって労働力が付与されるかどうか』の差だといえます。
短期的に商品先物への投資が、株式投資のリターンを上回ることは珍しくありませんが、この事実を忘れずに、タンタンと株式投資を続けることが、個人投資家の利益を最大化する方法だと言えそうです。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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