「金(ゴールド)がすごく上がっている」という噂を聞いたのですが
- 金の上昇はリセッション入りする前に起きる
と考えているので、ちょっと調べてみました。
金は直近12ヵ月で50%も上昇
まず、「金はどれほど上昇しているのか?」についてですが、こちらのサイト(Is Gold's 50% Surge Warning Us of Trouble Ahead?)によると、現在の金価格はおよそ3000ドル/1oz(約31g)となっており下グラフにある通りに直近12ヵ月だけで50%も上昇しています。
比較的にリスクが小さい(破綻することがない)実物資産とは思えないほどの値上がりですね…。
ただ、当然これは平時ではありえない値動きです。
これは、ジェレミー・シーゲル教授の著書『株式投資』に記載されている有名な画像から読み取れる
- 金はインフレヘッジにはなるが大きなリターンをもたらしてこなかった
という実績からも分かります。
このことから、
- 平時にはありえないほどの大きな金価格の上昇は、リセッションや市場の暴落の前に起きる
と言われることがあるわけです。
というわけで、過去のリセッションや暴落時に金価格がどのように動いていたのか見てみましょう。
金価格が急騰したケース
直近であった暴落といえばリーマンショック。
この時、リーマンショックに向けて金価格は2倍以上に高騰し、直前の6か月だけでも50%もの急騰をしていました。
他にも似たような傾向は見つかり、
- 1973年のリセッション(第一次オイルショック)前
- 1979年のリセッション(第二次オイルショック)前
にも金が高騰していました。
繰り返しになりますが、金は大きなリターンが期待できる資産ではないため、ここに注目が集まる(価格が上がる)ということは、それなりな理由が必要です。
その理由の一つが
- 「経済にトラブルが起きる」と予期している人が増えている。
と言われています。
落ち込む消費者心理
実際に、ミシガン大学によって調査されている消費者心理落ち込んでおり、
現在は、過去40年間にあった
- 2008年の金融危機
- 1990年の不況
- 1980年代初期の不況
- 1970年代のスタグフレーション
と同程度の水準にあります。
過去を振り返ると、消費者心理は失業率と連動して(反対に)動くケースがほとんどですが、
- 直近では、失業率が低水準のままとなっているのに、消費者心理だけが悪化している
という状態となっています。
これは、株価に関しても同様のことが言え、
- 新型コロナウィルスによるパンデミック以降は、消費者心理とS&P500の相関性が失われている
ことが分かります。
先述したシーゲル教授はこう言っています。
「最近の株価の下落はデータによるものではなく、関税をめぐる恐怖からくるものだ」
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ここまでをまとめると、
- 消費者心理の低下も一因となって、金価格が上昇している
- しかし、いまのところ消費者心理の低下を是とするデータは少ない
- よって、『関税をめぐる恐怖』が起因となっていると考えられる
となります。
『関税をめぐる恐怖』の起因は、言わずもがなトランプ大統領です。
もしかするとトランプは、引き続き『不安戦略によって、実体経済は悪化せずに株価だけを下げる』ことによって、絶好の買い場を生み出そうとしているのかもしれません。
とはいえ、言うことのコロコロと変わるトランプですから、
「真剣に考えてもしゃーなし」
ということで、機会損失や税金の支払いを避けるべく『売却』という最後の手段はお預けとしておこうと思います。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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