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「お金がないと頭が悪くなる」
と聞いたことがある人は多いと思います。
これは様々な研究から証明されていることで、例えば、
- 経済的な欠乏は認知機能を低下させる(Financial scarcity and cognitive performance: A meta-analysis - ScienceDirect)
- 経済的困窮はIQを13ポイント低下させる(Poverty Impedes Cognitive Function)
といった論文が有名です。
んで、少々内容は違うものの、2025年4月に我らがバンガードから
- 緊急時の貯蓄の有無が、幸福度やストレスに影響するぞ!(The relationship between emergency savings, financial well-being, and financial stress )
という調査結果が公表されたので共有したいと思います。
これはバンガードの投資家12,443名を対象とした調査なので、比較的に金融リテラシーが高い方を対象とした調査と言えるでしょうから、このブログの読者さんたちにピッタリですね。
なお、この調査では『緊急用の貯蓄の有無』にフォーカスしており、
- 緊急用の貯蓄がない人
- 緊急用の貯蓄が3~6か月分ある人
- 緊急用の貯蓄が2000ドル以上ある人
の3グループ毎に結果をまとめています。
なお、ここでは『資産』『緊急時貯蓄』という感覚的に近い単語が2つ出てきますが、
- 資産 :すぐに現金化できないようなものも含めた資産全般
- 緊急時貯蓄:緊急時にすぐ使うことができる現金
と受け止めて頂ければと思います。
では見ていきましょう。
幸福度の高さ
まずは幸福度。
バンガードの調査では、
- 緊急時の所得がある人々は、そうでない人々よりも幸福度が高い
ことが分かっています。
上記画像は
- 資産が100万ドル(1.5億円)以上あっても、幸福度は18%しか上昇しない。
- 収入が50万ドル(7500万円)以上あっても、12%しか向上しない。
- しかし、緊急時貯蓄が2千ドル(30万円)以上あるだけで21%も上昇する。
ことを示しており、
- 資産や収入よりも、緊急時貯蓄の有無が大事っぽいぞ!
ということを読み取れます。
家計について考える時間
続いて『家計について考える時間』に関する調査です。
アメリカ人の平均は7.7時間を家計について考える時間についやしていますが、これが貯蓄の有無によって変化します。
以下グラフは、それを表したもので、
- 就労中であろうとも、引退後であろうとも、経済的な懸念について悩み、対処する時間が、貯蓄がない人ほど多い。
- 緊急時貯蓄のない人は、およそ週3~4時間くらい大きな時間をついやしている
ことが分かりました。
ただし、『緊急時貯蓄が多い⇒収入が多い』となっている可能性もあるため、緊急時貯蓄』以外の要素(収入や総資産など)を排除した結果がこれ。
ここからは、
- 例え収入が少なかったとしても、緊急時貯蓄さえあれば家計について考える時間を減らせるぞ!
ということが分かります。
仕事中に時間を奪われる時間
続いては、仕事中に経済的ストレスにさらされている時間に関する調査です。
結果は下の画像で、
- 緊急時貯蓄のない人は、ある人にくらべて経済的ストレスにさらされている時間が数倍あるぞ!
ということが分かります。
先ほど同様に、緊急時貯蓄以外(収入など)を排除した結果がこれ。
これちらも同じく
- 例え収入が少なかったとしても、緊急時貯蓄さえあれば経済的ストレスにさらされる時間が減るぞ!
ということが分かります。
ストレスの増減
最後に、ストレスの変化です。
ここからは、
- 緊急時貯蓄がない人々は、そうでない人々に比べて、ストレスが増加している可能性が3割高い。
ことが分かります。
うーん、緊急時貯蓄の有無は大きいね。
まとめ
というわけで、緊急時所得がある人は
- 幸福度が高い
- 家計に時間を取られない
- 仕事に集中できる
- ストレスも減少する
ということが分かりました。
報告書には明確に書かれていなかった(か、見つけられなかった)のですけども、ここで言う緊急時貯蓄には『投資信託』や『株式』は含まれないのだと思います。
よって、『現金をほとんど持たず、ほぼすべてのお金を投資している人』は『緊急時所得ない人』サイドに含まれます。
私がそうで、
- 株価の下落の影響が大きい
- クレジットカード利用分の引き落としに注意しなければならない
といった悪影響が実際にあることを思い出させられました。
また、脱サラ間近な私的観点で言うと、
- ギリギリの資産でFIREすると、お金のストレスから認知能力も落ちるし不幸にもなる。
とも受け止めなければなりません。
というわけで、
「ちょっとばかし多めの現金を確保しておいて、いらぬストレスを感じないようにしよう」
と思ったのでした。
ちなみに、緊急時貯蓄があればあるほどに賢く・幸せになれるわけではないと思いますので、悪しからずw
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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