1月24日にバンガードから『バンガードにはビットコインETFはないのですか？（No bitcoin ETFs at Vanguard? Here's why）』といった記事がでていましたので紹介します。
アメリカではビットコインETFが承認され、1月11日から取引が開始しています。
しかし、世界最大規模の資産運用会社であるバンガードはビットコインETFを取り扱っていません。
そこで、『バンガードにはビットコインETFはないのですか？』といった問いが投げかけられているわけです。
この問いには、ETF Capital Markets and Broker & Index RelationsのグローバルヘッドであるJanel Jackson氏が下のように答えています。
In Vanguard’s view, crypto is more of a speculation than an investment. This is at the root of our decision to not offer crypto products, whether our own or others. With equities, you own a share of a company that produces goods or services, and many also pay dividends. With bonds, you get a stream of interest payments. Commodities are real assets that meet consumption needs, have inflation-hedging properties, and can play a role in certain portfolios. While crypto has been classified as a commodity, it’s an immature asset class that has little history, no inherent economic value, no cash flow, and can create havoc within a portfolio.
まとめると、
- 暗号は投資というより投機であり、これが暗号資産を提供しないという決定の根底にある。
- 株式は、商品やサービスを生産する企業の株式を所有し、その多くは配当も支払う。
- 債券の場合は、利息が支払われる。
- コモディティは実物資産であり、インフレヘッジの特性を持つ。
- しかし、暗号資産は歴史が浅く、固有の経済価値もキャッシュフローもない未熟な資産クラスであり、ポートフォリオに大混乱をもたらす可能性がある。
といった感じになります。
ごもっとも。
バンガードに期待している投資家の多くは『長期のバインアンドホールド戦略を採用する投資家』であり、バンガードは『ビットコインETFは長期投資に適していない』と判断しているようです。
また、Brokerage & InvestmentsのヘッドであるAndrew Kadjeski氏は、下のように言っています。
Over just the past three years, the price of bitcoin has increased by as much as 150% and declined by as much as 77%. Double-digit percent price drops are routine among cryptocurrencies. Remember that you need a 100% return just to make up for a 50% decline. And the more volatile an asset, the more tempting it is to trade. At Vanguard, our products and services are designed with the goal to help investors save more, trade less, and take a long-term approach—not chase trends and churn their portfolios.
まとめると、
- ビットコインの価格は、過去3年間だけで、最大150%上昇し、最大77%下落した。
- 変動が大きい資産はトレード対象として魅力的に見える。
- しかし、バンガードのサービスは、投資家がトレンドを追いかけたり頻繁にポートフォリオを変更させるためのものではなく、『より多くの資産を』『少ない取引で』『長期的に運用する』ことをサポートするためのものである。
とのことです。
すばらしい。
ビットコインが誕生してからたった15年ほど経ちました。
しかし、現時点でも値動きもが激しく、通貨としての役割はほとんど果たせていないまま、ただの投機商品となってしまっています。
それでも、もしかしたら、将来的にはビットコインが当たり前の投資先となる可能性もあります。
しかし、残念がら現時点では『ビットコインは長期投資するに値しない資産』とバンガードは判断しているようです。
宝くじ感覚で「当たればラッキー！」と仮想通貨へ投資することに問題はありませんが、「資産形成のため」として投資するのはまだ早計であると言えそうですね。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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