最終更新日:2020/5/30
楽天バンガード・ファンドの成績を比較します。
対象は、VT・VTI・VWO・VYMへ投資する4つの投資信託です。
楽天バンガード・ファンドとは、世界最大規模の資産運用グループであるバンガード社のETFに気軽に投資できる投資信託です。
代表的な商品としては、
- 楽天・全世界株式インデックスファンド(VT)
- 楽天・全米株式インデックスファンド(VTI)
- 楽天・新興国株式インデックスファンド(VWO)
- 楽天・米国高配当株式インデックスファンド(VYM)
などがあります。
本記事では、上記4つの投資信託の成績を比較・分析していきたいと思います。
【投資信託】楽天バンガード・ファンドを比較してみる(VT・VTI・VWO・VYM)
ETFへの投資で効率よく資産を最大化しようと思うと、
- (投資信託に比べ)まとまったお金が必要
- 分配金の再投資が必要
- 分配金の受け取り時に税金が引かれる
といったデメリットが存在していますが、楽天バンガード・ファンドの投資信託へ投資することで、上記デメリットを解消できます。
また、楽天サービスを使用している方であれば、「楽天ポイント」を投資信託の購入に使用することもできるので、「ポイントが有効活用できる」といったメリットもあります。
と、前置きは以上にして、実際に比較していきます。
比較対象の期間は、4つの投資信託が出そろった2018年1月~です。
2018年1月~の楽天バンガード・ファンドの成績を比較
さっそく、グラフで各ファンドの成績を比較します。
2018年1月時点を100ポイントとしています。
2020年5月25日時点の成績を成績順に並べると、
- 105.2% : 全米株式インデックスファンド(VTI)
- 92.7% : 全世界株式インデックスファンド(VT)
- 90.4% : 米国高配当株式インデックスファンド(VYM)
- 78.2% : 新興国株式インデックスファンド(VWO)
となり、全米株式(VTI)の圧勝、新興国株式(VWO)の大敗となりました。
個人的に「おもしろいな」と思ったのは、
「全米株式(VTI)は好成績なのに、米国高配当(VYM)はいまいち」
な点です。
同じ「アメリカ企業への投資」であるのにも関わらず、これだけ成績に差が出たのには驚きです。
(どちらも分配金は無し(配当金は自動で再投資)です)
米国高配当株式(VYM)の成績が低迷している理由を考察
その理由は「ここ数年は世界経済が順調に発展し続けていたため、企業の利益を事業に再投資した方が効率が良かったため」だと考えられます。
「配当金が多い」ということは、「企業が上げた利益を株主に返還している」わけで「利益を事業拡大の為に使っていない」ことになります。
よって、昨今のように経済が順調な時は「事業拡大が成功し、企業価値が向上しやすい」ため、「企業の利益を事業に再投資した企業」の株価が上がりやすいと考えられます。
つまり、
- 高配当株:好景気に株価が向上しづらい
- 低配当株:好景気に株価が向上する
と、言えそうです。
ということは、新型コロナウィルスによって「経済成長が低迷する」と予想される今度は、高配当株に有利な時代が到来するのかもしれません。
とはいえ、将来を予想することは困難であるため、参考に「新型コロナウィルスによる暴落前後」だけを切り取って比較してみます。
新型コロナウィルス前後の楽天バンガードを比較
というわけで、2020年2月初を100ポイントとしてグラフを掲載します。
結果は、
- 91.3% : 全米株式インデックスファンド(VTI)
- 88.8% : 全世界株式インデックスファンド(VT)
- 88.0% : 新興国株式インデックスファンド(VWO)
- 84.9% : 米国高配当株式インデックスファンド(VYM)
と、米国高配当株式(VYM)にとって悲惨な結果となりました。
新興国株式(VWO)にすら負けようとは…。
にしても、全米株式(VTI)は強いなぁ…。
ということで、今度は全米株式(VTI)の強さをちょっとばかし分析してみます。
全米株式(VTI)はGAFAMがけん引役
全紅株式(VTI)を分析するうえで欠かせないの「GAFAM」の存在です。
「GAFAM」とは、以下5社のことでVTIの構成比率が
- 4.8% :マイクロソフト
- 4.1% :アップル
- 3.7% :アマゾン
- 1.7% :フェイスブック
- 1.4% :アルファベット(google)
と、合計で15.7%も占めています。
全米株式(VTI)には、約3600社もの企業が属しているというのに…。
以下記事にもまとめさせてもらった通り、全米株式(VTI)が好調なのは、GAFAMが絶好調であることが理由の一つです。
つまり、「GAFAMの成長が鈍る」ことになれば全米株式(VTI)の成績が大きく落ちることになります。
GAFAMの株価は、かなりの「割高」となっており、今後もその「割高」が市場に許され続くかどうかは分かりません。
よって、「GAFAM」や「IT産業そのもの」に、「期待できない」と自信を持って判断できる方は、全米株式(VTI)への投資は避けた方が無難です。
(ひょしおんぬには出来ませんが…)
まとめ:全米株式(VTI)は強いが、アメリカ株全てが強いわけではない
ここまで記事にさせてもらった通り、4つの楽天バンガード・ファンドは、
- 105.2% : 全米株式インデックスファンド(VTI)
- 92.7% : 全世界株式インデックスファンド(VT)
- 90.4% : 米国高配当株式インデックスファンド(VYM)
- 78.2% : 新興国株式インデックスファンド(VWO)
の順の成績となっています。
さっこんでは、「アメリカ株ブーム」が来ているように見受けられますが、「アメリカ株であればどの企業も好成績」ではありません。
むしろ「比較的に安定して利益が出ると思われている高配当株式(VTM)」は、いまいちな成績となっています。
ちまたに出回っている「アメリカ株が最強!」という言葉だけに惑わされることなく、実際の数値を見た上で判断していくことが、投資で好成績を収めるためのポイントのひとつと言えそうです。
世界一の投資家と言えるウォーレン・バフェットもこう言っています。
「何故自分は○○という投資をするのか」という小論文を書けないようなら、止めた方がいい
小論文に「ネット上に”お勧め”って書いてあったから」と書くことがないように、自分の頭でしっかりと考えましょう。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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