最終更新日:2020/7/28
「自動売買ツールで儲けています!」という話を聞く機会がありますが、本当にそんなことが可能なのでしょうか?
「そんな簡単に儲けられるはずない」と思いつつも、「簡単に儲けられるならばそうしたい」と思うのは自然なことかと思いますので、本記事では自動売買ツールについて考察してみたいと思います。
<目次>
投資の自動売買ツールで楽して儲けよう
先に結論を書いてしまうと、
「基本的には自動売買ツールでは儲けられません」
となります。
「基本的には」というところがポイントです。
多くの自動売買ツールでは、
- ○○が発生したら売り
- ○○が発生したら買い
と事前に”売買のルール”を設定しておくことで、自動的に売買をしてくれます。
そして、その”売買のルール”は、過去の値動きを分析して設定するパターンがほとんどなので、その分析結果が正しければ利益が出る可能性があるわけです。
しかし、そこらへんの個人投資家の過去分析が正しい内容となるかどうかは、疑問が残ります。
過去分析はプロ投資家達がさんざん行っている
というのも過去分析は、”優秀なプロ投資家たち”や”経済学者たち”がさんざん行ってきており、それでも未来の値動きは読めていないのが実状です。
よって、自動売買ツールで利益を上げようと思うと、”優秀なプロ投資家たち”や”経済学者たち”を超える分析を行い、その結果をツールに設定する必要があります。
個人投資家にできそうですか?
中には、”優秀なプロ投資家たち”や”経済学者たち”が気付いていないような「儲けられる売買のルール」を見つけられる人もいるかもしれませんが、その過去分析の結果がこれからも通用するかどうかは別の問題です。
過去の値動きが、未来にも発生するとは限らない
多くのプロ投資家達が過去の値動きを分析しているのにも関わらず、市場平均を超えるリターンを得られていません。
過去には、ノーベル経済学賞の受賞者らを集めて「過去の値動きを分析、投資で儲かる方法を予測」したうえで、コンピュータ運用をしたにも関わらず、破綻したファンドも存在しています。
※以下記事を参照
これらから学べることは、「”過去の値動き”が”将来の値動き予想”には通用しない」ということです。
もし、「”過去の値動き”から”将来の値動き予想”ができる」のであれば、超優秀なプロ投資家達が見逃すはずがありません。
で、あるのにも関わらず、多くのプロ投資達の成績は市場平均を超えられていないことは証明されています。
※その結果を分かりやすく説明しているのが「敗者のゲーム」です。
それもそのはずで、時代は常に変化しており、
- 1960年代までは個人投資家が90%だったが、現在はプロ投資家が90%
- インターネットの発展によって、情報の伝達が高速化
- AIの登場によって、取引が自動化&常に進化
と、投資市場の環境は移り変わっています。
特に昨今では、「世界の金融センター」として有名な”ウォール街”でも、AIによる取引が増加しており、投資の世界が激変しつつあります。
既に超高性能AIが売買している
既にウォール街では、超高速なコンピュータが、超高速なネットワークを介して市場に介入してきています。
個人投資家が使用しているレベルの自動売買ツールで、ウォール街のコンピュータ達に勝利することはできるのでしょうか?
残念ながら無理でしょう。
「企業の将来を予想した投資」ならまだしも、「過去の値動きから、将来を機械的に予想する投資」では、どう考えても勝てる気がしません。
よって、
- 個人投資家が手に入れられるレベルの情報
- 個人投資家が手に入れられるレベルのツール
で、市場を勝ち抜いていくことは困難と言わざるをえません。
まとめ:自動売買で儲けるのは楽ではない
ここまで記事にさせてもらった通り、「自動売買ツールで儲けるのは難しい」と言えます。
自動売買ツールに設定する「儲ける為のルール」は、多くのプロ投資家達も追い求めています。
プロ投資家の取引が9割を超える市場で”儲けよう”と思うと、そのプロ投資家達を超える分析が必要になります。
それを個人投資家が追い求めるのは無謀と言わざるを得ません。
とはいえ、短期的な売買は”半丁ばくち”と同じで「半分の可能性で買って、半分の可能性で負ける」ものであるため、”運が良ければ”大きな利益を手に入れられる可能性はあり、実際に大きく儲けている人もいるでしょう。
しかしそれは、”ただのギャンブル”であり、それが長きにわたって通用する可能性は非常に低いです。
個人投資家は、世の甘い誘惑に惑わされないよう、物事の真の姿を見極めるよう冷静に行動していく必要があります。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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