最終更新日:2020/7/17
2020年の1月~6月期のFXの取引額が過去最高を更新した、という記事があったので取り上げます。
1~6月、FX取引額が過去最高 コロナ禍で売買活発 :日本経済新聞
今までの最高額は、
- 3025兆円(2015年1月~6月)
でしたが、今期は
- 3231兆円(2020年1月~6月)
と大きく更新してきました。
背景には、
新型コロナウィルスの感染拡大に端を発した金融市場の子ランで為替相場の値幅が大きくなり、収益機会ととらえた個人が多かった。
と記事にはあり、
- 値動きが大きい=チャンス
と受け取る「ギャンブル的投資(投機)を好む個人投資家」が、日本には多いということが分かります。
2020年1~6月期のFXの取引額が過去最高に到達
FXは取引手数料を考慮すると「半数以上が敗者となる”マイナスサムゲーム”」です。
「FXで儲けた人がいる」ということは、同額だけ「FXで損をした人がいる」となります。
すなわち、FXは「トレーダーの半分が勝って半分が負ける”ゼロサムゲーム”」といえます。
さらに、FXでは取引するたびに”手数料”が徴収されるため、投資(投機)家同士の取引の結果だけ見ると”ゼロサムゲーム”だったものの、手数料を考慮すると”負ける投資家”が半数を超える”マイナスサムゲーム”と成り下がります。
基本的にはどの市場にも、”歴戦のつわものたち”が待ち構えています。
よって、
「新型コロナで値動きが激しくなったから参加しちゃお!」
という軽い気持ちで参加した個人投資家が敗者となるのは必然です。
ただし、FXにも絶対の勝者が存在します。
それがFX会社です。
FX会社は参加者が多ければ多い程儲かる
1~6月期にFX会社は何もせずとも32億円以上儲けています。
基本的どの業者で取引しても、米ドルー円の手数料(スプレッド)が最も安く、最も安い業者では「1ドルあたり0.001円」くらいが相場となっています。
計算しやすく「1ドル=100円」とすると、取引金額の0.001%が手数料として徴収されることになります。
すなわち、今期の取引だけで
- 32.31億円 = 3231兆円×0.001%の手数料
も儲けたということになります。
さらに、上記では「最も手数料が少ないケース」を想定していますが、「手数料の高い業者を使う」や「取引する通貨が米ドル以外」の場合、手数料は数倍になりますので、実際はもっと大きな利益を手にしていたことになります。
(ちなみに、今期のFX取引き3231兆円のうち2036兆円が米ドルでした)
FXトレーダーは
- 自分の資産を減らすリスクを負って利益を求める
わけですが、FX業者は
- FXトレードする環境を提供するだけでノーリスクで利益を得る
わけですね。
さらに、”新型コロナ”のように外的要因で投資家が勝手に盛り上がってくれたら、より大量の利益が手に入るわけです。
ウハウハですね。
FXは「FX業者を儲けさせるために存在している」と言いたくなるほどです。
まとめ:FXで利益を出す為のハードルは高い
ここまで記事にさせてもらった通り、FXトレーダーは多額のお金をFX業者に抜かれながら、マイナスサムゲームに参加していることになります。
とはいえ、本ブログの筆者ひょしおんぬは
「FX何かやめておけ!」
というつもりは一切なく、
「不利な環境であることを理解・覚悟した上でFXにのぞむように」
と言いたいだけです。
実際に、長きに渡りFXで利益を出し続けているトレーダーは存在しているわけなので、成功者になれる可能性がないわけではありません。
しかし「FXなら楽に儲けれそうだから、やってみようかな!」と、軽い気持ちで市場に参加する個人投資家のほとんどは、ほぼ間違いなく負けます。
その点、長期インデックス投資は「楽に儲けれそうだから、やってみようかな!」で、本当に高い可能性でリターンが得られるのがすごいところだ…。
(年間数%程度の低い期待リターンとはいえ)
というわけで、
- 自分の能力に絶対の自信がある方
- どうしても短期的に大きな利益を得たい方
- FX業者に貢ぎたい方
- 未来を先読みする能力のある方
以外は、無難な投資を選び、FXは避けるべきといえそうです。
現在のようにFXが盛り上がりだすと、
「たった1か月で○○億円儲けた、誰でもできるFXトレード術を公開します」
みたいな話が転がりだします。
それを「嘘だ!」と言うつもりはありませんが、
- ただ運がよかっただけ
- その人の能力が超優秀だっただけ(凡人に真似できない)
と思っておいた方が無難です。
資産運用に関しては、タンタンと自分のルールで投資を続けることが鉄則です。
流行りに影響されて「詳細を理解できていない投資」に手をだすことがないよう注意しましょう。
というわけで、ウォーレン・バフェットの名言で、本記事を終わりにします。
「”なぜ自分はこの投資をするのか”という題で、1本の小論文を書けないようなら、その投資はやめたほうがいい」
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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