このブログでは、
「株式投資は株主にとって有利な制度」
と繰り返し言っていますが、「どれくらい有利なのか?」については触れてきませんでした。
そこで、よくよく調べてみると『どんどん株主にとって有利になっている』ことが分かりました。
下のグラフは、
- 灰色部:2000年⇒2012年の変化
- 緑色部:2013年⇒2023年の変化
を表しています。

( J.P.モルガン)
どちらの時期も
- 企業利益は大きく伸びているのもも、人件費は大きく変わっていない
- 企業利益≒株主のリターンが増えても、労働者の取り分が増えない
という、労働者にとっては厳しい時代で、かつ株主には優しい時代であったことが分かります。
しかし、2000年から2012年というデフレ期(灰色部)には、『物価-3.2%』『人件費-2.8%』であったため、『労働者の取り分が減っても、それ以上に物価が低くなっているのだから悪くない』と言える状況であったようにも思えます。
しかし、2013年~2023年というデフレからの脱却期(緑色部)には、『物価+13.8%』『人件費+12.6%』であったため、『労働者の取り分が増えても、それ以上に物価が高くなっているのだから厳しい』という状況にありました。
この、『労働者不利、株主(企業利益)有利』という状況をグラフで見ると

( J.P.モルガン)
と、
- 労働分配率は下落傾向
- 当期純利益率は上昇傾向
となっており、これによって
- 過去に比べて株主有利が強化されてきている
ことが分かります。
とはいえ『株主が日本人労働者』なのであれば、遠回りはあれども最終的には労働者に企業利益が分配されることになります。
しかし、

( J.P.モルガン)
から分かるように、日本株式の株主は外国人比率が上昇してきており、(ここ数年を除き)個人株主は減少傾向にあります。
これらからは、
- 日本人労働者が出した利益を、外国人株主が手に入れる傾向が強化されている
ことが分かります。
とても残念ですね。
さて、現時点では『強化されつつある株主有利』が是正されるような本格的な動きは見られません。
例えば、
- 欧州で富裕層に対する各種増税が検討されている(reuters)
- 日本で金融所得課税の強化が話題に上がる
- カリフォルニアが『純資産に対する5%の一度限りの課税』を検討(bloomberg.com)
- 2025年のNY市長選で富裕層・法人への増税をうったえたゾーラン・マムダニ氏が当選(Yahoo News UK)
といった、提案・検討レベルは数多く耳にするものの、実際にこれらが現実のものとはなっていません。
それもそのはず、これらを実施すると巨大な敵を作ることになってしまうからです。
そう考えると『株主になること』が過去に比べてもより重要になりつつあり、この傾向の終わりは見えないと言えるのかもしれませんね。
残念ながら現時点では、日本企業の株主の多くは外国人となっていますが、日本人投資家が増えることでこのバランスが変わり、さらに外国企業の株式を多くの日本人投資家が手にすることで、日本全体が豊かになっていくことに期待したいと思います。
参考にしたのはこちら。
今の日本で株主になることの重要性 | J.P.モルガン・アセット・マネジメント
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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