しばらく前に聞く機会の多かった
「中国不動産が第二のリーマンショックの震源地に!」
という話題ですが、最近ではめっきり聞かなくなりました。
しかし、ちょっと調べてみたところ終息したわけでもなさそうなので、現状整理。
現状に至るまでの経緯をざっと書くと、
- 中国で不動産ブームが起きて、価格上昇、住宅ローンの借り入れが急増
- 土地価格が下落し、多くの住宅ローンで担保の価値がローン残高を下回る状況に
- あせった銀行は住宅ローン金利の低下や、返済猶予などで対応している
みたいな状況にあるようです。
規模
ブルームバーグ・インテリジェンスによると、中国では『数千億元(数兆~十数兆円)規模の住宅ローン』の担保の価値がローン残高を下回る状況(ネガティブエクイティー)となっている公算が高いとのことで(bloomberg.com)、
リーマンショック時の約2.9兆ドル(約430兆円)がネガティブエクイティーであったのと比べると、規模としてはずいぶん小さいことが分かります。
規模だけ見ると小さい。
ただ、(民間調査によると)北京や上海など主要都市の住宅価格はピークから3割余り下落しており、当局の統計よりも大幅な下げを示しているようで、さらに、地方ではこれよりも下落幅が大きいとされているので、影響は小さくなさそうです。
民間調査と当局データに差があるのはいつものこと。
以下は中古住宅の価格の推移ですが、現状においても大きく下げ続けていることが分かります。

なお、住宅販売件数は以下のように急減しており、

住宅ローン残高は、まだまだ巨額を残しているといった状況にあります。

よって、住宅ローン金利を下げることで債務者の負担を下げようとしていますが、

まだまだ終りは見えません。
やばいところ
規模としてはリーマンショックよりも小さいですが、中国不動産の問題として特にあげられるのは、
- 中国の都市部住民のマイホーム保有率は96%を超え、2戸以上のマンションを持つ家庭は約41.5%に達する(NetIB-News )
でしょう。
え?
都市部(≒富裕層)ではすでにマイホームを持っている人ばかりなのに、多くの家庭が2戸以上のマンションを持っているわけですから、そりゃー、不動産が売れなくなる(価格が下がる)のも当然ですね。
また、三・四級都市も人口流出によって賃貸需要が少なく、空置率が30%に迫っていると清華大学のレポートで報告されており、広い地域で問題を抱えている状況が続いています。
そのうえで、『多くの個人が自宅を担保に事業向け融資も受けている』という状況にあるため、住宅価格の下落は広く影響を及ぼすリスクを秘めています。
特に、
こうした事業性融資は返済期間が1-10年と短く、借り換えや返済のタイミングが早いため、銀行にとってリスクが高い。UBSの中国・香港不動産調査責任者ジョン・ラム氏らは昨年11月のリポートで、潜在的なデフォルト(債務不履行)の主因は不動産価格の下落よりも資金繰り悪化になると指摘した。
とされており、『銀行にとって危機』が迫っていると考えられます。
現時点(2025年末)では、大手国有銀行の不良債権はおよそ1%となっていますが、地方の銀行などでは4-5%程度が不良債権となっています。
今後これがどうなっていくか分かりませんが、
- 不動産価格の下落
- 不動産販売数の低下
はまだ続いているわけですから、『要注意』であることに変わりはなさそうです。
「ヤバい中国不動産!」と聞く機会は減っていますけども、相変わらずヤバい状況にあるような気がいたしんす。
(補足)
なお、データの出所の多くは、中国人民銀行や中国国家統計局だったりするので『本当はもっとヤバい』であるかもしれませんけどね。
知らんけど。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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