最終更新日:2020/12/15
連日のように日本株・アメリカ株の好調さが報道されていますが、どのような推移をたどってきているのか比較・確認したいと思います。
また、あまり株価について報道されていない新興国の代表として、中国も比較していきます。
比較対象は、以下に並べる『国を代表する企業で構成されている指数』を採用した、日本のETFとします(為替の影響も反映されます)
- S&P500(アメリカ株)
- NASDAQ100(アメリカのハイテク大手)
- 日経225(日本株)
- CSI300(中国株:愛称は上場パンダ)
※NASDAQ100は記事の後半で評価
ニュース等を見ているだけでは、どこがどの程度好調なのかまで明確に知ることはできないため、本記事の中では実際の数値を見ながら、比較・考察していきたいと思います。
<目次>
アメリカ株vs日本株vs中国株
最初に結論を書いてしまうと、
- 中国株(CSI300)の圧勝、アメリカ(S&P500)はイマイチ
となっていました。
具体的にはこんな感じ。
※暴落のあった2月25日を100ポイントで統一しています。
成績順に並べると以下の通りです。
- 中国 :133.0ポイント
- 日本 :117.6ポイント
- アメリカ:104.5ポイント
話題に挙げられることの少ない中国株ですが、実際はかなりの好成績となっており、とくに7月以降には大きく成績を伸ばしてきています。
中国は、新型コロナの鎮静化に成功しており(したことになっており)、経済面でもいち早く回復してきています(してきていることになっています)
それによって、株価も順調に推移しているわけです。
また、まさかの『アメリカ株(S&P500)が最下位という結果は、非常に面白いですね。
新型コロナ目線で言うと、もっとも感染拡大しているアメリカの成績が振るわないのは当然ですが、報道を見ている限りでは予想ができない結果です。
では、続いて絶好調というイメージのある米ハイテク大手(NASDAQ100)も比較していきたいと思います。
米ハイテク大手と中国株の推移を比較
以下グラフは、コロナによる暴落(2月25日)からの推移を比較します。
結果は、
- 中国 :133.0ポイント
- 米ハイテク大手:121.8ポイント
- 日本 :117.6ポイント
- アメリカ :104.5ポイント
と、『大人気で絶好調だと思われている米ハイテク大手(NASDAQ100)』は、
- 中国株より大きくおとっている
- 日本株とさほど変わらない
結果となりました。
米ハイテク銘柄が絶好調であることは、連日ニュース等で取り上げられており、誰もが知るところにあったかと思いますが、中国株がそれを超える成績だったことを知っている人は少ないでしょう。
(SNSでも「中国に投資してるよ」なんて声は、ほとんど聞かない…)
この結果を見ると、「中国株に投資しよう!」と思う方もいるかもしれませんが、それでいいのか、過去の暴落『リーマンショック』の推移を参考に考察していきたいと思います。
リーマンショック時の値動きを確認
リーマンショック時も、世界経済にさきがけ、新興国の経済がまっさきに立ち直りました。
それによって、株価も以下のように新興国がリードする展開となりました。
その後も、中国をはじめとする新興国は急成長を続けていき、2020年時点では以下の状況となっています。
…と、新興国株は順調に上昇していると思いきや、見事に低成長でした。
繰り返しになりますが、
- リーマンショックからいち早く復帰
- その後も高い経済成長率をキープ
していたわけですが、株価は残念すぎる推移となっています。
その原因は
- 新興国が大きく経済成長することは誰もが知っていたから
で、予想通りに成長したところで、株価上昇にはつながらなかったわけです。
(成長することは織り込み済みで、既に割高な株価となっていた)
これは、現状にも当てはまることで、
- コロナショックから中国がいち早く回復
- 今後も中国は高い成長率が続く
ことは多くの人が理解しているため、上記”だけ”を理由として株価が(他の地域以上に)上がり続けることはありません。
なお、だからといって「中国株に投資するな!」と言うつもりはありません。
中国株への投資で報われるどうかのポイントは、『市場の予想を超える成長をするか』であるため、『中国が、投資家の予想以上に成長する根拠』を持っているのであれば、積極的に中国への投資をすることをおススメします。
まとめ:自分の目で状況を見よう
ここまで記事にさせてもらった通り、新型コロナによる暴落以降は、
- 中国株が絶好調
- 日本株は米ハイテク大手なみに好調
- アメリカ全体は、比較的イマイチ
という状況にあります。
これらは、漫然とニュースを見ているだけでは把握できないものであるため、自ら進んで情報取集することの大切さがよく分かります。
特に、日本に住んでいる投資家は、日本に関する報道ばかりを目にし、とくに
- 日本で新型コロナが大流行している
- 新型コロナの影響で自殺者や倒産する企業が多くでている
- 冬のボーナスを減額する企業が多くある
といった、マイナスのニュースばかりが耳に入り、「絶好調なアメリカに比べて日本はダメだ」と考えてしまいがちですが、実際はそうではありません。
世に出ているニュースは『いかに人の目を引くか』で価値が決まってくるため、「ニュースから仕入れた情報が全てだ」と勘違いすることなく、幅広い意見を取り入れる努力を続けることが、個人投資家のリターンを高めるために大切な方法と言えそうです。
また、本記事の情報も妄信することがないよう注意してください。
例えば、前述した『新型コロナによる暴落以降の推移』を『年初来の株価の推移』と並べると、
となり、『中国株』『米ハイテク大手』の順位が入れ替わります。
こういったグラフは、切り取る期間を調整することによって、作成者の意図に合う姿に簡単にかえられます。
提供・公開されている情報をうのみにすることがないよう注意しましょう。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
------------
ツイッターでは記事の公開を通知したり、投資に関係する記事を取り上げたりしています。よろしければフォローをお願いします!
本記事が少しでも良かったと思って頂けたら、以下バナーを1日1回クリック頂けると嬉しいです。よろしくお願いします!
関連記事