最終更新日:2020/5/3
ウォーレン・バフェットが保有している全ての航空株を売却したと発表しました。
2020年5月2日にウォーレン・バフェットが代表を務めるバークシャー・ハサウェイの株主総会が開かれ、その中で「保有していた大手航空株4社の株式を全て売却した」と明らかにしました。
ウォーレン・バフェットの2020年株主総会での発言
新型コロナウィルスによる暴落の当初、ウォーレン・バフェットは大量に保有している航空株について「売らない」と明言していました。
またそれだけでなく、2月末にはデルタ航空株を買い増していました。
しかし、バークシャー・ハサウェイの2020年の株主総会にて、
新型コロナウィルスの影響がいつまで続くか分からない。
外出制限が人々に与える影響が分からない。
3,4年後に今までのように飛行機が使用されているかどうか分からない。
と弱気な発言とともに、バークシャー・ハサウェイが保有する全ての航空株を売却したことを明かしました。
また、「2月末のデルタ航空株の買い増し」についても「間違いだった」と明確に認めました。
さすがのウォーレン・バフェットにとっても、今回の新型コロナウィルスによるダメージを読むことはできなかったようです。
ただ、ウォーレン・バフェットは自分のことを「エアロホリック(航空株依存症)」と呼ぶこともあるくらい航空株には強い思いを持っており、その「思いの強さ」ゆえに航空株に手を出すタイミングを誤っただけの可能性もあります。
ウォーレン・バフェットは航空株依存症
ウォーレン・バフェットは航空株で過去にも失敗しています。
「1989-1998で保有していた(旧)USエアウェイズ」の投資について、失敗であったことを認めており「航空株には懲りた」と言っていました。
また、その際に
もしまた航空株を買いたくなったら、ある団体に電話して
「ウォーレンです。私はエアロホリック(航空株依存症)なんです。」
と言います。
そうすれば、その団体が航空株を買わないよう説得してくれるでしょう。
と、ユーモアを交えた発言すら残しているくらい、航空株への想いが強いようです。
また、質素な生活で知られるウォーレン・バフェットは、他社のジェット機購入を「無駄使い」と批判していた過去があります。
しかし、その後バークシャー・ハサウェイでも社有ジェット機を購入することとなり、そのジェット機の名を「言語道断号(THE INDEFENSIBLE)」と自虐交じりに名付けるなど、「航空機」に対する思いの強さからか、冷静な判断が出来なかった過去があります。
そのことからも、2020年の株主総会で発表した「全ての航空株の売却」は、感情に押された「気の迷い」であるかもしれません。
または「航空株を保有していたことそのもの」が「気の迷い」であったかもしれませんが…。
とはいえ、ウォーレン・バフェットはアメリカの今後の成長に関して弱気になっているわけではありません。
バークシャー・ハサウェイの手元資金は過去最大に
また、2020年の株主総会では、3月末時点のバークシャー・ハサウェイの手元資金が約15兆円と過去最大であることを明かしています。
とはいえ「お金の使いどころが無くて困っている」という訳ではありません。
以下記事にも書いた通り、バークシャー・ハサウェイは社債を発行してまでお金を集めています。
現時点では投資先に適合する企業が見つかっていないのかもしれませんが、これからそういった企業が出てくることを予想しており、それに向けて資金を調達・留保しているということです。
というもの、現時点では新型コロナウィルスにより世の中は悲観一色ですが、ウォーレン・バフェットは今後のアメリカ経済の成長には強い確信を持っている為です。
何があってもアメリカの成長は止まらない
2020年の株主総会でウォーレン・バフェットは「何があってもアメリカの成長は止まらない」との発言もしています。
それは、過去に何度もあったた危機的状況を乗り越えてきたことが根拠で、今回の危機も乗り越えられると、確信しているようです。
アメリカに限らず、全世界で危機的状況は幾度となく発生しており、リーマンショック時には「100年に一度の危機」や「2度と金融機関への信頼は戻らないのではないか」とまで言われましたが、それを乗り越えて大きく経済成長してきました。
とはいえ、ウォーレン・バフェットは同株主総会内で「世界は変わる」とも発言しており、今まで通りの戦略で投資することは危険だと考えられます。
新型コロナウィルス後の戦略
今まで航空業界や鉄道業界は比較的安定した業界だとみなされていましたが、新型コロナウィルスを機にそれが大きく変わる可能性があります。
具体的には、テレワークなどが広がることによって、人々の移動が減り航空業界や鉄道業界は衰退することになるかもしれません。
また、広いオフィスも不要となることからビジネス街の不動産も暴落するかもしれません。
実際に、2020年のバークシャー・ハサウェイの株主総会も「オンライン中継」で行われています。
そのことにより、株主総会の会場があるオマハが期待していた「4万人もの株主総会の出席者」が来場せず、オマハのホテルやレストランは予想していた収益が得られないこととなりました。
とはいえ、「衰退する業界がある」ということは「発展する業界がある」ということでもあります。
実際に、テレワークが増えることによって、マイクロソフトは2020年の1-3月期の純利益は「前年同月比22%アップ」と、過去最高を更新しています。
他にも、自宅勤務が当たり前になれば、住宅地の地価が上がることになるかもしれません。
上記に挙げた例は当然すぎる事象なので参考にはなりませんが、「多くの投資家が見逃している、今後発展する企業(業界)」を、いま見つけることが出来れば、大きな利益を手に入れることができそうです。
まとめ:ウォーレン・バフェットですら失敗する事態ではあるが未来は明るい
ここまで記事にさせてもらった通り、2020年のバークシャー・ハサウェイの株主総会で、ウォーレン・バフェットから「全ての航空株を売った」という衝撃の発言が飛び出ました。
しかし、それを受けて「未来は暗い」と考える必要は全くなく、過去の歴史同様に今回の危機(新型コロナウィルス)も乗り越え、世界経済は今後も発展を続けていくと考えられます。
ただし、ウォーレン・バフェットの「世界は変わる」との発言通り、これから「勝者となる業界」「敗者となる業界」が出てくるであろうことが予想されます。
一般投資家には「航空株が暴落した!逆張りチャンス!」と早まった判断をすることなく、冷静に行動していくことが求められます。
ただし「勝者となる企業」を誰よりも早く見つけることが出来れば、「大きなリターンを手に入れられる」という、夢の持てる時期でもあります。
インデックス投資家も、たまにはそういった賭けに出ても面白いかもしれませんね。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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