
王子HDが2026年春以降に入社する社員の退職金をなくし、その分を基本給に上乗せすると決定したようです(初任給が前年比1割増し)
退職一時金を「廃止」する会社は増えるのか 優秀人材が逃げる給与シフトの成否
正直、うらやましい。
理由は、
- 退職金は『終身雇用制度という時代に即さない仕組み』に向いた制度であること
- いくらもらえるか理解していない社員が多く、労働のモチベーションにつながらないこと
といったものにあるようで、『当然の流れ』のように感じます。
しかし、大企業で退職金を”廃止”するケースは非常にまれなようです。
この流れをとても歓迎します。
退職金は『勤続年数が伸びるほどに支給金額の上昇が大きい仕組み』であることが多いために転職の妨げとなりがちですし、これまでの『本来もらえるはずの賃金を退職するまで受け取れない』という仕組みには問題があるように感じます。
また、企業にとっても『退職金をプールしておかねばならない』というマイナスがありました。
老後のお金として退職金に期待していたのであれば、退職金がなくなってた分だけ増えた給与を投資にまわせばいいだけですし、現在ではそのための制度(iDeCoやNISA)が整っているわけですから、自己責任で貯蓄をしていけばいいだけです。
全員が賢く貯蓄できるのであれば、ですが。
これまでは、
- 年金や退職金によって、老後を気にせずに一つの会社で働き続けているだけで、周りの人々のサポートによって老後の生活が担保されていた
とも言えるわけですが、退職金がなくなれば、それが終わることになります。
そうなったところで、このブログを読みにきてくださっているような(マネーリテラシーの高い)方であれば心配いらないでしょうが、なかには厳しい老後を送ることになる人もいるでしょう。
「そんなことになって良いんか?」
そもそも退職金があたり前ではない
と書きかけたんだけど、そもそも『退職金のない企業勤めの人』や『個人事業主』『フリーター』など、退職金がない人も多いです。
2025年時点での就業者数は6779万人、うち正規の職員・従業員数は3630万人ほどしかおらず(そうでない人は退職金がない可能性が高い)、
さらに、2013年の調査結果(厚生労働省)だと退職金のある企業の割合は75.5%ほどしかないわけですから、そもそも『退職金がない人』が半数近くいることになりそうです。
そう思うと、これまでは(退職金のある)会社員だけが「老後のことを気にしなくてヨシ!」という環境に置かれていただけであり、退職金の廃止によってこの格差がなくなっていくとも言えそうです。
それでいい気がしてきた。
今後は、退職金の廃止だけではなく、年金もマクロ経済スライドによってジワジワと実質受給額が減少していくことが予想されているわけなので、これまで以上にマネーリテラシーが重要な時代となっていくでしょう。
そこで、高校家庭科の授業などでマネーリテラシー教育が行われるようになったわけですが、内容を見ている限り「これだけで十分」とは言うことは難しいです。
よって、
- 子供のマネーリテラシーレベルは、親による教育にかかっている
と言ってもいいかもしれません。
最後に
私は個人の裁量が大きくなる世界を望んでいます。
よって、『知らぬ(意識せぬ)間に退職金が積立られている世界』よりも『給料を受け取って、それをどう使うか・貯蓄するかを判断する世界』になっていくことを期待しています。
それを良い世界と感じるかどうかは、人によって評価が異なるところかと思いますが、『iDeCoやNISAの誕生』や『退職金の廃止』からは、その方向に進んでいることを感じています。
そんな世界で子ども達が生きることに苦労することがないよう、とりあえずは手の届く範囲でだけでもマネーリテラシーの重要さを説いていきたいと思います。
「企業の財務状況を読み取るような力を身に着けるべきである」
「現代ポートフォリオ理論を理解するべき」
とまでは思いませんが、『マネーリテラシー不足起因による危機』には遭遇しないようなレベルには達して欲しいものです。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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