たまに、
「世界人口が減りだしても、全世界株式への投資を続けるんですか?」
といった質問をされるので、
「しますよ」
と回答しています。
んで、せっかくなので、『世界人口が減ったら、株式はどうなるのか?』という私の考えを書いておこうと思います。
人口が減る前の状況
まず、現在がこんな状況にあるとします。
- 全世界には10社の企業がある
- すべての企業が年に一度だけ取引をしている
- その一度の取り引きでは、すべての企業が800円(全経費を含む)で作った商品を1,000円で売っている
としたときに、全世界株式目線で見ると
- 全企業の売上を合計すると10,000円となり、利益は2,000円となる。
んで、この状況において
- すべての企業の配当性向は50%である
- 私は10社の株を100%保有している
とすれば、
- 1年間の私の儲けは1,000円(利益2,000 x 配当性向50%)となる
ということになり、ただ『株主である』というだけで、何もせずとも1,000円を手に入れることができます。
「株主でよかった!!」
人口が減った後の状況
んで、人口減少に伴い世界には企業数は減少したものの、各社の条件は人口減少前と同じく
- 全世界には5社の企業がある
- すべての企業が年に一度だけ取引をしている
- その一度の取り引きでは、すべての企業が800円(全経費を含む)で作った商品を1,000円で売っている
としたときに、全世界株式目線で見ると
- 全企業の売上を合計すると5,000円となり、利益は1,000円となる。
んで、この状況において
- すべての企業の配当性向は50%である
- 私は10社の株を100%保有している
という同じ条件を付ければ、
- 1年間の私の儲けは500円(利益1,000 x 配当性向50%)となる
ということになり、ただ『株主である』というだけで、何もせずとも500円を手に入れることができます。
世界に10社あった時に比べて儲けは半減しましたが、
「人口は減少したけど、株主であり続けてよかった!!」
と叫ぶことができます。
とはいえ、問題があって…
と、まぁ『ある瞬間だけを切り取った考え』であれば、「株式投資を続けるよ」というコトができるわけですが、問題は
- 株価は将来を見越した価格となっている
- よって『これからも利益が増えていく』という前提がくずれると株価が下がる
という点です。
よって、
- 人口の減少が確かなものとなり『人口が減っていく=利益も減っていく』という状況になれば、『将来性がない』という判断によって株式は売られ、株価が下がっていくことになる
と考えられ、
- 世界人口が減少し続ければ、株価は下がり続ける
なんてことになるかもしれません。
ざっくり言って株式を魅力的なモノにしているものには
- 『いま』企業があげた利益の一部を受け取ることができる
- 『今後』企業が成長していくことで利益(株価)が大きくなることが期待できる
の2要素があります。
前者に関しては状況がどうあれ魅力的なモノですが、
後者に関しては『世界人口減少』によって魅力を失ってしまうかもしれません(人口が減ったからと言って企業の利益が減るとは限りませんが)
このバランスがどうなるかが重要で
- 人口が減る速度
- 株価が何年先を織り込んだ価格となっているか
あたりがそのバランスを左右する要素となりそうです。
「人口が減少したらどうなるか?」を想像するためには、『人口衰退時の過去の実績』が必要ですが、残念ながらそんなものはありません。
しかし『衰退している業界』はすでにあるわけなので、『衰退しつつある企業の株価』あたりが参考になるかもしれませんね。
とはいえ、それでも私は、
- 人口が少なくなったとて、企業の利益がなくなるわけではない
- 株主というのは、企業の利益をかすめ取る存在である
ということに変わりはないため、
- 世界人口が減っても株式投資を続けるべし
なんてことを考えているわけです。
ただ、『世界人口減少』はいまだかつで起きたことのない事象であるため、この考えに自信を持つことは難しいです。
よって、『世界人口減少を織り込んだ下落』が始まったときに、『株式投資への信仰心』を試されることになりそうです。
もちろん、複雑怪奇な経済をこんなカンタンに表現できるわけもありませんし、経済のプロでもないただのサラリーマンのたわごとでしかありませんが、一つの考え方として参考になれば幸いです。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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