最終更新日:2020/7/10
S&P500は歴史的に見ても割高な状況にあります。
日本の個人投資家に人気で、世界一の投資家ウォーレン・バフェットも個人投資家に勧めるS&P500は、PERだけ見ると”割高”と言える状況にあります。
”優秀な指数”という理由があって人気があるわけですが、”人気がある投資先”はどうしても割高になってしまいます。
というわけで、本記事ではP&P500の過去のPERを確認しながら、現状を分析していきたいと思います。
<目次>
S&P500は割高?【過去からの推移、他の指標との比較を確認】
さっそくですが、過去のS&PのPERの推移を確認してみます。
2020年7月初旬のPERは22.4倍となっており、過去100年以上の実績と比較すると、(一部の突き抜けている時期を除いて)かなり高いPERとなっていることが分かります。
(グラフの全期間の平均PERはおよそ16倍です)
なお、アメリカ市場全体のPERはおよそ20倍で、日本はおよそ17倍となっています。
とはいえ、「そんな昔と比べて何になるんだ!」という意見もあるかと思いますので、過去のバブル(ITバブルや日本のバブル、不動産バブル(リーマンショックの原因))が弾けるまで多くの投資家が言っていた言葉を載せておきます。
「今回の高騰だけは、今までと違ってバブルではない」
皆がそう思うからバブルが発生するわけですね…。
S&P500が割高となっている理由について考察
冒頭でも書いた通り、S&P500への投資は、大きく人気を集めており、世界一の投資家ともいえるウォーレン・バフェットも、個人投下にはS&P500への投資を勧めているほどです。
しかし、人気が集まったことで、皆が買い求めることとなり、割高となってしまうのは当然です。
実際に、インデックス投資の元祖を自任するバートン・マルキールは著書:ウォール街のランダムウォーカーで、
「お勧めの指数を、S&P500からもっと広範囲に投資する指数に変えた」
と言っています。
その理由として、
指数に含まれている銘柄の入れ替えが行われる前後の指数の値動きを比較するとよくわかる。
~中略~
インデックスの対象に新しく選ばれた銘柄の採用後の値動きを見ると、それ以前に比べて(少なくとも短期間は)平均5%以上も値上がりする傾向があることが分かった。
と、調査結果を「ウォール街のランダムウォーカー」で述べています。
それもそのはずで、S&P500に投資している運用会社は、「S&P500に新たに採用された銘柄」 が生まれるタイミングで、その株を買う必要が出るため、値上がりの圧力が生まれるためです。
つまり「S&P500に採用されている」ということが理由で「S&P500に採用されている銘柄」は割高になっていると言えます。
S&P500が適正な価格まで下落することはあるのか?
というわけで、S&P500が比較的割高であること書いてきたわけですが、「じゃーいつか下落するってことかね?」と言われると、それは分かりません。
冒頭で載せたグラフの通り、直近20~30年は過去と比べて高いPERがつづいている傾向にあります。
それは、
「情報の伝達が高速・公平化され、皆が似たような情報を手に入れられるようになり、「投資で儲かる」と誰しもが理解できるようになり、個人投資家が気軽に投資できる環境が整った時代である以上、株価が割高になるのは当たり前。」
と、説明できないわけではありません。
この説明が正しければ、これ以降も「よりPERが高い値になっていく」ことが正常運転と言えるので、「現在の株価は割高ではなかった。むしろ割安だった」となります。
それでも繰り返し言っておきたいのは、過去のバブル期にも「今回だけは今までと違う」と言いながら、バブルの崩壊によって大ダメージを受けた投資家が多くいるという事実です。
いずれにせよ、「人気だから」という理由で投資をすることなく、自分の頭でしっかりと考え、納得したうえで投資するようにしたいものです。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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