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「4%ルールの生みの親であるワイが指南する脅威」

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FIRE界隈で聞く機会の多い『4%ルール』

 

一般的には1998年に発表されたトリニティスタディがベースとして紹介されることが多く、このブログでもそれを流用することが多いです。

が、その前(1994年)にウィリアム・ベンゲン氏が『4%ルール』の原型とも言えるDetermining Withdrawal Rates Using Historical Dataを発表をしていました。

 

今回は、そんなベンゲン氏が

「高インフレ期には注意するんだぞ!」

と、モーニングスターのインタビュー(The Biggest Threat to Your Retirement Isn’t a Bear Market)で発言されていたので、見ていきたいと思います。

 

このインタビューは4%ルールに関する内容が主で、ざっと発言を整理すると、

「FIRE後の引き出し率を決めたとしても、それを柔軟に変更することも必要である」

「株式の大きな下落であれば、一時的なモノとなる可能性が高いので、さほど気にしなくてもよい」

「しかし、1960年代や70年代のように、インフレ率が平均して二桁台で推移するようになればかなり厳しい」

といった内容となっています。

 

引き出し率は柔軟に

『4%ルール』という言葉は『FIRE後には毎年4%ずつ引き出す』とあたり前のように受け取れますが、実際のところ、引き出し率を固定してしまうとうまくいかないケースも出てきます。

 

それもそのはず、FIREしたのであれば(一般的な人よりも引退期間が長くなることもあって)、40年、50年、80年という長期スパンを資産を取り崩しながら生きていかねばならないことになるため、予期せぬ事態に遭遇する可能性が高いからです。

これまでに度々発生してきた瞬間的な大暴落や、そうそう起きないような株式市場の長期低迷期がそれにあたります。

 

そうですよね。

 

とはいえ、『これまでにあった株式の大きな下落』のほとんどは一時的なものであったため、大きな戦略変更(取り崩し額の縮小など)をせずとも市場の回復によって計画通りに進められる可能性が高いです。

実際に、世界中をパニックに陥らせた新型コロナウィルスによる株価の下落でさえ、以下オルカンチャートのように推移しており、FIREした人間にとっての脅威とはなりえませんでした(ドキドキはしたでしょうけど)

Yahoo!ファイナンス

 

当時は結構騒いでいたはずなので、パンデミック時の下落なんて、ほとんど覚えちゃいません。それくらい、市場の回復力は強いのです。

 

しかし、1960年代や70年代のアメリカように、インフレ率が平均して二桁台で推移するような時代に陥ると、そうも言っていられなくなります。

 

インフレにも色々あるよ

一般的に「株式はインフレに強い」と言われます。

 

常識的な範囲内でのインフレは、企業の売上を伸ばし、利益を増やし、株価を上昇させることにつながるからです。

 

が、1960年代からあったスタグフレーション期(インフレ+景気低迷)には、

  • S&P500は1966年に最高値をつけて下落、それを再び更新するまでに16年かかった
  • さらに、この16年間での累積インフレ率は約150%であったため、実質的な損失は約60~65%に達した
  • よって、S&P500指数が1966年の実質的な最高値に戻ったのは26年後(1992年)となった

と、厳しい状況にありました(Inflation and Asset Classes: The 1970s Evidence)

 

この時代を生きたくない…。

 

ウィリアム・ベンゲン氏は、この時の教訓として「高いインフレ率の時には、即座に引き出し率を下げるべき」と主張しています。

 

『インフレになれば企業の売上が増える』のは多くの場合正しいのですが、このスタグフレーション期には

  • 不景気によって消費者に節約志向が広がる
  • インフレによるコスト増を商品に転嫁すると売れなくなる
  • 商品価格を上げずに、コスト増を企業がかぶる(利益が減る)
  • 企業価値が下がる
  • 株価が低迷

となりました。

 

これは言うまでもなくあたり前のことですが、

  • 株式は『インフレに強い』のではなく、『経済成長をしていればインフレになっても強い』でしかない

ということです。

 

あたり前ですけど(その2)

 

ウィリアム・ベンゲンの言いたいコト

というわけで、ウィリアム・ベンゲン氏による

  • 4%ルールは厳守するようなものじゃないぞ
  • 株価の一時的な下落であれば心配する必要はないぞ
  • インフレ期であっても株式が弱い時は弱いぞ

といったお話でした。

 

このブログでは『株式リターンが悲惨だった歴史』として、1929年に始まった世界恐慌を取り上げることが多いですが、1960年からあったスタグフレーション期もなかなかにひどいものでしたね。

 

こういった過去を見て、

「世界は進化しているのだから、そんな昔と同じような大きな問題が発生する可能性は低い」

と考える人もいるかもしれませんが、どれだけテクノロジーや制度が進化したところで、それを扱う人間の中身は進化していないでしょうから油断するべきではないと私は思います。

 

少なくともイチ投資家である私は、

  • 論理的に考えられないことも多い
  • 自分に都合のいい情報ばかりを信じてしまう
  • 恐怖に支配されることもある
  • 自分の誤りを認められないこともある
  • リスクを過小に評価することもある
  • 自分の力を過大評価することもある

とダメな人間なので、『想定外の事態』に陥った際には、ろうばい売りをして市場の暴落を後押しするようなこともあるかもしれません。

 

そんなわけで「大変なことが起こるかもしれない」と常日頃から考え警戒しておくことで、イザという事態が発生した時に「予想よりも大したことねーな」と平静を保てるようにしておくことが、私の戦略です。

 

 本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。

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