最終更新日:2020/11/19
多くの人が悩むであろう『全世界の株式に分散投資のに適した投資信託は?』について考察していきます。
おおくの個人投資家にとって『最も無難な投資』ともいえる、『全世界の株式に分散する投資信託』ですが、多くの人は以下3つの商品のどれにするか、悩んだのではないでしょうか。
- 楽天・全世界株式インデックスファンド
- eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
- eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
正直に言って
「どの商品を選んでも大差ないし、今後どの投信がパフォーマンス良いかなんて分からんよ」
というのが本音ではあります。
とはいえ『3商品すべてを買う』という選択も美しくないので、本記事の中でパフォーマンスを比較し、『○○な人は○○を選ぶべし』について考察していきたいと思います。
最初に結論だけ書いておくと『やっぱり、どれを選んでも大して変わらない』となります。
よって『どの商品を選ぶか?』という問いに対しては、
- コスト(信託報酬)をどう受け止めるか
- 『除く日本』という選択は、投資先の選定にならないのか
という2点がポイントとなってきそうです。
また後半では、筆者(ひょしおんぬ)の選択も公開させてもらいますので、参考にしていただければ幸いです。
では、さっそく見ていきましょう。
<目次>
- 全世界株式の投資信託のパフォーマンスを比較
- 全世界株式の投資信託の信託報酬を比較
- 全世界株式の投資信託の特徴を比較
- リターンが悪くても納得できる投資先を選ぶべし
- どの商品を選ぶべきか
- まとめ:リターンの差に大差はないものの後悔のない選択を
全世界株式の投資信託のパフォーマンスを比較
商品の説明なんかはおいといて、まずはパフォーマンスを見てください。
※オールカントリーが販売された、18/10/31を100ポイントに統一してあります
予想通りですが、グラフで見て分かるほどの差はないですね。
細かく確認するために、11月中旬での成績(数値)を並べると、
- 122.80ポイント:eMAXIS Slim(日本除く)
- 122.01ポイント:eMAXIS Slim(オールカントリー)
- 120.61ポイント:楽天・全世界株式
となり、多少は差が出ていることが分かります。
なお、この順位はほぼ全期間を通して同じとなっています。
そして、『楽天・全世界株式』が比較的に出遅れてれているのには『信託報酬が高いから』という明確な理由がひとつあります。
全世界株式の投資信託の信託報酬を比較
3つの(実質)信託報酬を比較すると、
- 0.11%:eMAXIS Slim(日本除く)
- 0.11%:eMAXIS Slim(オールカントリー)
- 0.21%:楽天・全世界株式
と、『楽天・全世界株式』だけが抜けていることが分かります。
(とはいえ、十分に低いですが…)
この『0.1%の差』は
- 100万円投資していた場合、毎年1000円の差がつく
という、わりと『微々たる差』ではあるものの投資期間が長くなればなるほど、(複利の効果もあいまって)差は広がっていきます。
よって、『3つの投資信託の投資パフォーマンスに優劣が無い』という前提に立てば、
- 楽天・全世界株式を買うという選択肢は選びづらい
という結論になります。
とはいえ、3つの投資信託にはそれぞれ特長もありますので、簡単に見ていきましょう。
全世界株式の投資信託の特徴を比較
簡単に『投資先』についての特徴を書くと、
〇楽天・全世界株式
→ 全世界の大型・中型・小型株に投資
〇eMAXIS Slim(オールカントリー)
→ 全世界の大型・中型株に投資
〇eMAXIS Slim:全世界の大型・中型株に投資
→ 日本を除く全世界の大型・中型株に投資
※『…に投資』と書いていますが、実際は「…に投資しているのと同じリターンを目指す構成」です。
といった感じで、上から順に分散範囲が狭まっていきます。
よって「とにかく広域に分散したい!」という人は楽天・全世界株式を選ぶべき、という選び方になります。
とはいえ「でも、楽天・全世界株式は信託報酬が高いからヤダよ」という考えもあると思いますので、どのようにして選ぶべきか、筆者(ひょしおんぬ)の考え方を紹介させてもらおうと思います。
リターンが悪くても納得できる投資先を選ぶべし
その考え方は、
『自分の選んだ投信よりも、他の投信の方が高リターンだったとしても「しょうがないか」と納得できるかどうか』
になるかと思います。
具体的には『全世界株式 日本除く』に投資していたが、『全世界株式オールカントリー』の方が高成績だった際に、「くそー!」とならないかどうか、といった考え方です。
そこを考える上で重要なのが、以下のポイントです。
『全世界株式』への投資を考えているのであれば、あなたは『どこに投資すれば高いリターンが得られるのか分からない、と判断した(諦めた)人』ということかと思います。
で、あるのにも関わらず、例えばeMAXIS Slime の2商品から選ぶ場合、
- 『日本除く』を選ぶ=『日本のパフォーマンスは悪い』と判断した
と、『諦めたはずの『投資先を選ぶ』という手段をもちいた』ことになります。
そのように、自分の判断による投資をした結果、パフォーマンスが劣っていれば「諦めて投資していたはずなのに、何でこれを選んでしまったのやら…」と、メンタルにダメージを受けることが予想されます。
逆に『オールカントリー』を選んだ結果、パフォーマンスが劣っていたとしても「元より投資先を選ぶことを諦めているので、高いパフォーマンスが得られないのは予想通りだ」と、何のダメージも受けません。
そう考えると、『楽天・全世界株式が最善の選択』という結論が見えてきます、が、こいつは『信託報酬が高い』という大きな弱点があります。
うーむ…。
というわけで、最後に『筆者(ひょしおんぬ)はどうしたか』について書いていきます。
どの商品を選ぶべきか
筆者(ひょしおんぬ)の結論は、
- eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)一択
となりました。
それは、
- 信託報酬が高い楽天・全世界株式はなし
- 『日本を除く』という自分の判断を入れるべきではない
の2点からです。
『投資先』だけに焦点を当てると、圧倒的分散をしている『楽天・全世界株式』がもっとも魅力的ですが、いかんせん信託報酬が高いです…。
全世界株式への投資は、筆者(ひょしおんぬ)にとってメインの投資先となるため『数千万円の資産を預ける』ことになります。
信託報酬が『たった0.1%の差しかない』としても、毎年数万円ほど余分に信託報酬を支払うことになるため、見逃せる差ではありません。
また『日本除く』に関しては、確かに日本は『少子高齢化』『政府の財政不安』などから、『先行きが暗い』と考えることは可能ですが、そんな『分かり切った情報』を頼りに投資先を選ぶことは避けることにしました。
というわけで、eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)をメインの投資先の一つとして選んだわけです。
まとめ:リターンの差に大差はないものの後悔のない選択を
ここまで記事にさせてもらった通り、
- 楽天・全世界株式インデックスファンド
- eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
- eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
にリターンの差はほとんどないものの、それぞれが特徴を持った商品です。
どれが『正解』というわけではありませんが、自分の投資先のパフォーマンスがイマイチだった場合でも『後悔しない選択』をしましょう。
なお本記事では、『除く日本』は良いところ無し、のようになってしまいましたが、
- (優待目当てなどで)日本株に個別に投資している
- 日本円での貯金を多く持っている
- 日本の不動産を持っている
などから、「これ以上日本への投資比率を高めたくない」という判断のもと、『除く日本』を選ぶのはアリだと思います。
何にせよ、じっくり考えて『何があっても自分が納得できる投資先』を選ぶようにしましょう。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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