『いま、現金は株式よりも魅力的(Cash is Now More Attractive Than Stocks)』的な記事が面白かったのでご紹介。
MMFの資金流入
『現金』といってもMMF(安全性の高い債券などで運用するファンド)のことですが、なんと直近1年以内に1兆ドルもの資金流入があり、過去最高の6兆ドルもの資金があつまっています。
FF金利の推移
この要因は言わずもがな、米国のFF金利が23年ぶりの高金利にまで急上昇してきたことで、MMFの魅力が増したことにあります。
インフレ率 vs FF金利
過去を見ている限り、『FF金利はインフレ率よりも低くなる』という状況が一般的です。
よって、
「インフレ率以下のリターンをもたらさないMMFは、投資先としての魅力が小さい」
と考えられています。
しかし、以下グラフからも分かる通り、現在のFF金利はインフレ率を2%ほど上回っており、『魅力的な投資先』として浮上しています。
MMF vs S&P500
『MMFに資金を集める』ということの裏には『株式市場から資金を引きあげる』という行為が起きていることが往々にしてあります。
反対に、『MMFから資金が撤退する』ことが『株式市場に資金が集まる』ことにつながることもあります。
下のグラフは
- 赤線:S&P500
- 青線:MMF
を表しており、03~09年、09~15年という『MMFが低調な時期』に、S&P500が大きく成長していることが分かります。
現在積みあがっている巨額のMMF市場から、株式市場への資金流入が起きれば、株式市場にとっては大きなプラスになることが予想されます。
だが低い株式益利回り
ただ、03~09年、09~15年に『MMF⇒株式市場への資金流入によるS&P500の上昇』は確かにあったものの、今回も同様の動きが起きるとは限りません。
2003年、2009年時には、株式益利回り(PERの逆数)が大きく上昇していた(株式が割安だった)ため『株式投資に大きな魅力があった』わけですが、
現時点での株式益利回りは3.5%ほどと、比較的に低い値(株式が割高)となっています。
よって、
「MMFが大きく膨らんだから、次は株式市場が大きく伸びる」
と楽観的に考えることはできません。
まとめ
と言った感じで、『いま、現金は株式よりも魅力的(Cash is Now More Attractive Than Stocks)』を紹介させてもらいました。
現在は、高金利によってMMFがかなり魅力的に見えます。
近い将来くるであろう『金利の低下』によって、株式市場への資金流入が起きるかもしれません。
しかし、株式が割高な状況であることから、それは起きないかもしれません。
残念ながら未来を予想することはできません。
わたしも正直にいって、最近の株価の高騰により、
「株式の一部を安全資産に移そうかなぁ…」
なんて思うこともあります。
株式のように価格変動の激しい資産にはリスクプレミアムがありますが、MMFのような比較的に安全資産にはそれがありません。
よって、
- 短期的には無リスク資産への移行が成功するかもしれないが、長期的には株式投資の方がすぐれたリターンをもたらす
という基本を思い返しつつ、
「コロコロと投資先を乗り換えるべきではない」
というルールを守る必要があります。
よって、MMFのように魅力的な投資先があったとしても、これまで通り株式100%でいこうと思います。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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