『配当投資についてあなたが誤解していること(What You’re Getting Wrong About Dividend Investing)』的な記事がMORNING STARから出ていたのでご紹介。
冒頭では、
「高配当投資への考え方が二分している」
と書かれていますので、
「アメリカでもインデックス派 vs 高配当派の戦いがあるんかなぁ?」
と想像しながら読んで頂ければと思います。
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結論は、
「配当投資かどうかに関わらず、モチベーションが維持できる投資法を選びましょう。」
であり、高配当投資が優れているとか劣っているという話ではないのですが、高配当投資の特徴について理解を深め、ありがちな批判、
例えば
- 配当金を配る行為は、企業にとって非効率な方法である
- 配当だけでなくトータルリターンを基準に考えるべきだ
といった意見が本当にそうなのか見ていきましょう。
配当を受け取っても投資家が得するわけではない
まず、
- 配当を受け取る=投資家のお金が増える
ではないことに注意が必要です。
配当とは『企業のお金を配るだけの行為』であり、
- 理論上、配当が支払われれば、企業の価値は落ち、その分だけ株価も落ちる
- 配当金を支払わなければ、株価の下落も発生しない
と、どちらが有利だというものではありません。
また、『企業は株主のものである』という大前提があるため、『株主が保有している企業の財布』から『株主の財布』にお金が移動したことを、「株主のお金が増えた」と言うのには語弊がありあます。
配当金の支払いがボラティリティを抑えるわけではない
配当銘柄はディフェンシブな値動きをすることが多いですが、これは配当銘柄が大型株であったり、バリュー銘柄であるためであり、『配当金の支払い』が株価のボラティリティを抑えることにはつながっていません。
よって、
- 配当銘柄はディフェンシブ銘柄であることが多いが、これは配当金が支払われることによるものではない
と理解しておく必要があります。
配当利回りのワナ
配当利回りが高い企業には、
- 利益の多くを投資家に支払っている素晴らしい企業
- 株価が極端に低いせいで配当利回りが高くなっているだけの企業
のどちらも存在しています。
投資初心者の中には「配当利回りが高い=良い企業」と勘違いしている人もいますが、そうではないことに注意が必要です。
また、急成長が期待できるハイテクセクターの多くは低配当や無配当だったりするため、配当利回りに注目することは『大きな成長が期待できるセクターを見逃す』ことにつながる点についても注意が必要です。
とはいえ、配当投資のメリットも
配当投資に対する批判として、
「トータルリターンが同じであれば、配当金を受けとらなくても自分で株式を売ればいいだけ。」
というものがあります。
しかし、『売却』に対する心理的なハードルは大きく、売却のたびに
- どの銘柄を売るか?
- いつ売るか?
- どれくらい売るか?
を判断する必要があり、この判断に失敗すれば後悔することになるでしょう。
また、株価低迷時の売却は、非常につらいものとなることが想像できます。
配当金を受け取っているのであればこういった後悔が生まれることはなく、「売却に関する悩み」を生活から切り離すことができ、人生から投資に悩まされる時間を減らすことができるでしょう。
投資そのものに対して興味を持たない人にとって、これはかなり魅力的ですね。
また、現役世代による『売却をしない投資』では、売却するまで目に見える効果がありませんが、配当金には、目に見える投資のメリットがあります。
例えば、
- 配当金だけで毎月の電気代が払えるようになった!
- 配当が増えて、自動車ローンもカバーできるようになった!
- もっと配当を増やせば…
と、直接的なメリットを感じやすく、投資にモチベーションをもたらすことができます。
どちらの戦略を取るべきか
高配当株と市場全体のトータルリターンを比較すると、
- 2023年までの20年間を見ると、高配当株は市場平均を少し超えている。
- しかし、直近5年、10年を見ると、市場平均が高配当株を上回っている。
と、どちらか一方が常に勝っているわけではなく、将来どうなるかは分かりません。
配当金を受け取る必要がない(働いている)人であれば、配当金を受け取るという行為は税金面で非効率であると言えるかもしれません。
しかし、トータルリターンを高くすることだけが投資の目的ではありません。
ちなみに、市場全体のインデックスに投資している(非高配当)私ですが、唯一持っている個別銘柄のイオンから、たった数千円の配当金が支払われるだけで
「ウシシシシ」
と喜んでしまうくらい配当は魅力的です。
どんなものにもメリットとデメリットがあり、「絶対にこちらの戦略の方がが正しい」と言えるようなものはほとんどありません。
ここで取り上げたような特徴を理解し、自分にあった投資をするようにしましょう。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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