最終更新日:2020/2/16
多くの会社では「持株会」という制度を利用することで、自社の株を会社の補助付きで買うことができます。
資産を増やすのに有効な制度であれば利用しないのは損をしているのと同義です。
本記事では持株会の裏技的利用方法や、どういったケースで利用するべきものかどうか考察してみようと思います。
<目次>
【メリット・デメリット】持株会とは【奨励金を利用した裏技も紹介】
自分の所属している会社にお得な制度があれば、可能な限り利用して利益を上げたいと思うのは当たり前のことです。
持株会とは一般的には会社員が自社の株を会社の補助付きで買うための制度で、給料天引きの形で毎月少額でも購入費に充てることができる制度です。
「投資に詳しくない同僚」が、この制度を利用して大きく利益を上げていると聞き、驚いた事のある方もいるかと思います。
持株会は、東証などに上場していない会社(簡単に売買できない株)であっても、株式会社であれば制度を設けている会社はあります。
持株会のメリット
会社の制度にもよりますが、持株会には
- 購入時に会社からの補助金が出る
- 少額で購入できる
- 会社の成長が自身の資産価値向上に貢献する
といったメリットが代表として挙げられます。
・購入時に会社から奨励金が出る
多くの会社では持株会での購入時に、購入金額の10%前後の奨励金(補助)が会社から出ると定めているケースが多いです。
例えば毎月給料から5,000円を持株の購入に充てる場合、会社から500円分の補助が出る(5,500円分の持ち株を購入できる)などです。
これが持株会の最も大きなメリットと言えそうです。
・少額で購入できる
株式市場で売買されている株の多くは数十万円~が最小単位となっているケースが多く、気軽に手が出しづらいのですが、持株会の場合は数千円~数万円を最小単位として受け付けている制度が多く、まとまったお金がなくても購入できるメリットがあります。
・会社の成長が自身の資産価値向上に貢献する
自身の貢献により会社が成長すると、自然と会社の株価も向上し、自身の持っている資産も増やすコトにつながります。
よって、自身の業務へのモチベーションアップにもつながります。
(つながる人も中にはいるんです)
持株会のデメリット
上記で上げたように持株会にはメリットがありますが、大きなデメリットとして
- 資産が大きく偏る
という問題があります。
・資産が大きく偏る(家計が1つの会社頼りになる)
会社が順調に成長していれば、補助付きで買った株価が上がっていき、資産を大きく増やすコトが可能ですが、会社の業績が悪化した場合(最悪は倒産)を想定します。
倒産した場合、自身の収入が無くなるだけではなく、保有している会社の株価が紙くず同然になってしまうという、2重で家計へのダメージがあります。
資産の多くを持株会の株に偏っていた場合、致命的なダメージを負う危険性があります。
(失業保険が活用できれば、一時的に持ちこたえるコトは可能ですが)
持株会の裏技的利用方法
株価は変動するものであることから、長期にわたって持株会を利用していると、いくら奨励金が出ているとはいえ「株価が減少して大きく損をした」となるケースも当然あり得ます。
しかし、株価が短期間で大きく変動するケースは少ないため、持株会で株を購入後すぐに現金化してしまえば奨励金の分だけ利益を上げられる可能性があります。
具体例として以下の手順を挙げます。
※奨励金として支払いの10%が支給される例
- 持株会にて10万円/月の支払いを設定
- 奨励金(1万円支給)によって11万円分の株を保有
- 持株会で保有している株を個人の証券口座に移行
- 証券口座の株を全て(11万円)売って現金化
これが支障なく行えれば毎月1万円の利益を生み出すことが可能となります。
(2.~4.の間で株価が5%下落したとしても5千円の利益が得られる)
ただし、3項目目(証券口座に移行)がスムーズに行えるかどうかは、持株会の制度によりますので、自身の会社の制度を調べてみることをお勧めします。
主なポイントは以下4点です。
- 持株会の株を個人の証券口座に即座に移動できるか
- 持株会に参加した状態のまま証券口座に移動できるか
- または、持株会への参加・退会が短期間に何度でも可能か
- 単元未満株の移動に制限はないか
一度検討してみることをお勧めします。
持株会に入会するべきか
上記の裏技的利用方法を除き、一概には何とも言えませんが「入会するとしても少額で」とするべきかと思います。
購入時の会社補助が大きい場合、入会することで大きく得をするように感じられますが、何かあった際のダメージは大きくなります。
持株会に入会するのであれば、そのことを理解したうえで入会するべきです。
また「ここ10年くらい株価は右肩上がりだからうちの会社は大丈夫」という話をよく聞きますが、それがいつまで続くかは誰にも予想できません。
また、「ここ10年くらい株価が右肩上がりの会社」はそこら中に存在しています(日経平均を見れば分かります)ので、「自分の会社は大丈夫(特別)」という意識を持たないよう注意が必要です。
持株会には一見メリットが多く感じられますが、大きなデメリットも存在しています。
持株会に入会するのであれば、通常の投資と同様に資産を偏らせない範囲(少額)で入会するようにするべきかと思います。
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