「10年後の世界は、米国主導によって国際秩序が再構築されている」との回答率は6%で、もっとも回答が多かったのは「バラバラに競い合う」でした。
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世界経済フォーラム2026のレポート(The Global Risks Report 2026)がすごく面白かったので、ここでご紹介したいと思います
このレポートは、
- 現在から10年後にかけての世界的リスクを、世界中の専門家の知見まとめた『グローバルリスク認識調査(GRPS)』の結果
で、是非とも原文も読んでもらいたいところですが、この記事でも一部紹介したいと思います。
このレポートで書かれている、ここ10年間における世界情勢をざっとまとめると
- 国家間の協力が弱まり
- 経済が武器化され
- 社会の分断が進み
- AIやサイバー技術が急速に広がる
とされています。
うんうん。とても想像しやすい内容ですね。
というわけで、少しばかり詳しく見ていきましょう。
危機が迫っているのか?
まずは
「そもそも世界的危機が迫っているのか?」
という認識についてです。
そこに関するGRPSの調査結果は以下のようになっており、
※上のグラフは今後2年間予想、下のグラフは今後10年間予想
※色が濃い(右に行く)ほど危機が迫っていると予想

- 「2年以内に世界規模のリスクが現実になる」との予想が8%。「大きな危機が迫っている」との予想を合わせると50%
- 「10年以内に世界規模のリスクが現実になる」との予想が19%。「大きな危機が迫っている」との予想を合わせると57%にもなる
としています。
つまり、
「近い将来にはなんらかの世界規模のリスクが現実になりそうだよね」
との回答がおよそ半数ということになります。
とはいえ、「なんらかの世界規模のリスクってなんぞ?」となるでしょうから、続いてはそちらを見ていきましょう。
世界的危機を引き起こすリスクとは?
以下が「何が世界的危機を引き起こすリスクなのか?」の結果で、

上位5つが、
- 地経学的対立(経済戦争):18%
- 国家間の武力紛争:14%
- 異常気象:8%
- 社会の分断:7%
- 誤情報と偽情報:7%
となっています。
上記2つは言われるまでもなく注目せざるを得ない事象ですが、『社会の分断』『誤情報と偽情報』がここまで上位にランクインしているのには驚きです。これらが問題となっていることは明らかですが、世界的リスク要因としてここまで注目されているとは…。
これらはバーチャルな世界(SNS)でしか実感することは難しいですが、バーチャルな世界だからといって現実世界との乖離があると考えてはいけない時代なのかもしれませんね。
個人レベルでは、地政学的対立や国家間紛争に直接的に関与することはできませんが、とりあえず『嘘をつかない優しい中年男性』でいようと思いました。
なお、『バブルの崩壊』は18位(2%の)となっており、前年比で7ランクアップです。
ここからは、
「バブルがきっかけで世界的危機が起こる可能性は高くなさそう」
「ただし、地経学的対立の顕在化からのバブル崩壊(≒リスク資産の暴落)はありそう」
と想像しています。
リスクの大きな
続いては、各リスクの重大レベルについてです。
以下は2年後(左側)、10年後(右側)に顕在化することによる影響の大きさをランキングにしたものです。

2年後は、
- 地経学的対立
- 偽情報
- 社会分断
が上位に存在し、10年後は、
- 異常気象
- 生態系崩壊
- 地球システム変化
の順になっています。
近ごろは、
- 関税などで暴れる大統領(がいても上がる株価)
- AIへの注目(によって上がる株価)
- ホルムズ海峡の閉鎖(されても上がる株価)
といった大きな事象によって注目されることの少ない気候変動ですが、10年後には大きな危機を及ぼすリスクがあると考える専門家が多いでようです。
すぐに忘れちゃうけども、忘れちゃいけないことってありますよね。
リスクの相関
これまでは、リスクを個別に見てきましたが、当然それぞれのリスクには相関があります。
以下はそれをまとめたもので、

丸が大きいほど影響力が大きいことを示しており、特に大きいのが、
- INEQUALITY(格差)
- Economic downturn(景気悪化)
- Societal polarization(社会分断)
- Misinformation(偽情報)
- Decline in health and well-being(健康と生活の質の低下)
の5つとなっています。
個人的に注目するのは『偽情報』の大きさです。
偽情報はどこにもあふれており、個人的には信頼していた『本』にも偽情報が増えてきたような気がしています(ただの感想です)
中には明らかにウソと見抜けるものもありますが、そうではないものも多く存在しており、おそらく『信じ込んでいるウソ』のいくつかあるでしょう。
残念ながらあるでしょう。
そういった『偽情報』が起因となり、社会が分断し、政治が混乱し、景気が悪化し、国家間の対立が広がり、さらに経済が悪化し、さらに社会が分断していく、なんてことになってもおかしくありません。
それどころか、昨今の混乱している世界を見ていると、すでにそうなっていると考えることすらできます。
いい加減によい解決策が欲しいところですね。
10年後の世界
さて、この混乱する世界ですが、
「10年後、地球規模のリスクへに対する環境(各国の協力関係)はどうなっているか?」
という問いの回答が以下になります。

低い順に、
- 6%:アメリカ主導による国際秩序の再構築
- 12%:新たな超大国が主導する国際秩序への再編
- 14%:2つの超大国間による二極化された秩序
- 68%:中堅国や大国がそれぞれ競い合う
となりました。
10年後に、アメリカ主導によって保たれている世界である可能性は低いと…。
それどころか、新たな超大国が生まれる可能性も低いし、アメリカvs中国という分かりやすい構図になっている可能性すら低いとの予想となっており、『バラバラに競い合う』が最大回答となっています。
これが真であれば、少なくとも、これまで生きてきた期間にはなかった世界がやってくる可能性が高いと言えます。
どうなるんだろう?
もちろん分かりませんが、これを投資家目線で見ると、
- 景気の悪化
- 国をまたいだサプライチェーンの崩壊
- 国策の失敗による不安定化
- 気候変動による経済活動の制限
など、ネガティブにとらえることもできますが、私は
- 競争の激化
という点に注目し、長期的には人類の進化スピードは加速すると考えます。
平和で豊かな環境においては『成長』に対する強いモチベーションが生まれづらいです。頑張って働かなくてもそこそこ満足のいく生活ができるのであれば、それ以上を求める人は少ないでしょうから。
しかし、『危機』が目の前に現れた時には「やらなければならない」が強いモチベーションを生むことになり、これが人類の進化を後押しすることになります。
もちろん、これが即座に『経済成長』や『株価の上昇』につながるとは言えず、むしろ競争の激化が短期的にはマイナス方向に働く可能性もあります(トランプ関税のようなもので)
しかし、長期的には高い成長率が期待できるでしょうから、
- 現時点において『割高であると言われている株式(過去よりも高い実績PER)』が、適切な値であったと肯定される
なんてことになってもおかしくありません。
この記事は『リスク』にばかり注目してきたネガティブな内容となっていますが、リスクがあるからこそそれを乗り越えようとする力が生まれてくると考えると、必ずしも厳しい未来が待っているわけではないようにも思えてきます。
先のことは分かりませんが、分からないからこそ『そこそこ警戒をして』『そのうえで楽観視しておく』を、心地よいバランスで保てるように思考をコントロールしておくと良いんじゃないかと私は思います。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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