バンガードの記事を見ていたら
多くの人は、将来に備えて貯蓄したいと思っているわりに、
- 計画性の欠如
- 複雑な決断からの逃避
- 惰性・先延ばし癖
によって、投資を始めない人がいると分析している。


といった(色々な意味で)驚くような言葉がありました。
さすがバンガード。
厳しい。
この言葉は『How America Saves 第24版』の中で『DC(確定拠出年金制度)で投資をしない人たち』の考えを分析したもので、100%同意できるわけではありませんが、そういった人々がいることも事実でしょう。
ただ、バンガードはそういった人々に「もっと考えれ!!」と叱咤しているだけではなく、これを解決するために、
- 自動的に投資が始まるDC
を提供しています。
バンガードのDC
バンガードが提供しているDCのうち、約61%が自動加入となっており、「DCで投資します!」と選択しなくても、勝手に投資が始まる仕組みとなっています(デフォルトの拠出先が投資商品)
日本で提供されているDCの多くは、『拠出先が未選択の場合は現金やMMFなどの低リスク資産に拠出される』こととは対照的です。
なお、
- 自動加入の場合、DC経由で投資する人の割合は94%
- 任意加入の場合、DC経由で投資する人の割合は64%
と、大きな差が出ています。
つまり、
- およそ30%の人は、勝手に投資をさせられている
と言えます。
この加入率の差は、冒頭であげた
- 計画性の欠如
- 複雑な決断からの逃避
- 惰性・先延ばし癖
といった特徴を持つ従業員が、「自ら選択しない」という決断をした(決断をしない?)結果であると考えられます。
しかも、自動的に加入た人々の3分の2は『拠出率を自動で上げていく設定』となっており、これの効果もあってか『平均拠出率は7.7%』にもなっています。
年収500万円であれば、年間の拠出額は38.8万円にもなるわけで、「選択しない人々」も多くの額を拠出していることが分かります。
『投資=儲かる』とするのであれば、優しい制度ですね。
バンガードDCの拠出先
バンガードのDCでは、拠出先を選択しない場合は、98%がターゲット・デート・ファンド(退職に向けてリスク資産をじょじょに増やしていくファンド)に拠出されるよう設定されています。
さすがに株式100%ファンドではなくて安心しましたw
実際の拠出割合はこんな感じで、ターゲット・デート・ファンドが最多で、次いで株式ファンド(Diversified equity funds)となっており、これを合わせると90%にもなります。

なお、2025年時点で参加者のうち株式を保有していないのはたった2%しかおらず、2005年には13%だったから大きな改善をしています。
また、参加者の95%は、初期設定のまま変更を行っていない『ほったらかし投資』を継続しています。
うーん、素晴らしい。
低所得層の加入率が大事
ただ、残念なことに所得が低い人ほど加入率も低いというのが現状です。

ただし、低所得層(年収1.5万ドル未満)
- 『任意加入』のケースでの加入率は極端に低い(14%)が、
- 『自動加入』にすると加入率が極端に上昇(77%)する
となっています。

「低所得層は投資できるだけのゆとりがないのだから、投資しないのは仕方がない」
と言われると
「そうだよね…」
と納得してしまいますが、上記の
- 『投資するきっかけ』さえ作ってしまえば、低所得層でも8割近くの人が投資できている
という実績からは考えさせられますね。
「投資しているかどうか?」はダイレクトに格差につながる要素であるわけですから、
- バンガードによるDCの自動加入は、格差是正につながる素晴らしい仕組みである
と言えるでしょう。
なお、所得別の拠出率はこんな感じで、
- 最も所得の低い層が、それよりも所得が多い層よりも拠出率が高い。
と面白い結果となっています。

DC平均残高
また、バンガードの提供しているDCの平均・中央残高はこんな感じ。
平均値と中央値の差が大きいのはご愛敬として、
- 年々残高が増えている
- 平均値では、14.8万ドル(約2338万円)
- 中央値でも、 3.8万ドル(約 562万円)
と、かなりの額が運用されていることが分かります。
これの中央値は『年齢を区切らない中央値』であるため、『退職時に受け取ることになる金額はもっと大きくなる』と想像できます。
およそ30%の人は、DCへの自動加入によって『勝手に投資している』わけですが、それによって『まとまった老後の資金』を手に入れることができることになります。
それら人々が
- 計画性の欠如
- 複雑な決断からの逃避
- 惰性・先延ばし癖
といった性質を持っていたとしても、です。
さすがバンガード。
最後に
私が自身で証券口座でインデックス投資を始めたのは2017年ですが、その8年ほど前からDCを利用してインデックス投資をしていました。
当時『インデックス投資』なるものの存在は知りませんでしたが、数少ない選択肢の中に『ハイリスク・ハイリターン』として紹介されていた先進国株式を拠出先として選択しており、結果としてDCだけで1000万円近い資産を手に入れることができています。(途中からマッチング拠出制度を利用して増額していますが)
ですが、同僚や知人の話を聞いていると
「よく分からんけど、現金預金になっているはず」
という人も多いです。
もったいない。
もちろん、本人の同意なく『賃金の一部を勝手に投資する』のは避けるべきですが、
- デフォルトではターゲット・デート・ファンドのような比較的に無難な投資先に拠出する
であれば、採用できると考えます。
冒頭では
- 計画性の欠如
- 複雑な決断からの逃避
- 惰性・先延ばし癖
を、『投資できない人の特徴』のように取り上げましたが、投資に限らず
- やらなければならない仕事に手を付けられない
- 逃れられない確定申告を後回しにしてしまう
- ずいぶん汚いのに逃げている部屋の掃除
- 明らかに使わないことが分かっているのに手を付けない不用品の処分
- 健康のために必要だと思っているのに運動習慣が身に付かない
などなど、誰にでもある特徴かと思います。
そして、こういった人々であっても、ちょっとしたきっかけを与えるだけで動き出すことができます(できないこともありますがw)
そんな
- 計画性の欠如
- 複雑な決断からの逃避
- 惰性・先延ばし癖
といった『誰もが持っている特徴』を有した人であっても救われる『デフォルトでは投資する』が日本でも広がることに期待したいと思います。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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