FRBによってFF金利(短期金利)がジワジワと下げられてきています。
その影響を受けやすい3か月物国債の金利は下がっていますが、30年物国債の金利は上昇していました。

常に同期していると思っているわけではないものの、想像していた以上に乖離しているので、そこら辺をちょっと考察。
どこから生まれる金利差なのか
さて、繰り返しになりますが、短期債(3か月物国債など)の金利はFF金利の影響が大きく出ますが、長期債(30年物国債など)の金利への影響は比較的に小さいです(3か月物国債でもFF金利と同期しているわけではありません)
FRBがコントロールしているFF金利は超短期金利であるため、それに近しい期間の短期金利はFF金利に連動しやすく、反対に長期金利への影響は小さくなります。
そして、長期金利は、市場にいる投資家などによる売買の影響を受け、『国債の売りが多く出れば金利が上がり、買いが多くでれば金利が下がる』ことになります。
というわけで、長期金利と短期金利ではFF金利の影響レベルが違うわけなので、この二つが連動していないケースも多いです。
しかし、過去50年間を振り返ってみると『3か月物国債の金利は下がっているのに、30年金利は上がっている』とハッキリと言える状況はマレです。

インフレがきついと
とはいえ、1970年前後にはFRBが利下げしたのにも関わらず、長期金利が上昇した局面がありました。

この時は高インフレの局面であったため、金利が長期間固定されるている債券に魅力がなかった(低金利では買ってもらえない)ことが要因で長期金利が上昇しており、当時は経済が低迷、株価も下落してきましたが、
しかし今回はそうではなく、いったんはインフが落ち着きつつあります。

そうすると、現在の『長期金利の上昇』は、アメリカの信頼が損なわれていることを指しているのかもしれません。
例えば、ぱっと思い出せるところでも
- 2025年5月にはムーディーズが米国債の格付けをAaaaからAa1に下げた(Business Insider)
といったことがありましたし、現在でも
- 関税による貿易戦争やインフレの再燃による景気の悪化の懸念(investopedia)
といった記事は頻繁に見かけます。
なお、政府債務(対GDP比)は伸び続けており、

(CEIC)
G7諸国の中でも高い水準にあります(日本は主題じゃないので見ないように)

(財務省)
当然、債務が少ない国は金利も低く、債務が大きい国は金利も高くなります。
ECBの(欧州中央銀行)の調査では、
- 債務が大きい国ほど、長期金利と経済成長率の差が大きくなる傾向がみられる(債務が大きいと、成長率は高くなくても長期金利が高くなりがち)
ともされています。(ECB)
残念ながら、債務が膨らみ続ければ
「そんな危ない国の国債は金利が高くないと買わないよ」
と、先が不安視されるのは当然のことで、FF金利が下がったところで、長期金利を下げるに至っていない理由はここにあるのかもしれませんね。
とはいえ、債務残高の難しいところは『どれだけ債務が膨らんだら危ないのか?』が明確でないところかもしれません。
例えば、IMFは
「2029年には、世界の債務残高がGDP比100%を超る」
「今のすぐにでも対策を打たなければ危ない」
と言っている(IMF / October 2025 Fiscal Monitor)わけですが、上記グラフの通り100%に壁があるようには見えませんし、
1985年には、南アフリカがGDP比20%前後という低い水準でデフォルトしたこともあります。(アパルトヘイトなど政治的問題が原因と思われる)
お金、貸してもいいかな?
『借金』は、日常生活で考えても案外と難しく、
- 友人から「お金を貸してくれ」と言われた時、いくらまでなら貸せるのか?
- 既にいくら貸していたら貸すべきでないのか?
- 収入が不十分であっても信頼できる人間なら貸せるか?
- 大金を稼いでいても信頼できない人間ではないか?
- 上記状況に応じて、いくらの金利なら貸せるのか?
などなど、判断に必要な要素が多すぎます。
また、同じ人物に貸すにしても、貸したお金を
- 新規事業にために使う
- 生活費のために使う
- JRAから搾取するための原資にあてる
といった「何の用途で使うか?」によっても貸す・貸さないの判断は変わってきます。
これを『国』という、さらに複雑な要素が増すモノで判断することはとても難しいです。
そう考えると、いまのアメリカの短期金利低下&長期金利上昇は
- 具体的な原因をあげるのは難しいけれど、「こんな低金利で金を貸す(国債を買う)ほどアメリカは信頼でけません」と考えている人が増えている
ということかもしれませんね。
と書いてきながら最後に、
- FF金利下げを期待 ⇒ 力強い経済成長が期待 ⇒ 金利が上昇すると予想 ⇒ 長期金利が先取りして上昇する
なんてパターンも載せておきます。
色々と調べても、様々な方法で現状を説明しようとする記事に出会います。
よって、『何を信じるかはあなた次第』となってしまうわけですが「どれも信じなくても戦える投資法」も存在しているので、自分なりの答えを持ちつつ、それが誤っていても問題のない道を選んでおこうと思います。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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