最終更新日:2020/12/29
新型コロナ対策として、各国が大きな財政支出・金融支援を続けており、全世界の支出額合計が13兆ドルにも上っています。
この金額は、第2次世界大戦時の政府債務を超えるほど巨額で、今後さらに大きくなっていくことも予想されています。
借金は返さないといけないのと同様に、拡大した政府債務は縮小(返済)させねばならず、そのためにも『緩やかなインフレ』を継続させることは重要です。
実際にFRBは『2%を超えるインフレ』を目標としています。
しかし、そう上手くいくのでしょうか?
ここ10年ほどのアメリカのインフレ率を確認すると、おそよ2%前後で推移しており、比較的目標に近い値となってはいるものの、
2018年までFRB議長を務めていたジャネット・イエレンは、2017年時点で低インフレに対して「ミステリー」という言葉を使って、インフレ率のコントロールの難しさを表しました。
(ちなみに、そのイエレン氏はバイデン大統領の元で財務長官になる予定です)
※出典元:世界経済のネタ帳
というのも、当時アメリカは1.00~1.25%という低い金利を維持していたわけですが、過去と比べて比較的低いインフレ率となっていたからです。
つまり、過去の『金利を下げればインフレになるよ』が通用しずらくなってきているわけです。
その原因として考えられるのが、以下3つ変化です。
- エネルギー価格の下落
- インターネットの発達による商品価格の下落
- 生産自動化によるサービス業の増加
簡単に解説していきます。
エネルギー価格の下落がインフレを阻害
米シェール革命によって、エネルギー資源が『安価』に『大量』に入手できるようになり、2010年前後は高止まりしていた原油価格が大きく下落しました。
エネルギー資源の価格は、生産コストや輸送コストなど、多くのコストに関わっているため、エネルギー価格下落によって、商品の値段も下がることとなりました。
また、再生可能エネルギーの進歩によって、エネルギー生産効率が上昇し、今までより安価なエネルギーが入手できるようになっている、という点もあります。
インターネットの発達によるデフレ
インターネットの発展によって、
- ネットでの買い物が普及し、実店舗が不要となった
- インターネットバンクの発展により銀行窓口が不要となった
といったことが起こり、今まで必要だった『店舗の維持費』や『人件費』が不要となり、各種製品が値下がりすることとなりました。
筆者(ひょしおんぬ)は、楽天市場を活用して買い物をしていますが、
- お米
- ビール
- オムツ
- 本
- 化粧品
といった日用品が、実店舗より圧倒的に安く手に入るようになっていることからも実感しています。
生産自動化によるサービス業の増加
また、機械やAIの発展によって、自動車等の製造が自動化されることになり、製造に従事していた人々が減少しています。
また、先進国の多くで少子高齢化が進んでいるため、老人介護などのサービス業に従事する人々が増えています。
製造業に比べ、サービス業の所得は低い傾向にあるため、低所得者の数が増加することとなり、消費がなかなか増えない状況にあります。
この問題は、AIの発展によってますます加速していくと考えられますので、高い所得が得られる代替職が見つからない限り、厳しい状況が続くと予想されます。
とはいえ、これまでも生産性は上がり続けてきた
と、ここまで
- インフレは起きないんじゃない?
- 結果として、国の借金が減らずにやばいんじゃない?
の方向で書いてきましたが、筆者(ひょしおんぬ)は、それほど悲観視していません。
というのも、ここまで挙げた『技術の進歩によるコストダウン』は、数百年間ずっと続いているわけですが、世界経済はちゃくちゃくと発展し続けているからです。
数十年前に大きく進んだ『製造ラインの機械化』によって、製造従事者はかなり減少したかと思いますが、今では、代わりに数十年前には存在すらしていなかった『IT業界』が台頭し、そこに高所得者が多く集まっています。
よって、これからもAIや機械に職を奪われる人が増えたとしても、何らかの職業が生まれ、”のらりくらり”と経済発展していくと信じています。
逆に言うと、AIや機械に職を奪われた末に「いまさら新しい仕事なんてできんよ…」と、誰にでもできるような職を選んでしまっては、低所得層に落ちてしまうことも予想できます。
よって、常に世間に目を向け、変化を受け入れ、新しいことにチャレンジしていくことが大切だと言えそうです。
インデックス投資は『余計なことをせずにコツコツ継続』することが重要であるため、インデックス投資家は、頭が固くなってしまいがちですが、
人生においては『一つに固執せず、色々とチャレンジすること』が大切だというのが面白いですね。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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