最終更新日:2020/4/30
新型コロナウィルス・リーマンショックによる株価暴落の推移を比較します。
比較対象は、
- VTI(アメリカ株)
- VT(全世界株)
- VWO(新興国株)
- TOK(先進国株)
と、4つの代表的なETFです。
本記事では実際のデータを使用して、投資商品毎の推移を確認していきます。
今回は「暴落時の推移」に注視して確認していきます。
【暴落耐性比較】VT・VTI・VWO【アメリカ株・全世界株・新興国株のETF】
本記事で比較する4つのETFは、全てアメリカ市場で購入可能な商品で「ザ・定番ETF」と言えるような商品です。
日本の投資信託にも、ほぼ同じ投資先になる商品が準備されており、
- VTI → 楽天・全米株式インデックスファンド
- VT → 楽天・全世界株式インデックスファンド
- VWO → eMAXIS Slim 新興国株式
- TOK → eMAXIS Slim 先進国株式
が、当てはまる代表的な商品と考えてください。
長期推移を確認する場合、「分配金の有無」で「ETF」と「 投資信託」のチャートに大きな差が出てしまいますが、今回は(暴落時の)短期的な推移のみ確認するため、ほぼ差はないと考えてください。
ではまずは「新型コロナウィルスによる暴落時の推移」を比較していきます。
新型コロナウィルスによる暴落時のETF推移を比較
さっそくですが各資産の推移グラフをご参照ください。
※起点の2020/2/3時点を100ポイントとしています。
傾向としてはどのETFも同じような値動きをしていますが、「変動率」には差が出ています。
最大の下落率(全て3/23時点)は、それぞれ
- VTI : 32%
- VT : 32%
- VWO : 28%
- TOK : 33%
となり、意外なことに「VWO(新興国株)のダメージが最も小さい」という結果となりました。
しかし、現時点ではアメリカ株(VTI)が最も早く回復、2020/2/3時点を基準とすると「マイナス12%」まで回復してきています。
新型コロナウィルスによる被害が最も大きいアメリカですが、アメリカ経済の力強さがよく分かる推移となっています。
続いてリーマンショック時の推移を確認します。
リーマンショックによる暴落時のETF推移を比較
以下グラフでは「リーマンショックによる下落前から回復後まで(2008年7月~2010年12月)」の期間を対象にしています。
※2008/7/1時点を100ポイントとしています。
最大の下落率は、それぞれ
- VTI : 47%(2009/3/9時点)
- VT : 50%(2009/3/9時点)
- VWO : 60%(2008/11/20時点)
- TOK : 50%(2009/3/9時点)
となり、
- アメリカ(VTI)のダメージが最も小さい
- 新興国(VWO)のダメージが最も大きい
という結果になりました。
「リーマンショックの震源地であるアメリカの被害が最も小さい」というのが面白いですね。
また、回復の速さでいうと新興国(VWO)が最も早く、アメリカ(VTI)が次いで早く回復していました。
この結果を見ると「リスクが高ければリターンも高い(新興国のこと)」というのに納得できます。
「きっと長期的にも新興国はハイリスク・ハイリターンなんだろう」ということで、2008年から2020年までの長期推移を確認してみます。
2008年から2020年までの長期推移を比較
と、いうわけで早速長期推移をグラフで確認してみます。
2008年7月を起点とすると、ETF毎に
- VTI : 182 %アップ
- VT : 79 %アップ
- VWO : 7 %アップ(!?)
- TOK : 95 %アップ
となりました。
ハイリスクな新興国(VWO)は、12年かけて7%アップってどーいうことよ…。
これはハクナマタタでは済まされない事態です。
なお、新興国の実質GDP成長率は
「先進国の成長率を2~6%程度上回る」
という高成長を2000年頃より継続しているので、経済的にはかなり発展していますが、それが株価とは結び付いていない状況です。
それにしてもアメリカ株(VTI)の強さは凄まじいものがあります。
アメリカ株ブームが来るのにも納得です。
本記事では「暴落耐性」をメイントピックとしていますので、長期推移については以下記事をご参照ください。
まとめ:暴落時も経済覇権国アメリカが高い耐性を発揮していた
ここまで記事にさせてもらった通り、暴落による最も耐性が高いのは「アメリカ株」と言えそうです。
アメリカは
- リーマンショックの震源地
- 新型コロナウィルスの被害が最も大きい国
であるのにも関わらず「耐性が高い」となっていることから、まさに経済覇権国と呼ぶにふさわしい国でした。
とはいえ、新型コロナウィルスによる暴落が発生してからまだ2か月ほどしか経過しておらず、これからどうなっていくのか未だ予想は困難な状況です。
よって、引き続き状況に注視し続け、いつか結論を出したいと考えています。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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