「世界経済の成長は強まっているが、均等に成長するわけではない」
「市場を牽引する企業の数は大幅に減少しており、先進国市場と新興国市場の両方において、少数の銘柄がMSCI指数のパフォーマンスの大部分を占めている」
とチャールズシュワブが言っております。
Global Equities Mid-Year Outlook 2026 | Charles Schwab
過去を振り返っても「ごく一部の銘柄が市場全体のリターンを牽引してきた」ということは分かっていますが、これがより加速していくとの予想です。
しかも、真っ先に好調が取り上げられたのは製造業です。
急激に上昇した製造業PMI
2023年からを振り返ると、全世界での『製造業PMI(購買担当者景気指数)』よりも『サービス業PMI』の方が常に上回ってきていましたが、2026年には急展開によって逆転しました。

これはAIインフラへの大規模な設備投資によるもので、2026年はこの傾向が続くと予想しています。
PMIは50を下回ると『不況』と見なされるもので、製造業は50を下回る時期も多くありましたが、『AIという素晴らしいサービスを提供するために設備投資が重要とり、製造業が大きく盛り返してきた』という状況は少々面白いですね。
『AIのための設備投資』はこれからも長らく継続するでしょうから、経済にとっては大きなプラスとなりそうです。
ただし、その成長範囲は限定的であり、限られた地域、セクター、テーマに大きく依存しています。
以下グラフは、2015年からのPMIを
- アメリカの製造業
- アジアの製造業
- ヨーロッパの製造業
に分けた推移で、

同じ『製造業』であっても、地域差が大きいことが分かります。
PMIは各企業の購買担当者に「前月より良い?/同じ?/悪い?」を問うた結果を数値化したもので、回答者の心理的傾向が乘りやすいです。よって、アジア圏のPMIが上にも下にも小さく動いているのは、それも一因としてあるかもしれません。
であるのにも関わらず、この『製造業の好調期』において、ヨーロッパのPMIがアジアのPMIを下回っているのは興味深いところです。
S&P500における収益成長率の分布
また、同じ地域内でも業界によって大きな格差があるとされています。
以下は『S&P500全体の利益成長を業界別に分けたグラフ』で、

S&P500の利益成長のおよそ半分である49.4%をテック業界(一番左)が生み出し、他の産業の貢献がとても小さくなっていることが分かります。
さらに、テック業界内でも色分けされており、
- NVIDIA、Micron、Broadcomの3社だけで、S&P500全体の利益成長の30%を占めている
という、とてつもない偏りが分かります。
想像をはるかに超える偏り…。
オルカンに投資をしていても、オルカンに占めるS&P500の割合は大きく、S&P500に占めるテック業界の割合は大きく、S&P500に占めるNVIDIA・Micron・Broadcomの割合は大きいです。
「世界中の企業に均等に投資したいけど、手数料の問題でオルカンを選んでいる」ような人がいたとすると、(利益成長に関しては)あまりにも乖離してしまっている状況ということになります。
すごい時代になったものです。
すごいらしいAI関連の設備投資
というわけで、「テック業界、特にAI関連企業がすごい」のは間違いないのですが、これがどの程度のものなのかも見ていきましょう。
以下は、
- アメリカ企業の設備投資のうち『AI関連の設備投資』と『その他(AI関連以外)の設備投資』がどういった推移となっているのか
を4半期別にグラフ化したもので、

直近1年ほどは、AI関連の設備投資は大な伸びを見せている反面、その他の設備投資は下落傾向にあります。
AI関連以外は下落してんだ…。
これ、
「やっぱりAIはすごいぜ!」
と見ることができますが、
「米国企業の設備投資は好調のように見えるが、実のところAI以外は弱い」
と受け取ることもできます。
予想通りにAIが成功すれば、この設備投資が大きな利益を生み出すことになるのでしょうが、そうならなかったときにことを考えると多少怖くもありますね。
偏ってはいるものの
というわけで、
- 2026年後半も世界経済は順調であると予想できる
- ただし、大きな偏りがあることを理解しておくべき
といった内容をお届けさせてもらいました。
この状況はすでに株価に反映されているため、『一部の超勝ち組の銘柄』と『それ以外の銘柄』とで大きな差ができています。
ただし、この『株価の偏り』は投資家の総意であるため『歪んでいる』わけではありません。
そして、オルカンなどを通じて時価総額加重平均で投資することで
『投資家が期待している企業に厚く張り、そうではない企業には薄く張る』
ことが自然とできます。
ここで紹介した偏りを見て「ここだ!」というセクターに投資するのも一つの手ではありますが、私はその偏りにそのまま投資することで、平凡なリターンを享受したいと思います。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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